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彼女はくノ一! 第三話 (17)

第三話 激闘! 年末年始!!(17)

「……むー……」
 泣きやんでからもしばらくは、羽生謙は機嫌が悪かった。照れ隠し、も、多少はあるのかもしれないが……。
「……こーちゃんの癖に、生意気に……女に恥をかかせやがって……そんで……そのわりには、こんな元気にしている癖に……」
 羽生譲は、あいかわらず、狩野香也のモノを握りしめている。譲のいうとおり、香也のそこは、「あいかわらず」だった。
「……いやあぁ……でも、それは本能というか……自分ではあまりどうにもできないというか……」
 香也の本体のほうは、いきりたった分身とは違って、ほにゃーとした弛緩した雰囲気を取り戻している。
「……ふん……恥、かかせられたお礼に、だなあ……」
 羽生譲は、悪戯っ子の笑いを顔に浮かべ、香也に躍りかかった……。
「……最初の約束通り、こーちゃんには最後まで、出すところまでやって貰おうかぁ!!」
 譲の雰囲気の変化を察知した香也が、逃げ腰になる。
 その背中に、譲がとりつく。腕を前に回し、しっかりと抱きつき、逃げられないように、ホールドする。
 その上で、香也の背中に自分の体を密着させて、後ろから回した手で、香也の分身を握る。足を、香也の股にからめ、身動きを封じた上で、もう片方の手も、香也自身に添え、両手の手で包み込むようにして、わざと乱暴に……香也のものを、刺激し、しごきはじめた。
「……どうだどうだ。気持ちいいか? いいぞ、いついってもいいぞ。イクところ、しっかり観察してやるからな!」
 そんなことをいいながら、がしゃごしょと、香也の局部を刺激し続ける。
 香也のほうにしてみれば、股間の刺激とは別に、背中にべったりと譲の乳房とか陰毛とかの感触も感じているわけで……。
「……あ。あ。あ……」
 加えて、そもそも、それまでの譲るとの行為で受けた刺激も、経験の浅い香也には十分刺激的だったわけで……。
「……やばい……譲さん。やばい……でちゃう! でちゃうよ!」
 それらの蓄積も手伝って、譲に両手で刺激された香也は、短時間で上り詰めていく。まともに立っていられなくなり、壁に手をついて、ようやく体重を支える。
「ええのんか? ええのんか? ここがええのんか?」
 羽生譲は、香也が取り乱したことで、いつものワルノリ気味のテンションを取り戻しはじめ、例の同人活動の課程で知ったベタなフレーズを使いはじめる。
「いいぞいいぞ。ぶるぶる震えているぞ。このままいっちゃえ、こーちゃん。こーちゃんがイクところ、しっかり観察してやるからな! 早くだせ! いっぱい出せ! どぴゅーっと射精しちゃえ!」
 さらに、香也の分身をしごく手を、早める。

 うっとうめいて、香也が壁に向かって盛大に射精するのと、ガラリ、と、音がして、脱衣所へと続く引き戸が開かれるのが、同時だった。

 引き戸の向こうには、才賀孫子が突っ立っていた。
 三人の時間が、しばらく、停止した。
 いや、香也の射精だけは、流石に途中では止まらなかったが。

 これまで堪えていた時間長かったせいか、香也は、いつまでもどくどくと白濁液を吐き続けた。

 香也が射精をし終え、しばらくすると、表情の消えた才賀孫子が、なにもいわずに引き戸を閉める。
『…………うわわわわぁ……』
 香也の顔は、ほとんど、紙のように白くなった。
 ……なんと、なんと……間の悪い……。
 思えば、彼女とは、初対面の時からして、最悪な出会い方をしている……。

「……ち、違うんだ、ゴスロリ子ちゃん。いや、才賀ソンコちゃん!」
「……わたしの名前はソンシです! それに、このような淫行を行う女に軽々しく名前を呼ばれたくありません!」
 とりあえず、同性の羽生譲が、裸のまま浴室を出て、才賀孫子に追いすがる。
 香也は、その場にへたりこんだ。
「……こーちゃんは、わたしを慰めてくれようとして、だな……」
「……その、変な匂いのする手を、近づけないでください! 慰めるにしても、慰め方というものが……」

 外で起きている騒ぎに耳を傾ける余裕もなく、その場にへたりこんだまま、香也は、「……は。は。は……」と、虚ろな声で笑いはじめた。
 二人が盛大に騒ぎはじめたので、その声は、台所で夕食の支度をしていた真理の耳にも、届き……。

