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髪長姫は最後に笑う。第四章(4)

第四章 「叔父と義姉」(4)

 マンションに入った途端、茅に抱きつかれて、そのままこうなったので、明かりは最初からついていない。しかし、荒野は夜目が効くから、常人には真っ暗にみえる場所でも、ほんのりとものの形が識別できる。あまりにも暗すぎる場合は、細かな色まで識別するのは不可能になるが、それでも明度くらいは見て取れる。赤外線や紫外線やX線は、幸か不幸か、見ることができない。
 おかげで荒野は、震える手で茅のブラウスのボタンを一つ一つ外す際、そこから覗いた肌の色や下着の白さにも、いちいち心臓が飛び跳ねる思いをしている……。
 先ほど、茅にはああいったが、他ならぬ荒野自身が、見慣れているはずの茅の裸体を見ることに、異様な興奮と恐れを抱いている。荒野の高揚を知っているのかいないのか、茅は、目を閉じて仰向けに寝そべったまま、荒野が「なにか」をしてくれるのを待っている。
 ブラウスのボタンを全て外すと、驚かさないように、それを左右に広げ、下着に包まれた乳房を露わにする。脱がせた服と茅の背中の間に手をいれて、茅の上体を抱え起こし、上着ごと、ブラウスの袖から腕を抜く。ブラを除き、剥き出しになった茅の上半身をそのまま抱きしめる。背中に回した手を上下にゆっくり動かし、茅の背中の感触を確かめる。
「……荒野も……」
 茅は、相変わらず目を閉じたまま、荒野に身を任せている。
「……脱いで……荒野の体……感じたい……」
 そうか、といって、荒野は一旦茅の体を離し、自分も服を脱ぐ。
 上半身裸になったところで、茅が荒野の背中に抱きついてきた。
「……よかった……」
 茅は、背中から腕を回して、荒野の心臓の辺りに掌を当てている。
「……荒野も、ドキドキしてる……わたしだけじゃない……」
「茅。しがみつかれたら、服、脱げないよ」
「……いいの……」
 茅は、荒野の両腕ごと、荒野の胴体に手足を回して、しがみついている。そのまま、荒野の背中に、自分の頬をおしつける。
「……少し、このまま……下は、後で脱がすから……今は、荒野の心臓の音、聞かせて……」
 荒野は中途半端な姿勢のまま、茅が飽きるまでじっとしているしかなかった……。
「……全然、静かにならないね、荒野の心臓……」
「……だって、そんな恰好のまま、茅がひっついてくるから……」
「……そうだね。はじめの頃、荒野、毎晩このくらいドキドキして、夜遅くまで、ずっと起きてた……」
「……知ってたの?」
「ん。だって、裸で抱き合ってたから、心臓の音、聞こえてきたし……最初のうちは、荒野はそういう人なんだ、って思ってた……仁明と荒野しか、茅がそうして寝た人、いなかったし……」
 荒野は、一瞬、目眩に似た感覚を覚えた。
「……あのぅ……茅……」
「ん。今では、わかってる。茅も、いろいろ勉強したの。茅、それまで仁明しか、茅以外の人、知らなかったから、憶えることがいっぱいで、大変だった。でも、荒野たちのおかげで、かなりわかってきたの。いろいろな人と会って、いろいろな人がいるんだな、ということがわかったの。
 でも、荒野は特別な人。茅が、こうしてひっつきたいと思える、ただひとりの人……」
「……おれも、そろそろ、茅に触りたいんだけど……」
「……まだ駄目。もう少し、荒野の背中、感じさせて……そう、ベッドに寝そべってもいいから……荒野の背中、すべすべで気持ちいいの……」
「……じゃあ、そうさせてもらう……」
 荒野は、背中に茅をぶら下げたまま、ベッドに俯けに寝そべった。
 ひょっとして、茅は……極端な恥ずかしがり屋で、自分の裸を荒野の目に晒したくないため、荒野のバックをとっているんじゃないだろうか……とか、思わないでもなかったが、自分ですぐに打ち消した。
 いや、それにしては、今の茅、随分リラックスしているじゃないか……と。

 茅は、鼻歌を歌いながら、俯けに寝そべった荒野の背中の上に、俯けに寝そべって、ぺたーっと張りついている。背中には、茅の頬とブラと肌の感触。時折、思い出したように、茅は掌で、荒野の背中のそこここを撫でる。愛撫する、とか、そういう感じではなく、大きさや感触を推し量っているような感じで……。
「荒野の背中……やっぱり広い」
 案の定、茅はそんなことをいいはじめた。
「茅が、華奢すぎるんだよ……」
「むー。荒野、もっと太っている人のほうが好き? 楓とか」
「……なんで、そこで楓? ……あっ! さっきの! ひょっとして胸のこと、気している?」
「むー! むー! むー!」
 茅は、手近にあった枕を両手で掴み、それを振りかぶって、荒野の背中や頭を叩きはじめた。もちろん、全然痛くはないのだが……。
『……そっかぁ……茅も、そういうの、気にするんだ……』
 さっき、茅にはぴったりなサイズのメイド服を松島楓が着た際、楓が「胸のあたりがきつい」といったことを、かなり気にしていたらしい。
「大丈夫だよ、茅……。
 茅、背もむ、む、む……他の部分、も、すぐに、まだまだ大きくなるはずだから……それに、あまり脂肪がつきすぎている女の子も、おれ、イマイチ好きなほうじゃないし……」
「むー!