「……そう。そんなことがあったの……」
 すぐに、緊急家族会議が開かれることになった。
 会場は居間、出席者は、真理、香也、羽生譲の三名。
 松島楓はバイト先からまだ帰宅しておらず、才賀孫子は「今日の夕食は外で食べる」と怒ったように言い残して、いつもよりかなり早めに外出した。
 四人は炬燵にあたっていて、それぞれの前にお茶がはいった湯飲みが置かれている。
 松島楓が帰宅するまで、数十分の猶予がある。その短い時間で、狩野真理、狩野香也、羽生謙は、早急に当座の結論を出さなければなかった……。
 ようするに、香也の、今後の処遇に関して、だが……。

 その場で、香也は、今まで隠していた楓との経緯を洗いざらい白状させられた。羽生譲のほうも、前日の夜、才賀孫子が羽生譲市を連れてきたところから初めて、今日の出来事にいたるまで、かなり詳細に真理に説明をした。

「……譲さんの気持ちもわかるけど、せっかく来たんだから、せめて一晩くらい、泊めてあげればよかったのに……」
 真理は譲市に関して、それだけ言及した。
 真理は、順也と親しくしていた譲市とは顔見知りだったし、現在の苦境についてもよく知っている。だから、譲市についても、他にもいろいろ思うところはあったはずだが……譲の手前、それ以上はなにもいわなかった……の、だろう……。

「……それと、こーちゃん。そういうお年頃だというのはわかるけど……。
 うーん。
 やっぱり、こーちゃんがいるこの家に、女の子を二人も預かる、というのは無理だったのかしらねー……。
 ……でも……感慨深いわぁ……。
 あの、こーちゃんが、こんな女性問題を起こすようになるなんて……」
 と、前置きしてから、
「こーちゃんは、しばらく、庭のプレハブに寝泊まりすること」
 と、宣言した。

 当然の事ながら、壁がぺらぺらなプレハブの中は、母屋の中よりはよっぽど居住性が悪い。ことに真夏や真冬は、絵さえ描ければたいていのことには気にならない香也にしても、長時間中にいたいとは思えない環境になる。真冬の夜に、あそこに泊まり込む、などということは……かなりの覚悟を要する。
 で、時期的には、これから寒さがいや増していく季節になるわけで……でも、まあ、妥当な処置ではあるだろう、と、香也も、思った。
 ……ペナルティ、の意味もあるだろうし……それ以外に、才賀さんとか、これ以上むやみに警戒させたくないし……。

「……あと、こーちゃんは誰とおつき合してもいいです。いいですけど、関係を持つときは、ちゃんと避妊をすること。
 その辺の具体的な知識がなければ、ちょどお隣りに、学校の保健室の先生が住んでいらっしゃいますから、相談しなさい……」
 ようするに三島百合香……の、ことだが……あの先生に性的な事柄を相談する気には、香也は、なれなかった。なにせ、初対面の時からして、彼女にはいきなり往復びんたをくらっている。
 別にそう親しくしているわけでないが……三島の人柄については、「端から見ていると面白いが、あまりお近づきになりたくない人物」という評価を、香也は下している。

 そして真理は、それ以上、香也にはなにもいわなかった。
 ようは、「あとは自分で考えて、判断しろ」ということなのだろうな、と、香也は受け取る。
 真理とのつき合いは、羽生譲よりも、長い。
「真理先生」と呼んでいたときから、いつもにこやかな彼女は、実は、結構子供を突き放して、自分の始末は自分でつけさせるタイプの教育者である……ということを、香也はよく知っていた。
 幼少時、香也の反応が他の子と比べ、明らかに鈍いのにも関わらず、専門家の医師が「自閉症ないしは類似の疾患ではない」という診断をくだせば、他の子供と同じようにあつかった。また、香也が不登校に近い状態になっても、特に騒ぐことなくしたいようにさせてくれた。

 その点、真理のスタンスは昔っから一貫している。なにかと香也を構おうとした、羽生譲とは、対局にあるアプローチ法、といえる。

「……譲さん、はぁ……」
 真理は、羽生譲の顔を、悪戯っぽい笑顔で、まともにのぞき込む。
「……どうする? こーちゃんが結婚できる年齢まで育つのを待って、このまま、この家のお嫁さんになっちゃう? そういうのもアリだとは思うけど……」
「……いや、正直、今の時点では、そこまで腹、座ってないです……」
 羽生謙は、がくり、とうなだれた。
「……こーちゃんは好きだし、この先どうなるかはわからんけど……でも、今すぐ、ガチガチにそういう風に決めちゃうほど、では、ないです……」

「……そーね……」
 湯飲みを傾けながら、狩野真理はいった。
「こーちゃんもそうだけど、譲さんも、そんなに焦らなくていいわよ……二人とも、まだまだ、若いんだから……」
 それが、結論みたいなものだった。

[つづき]
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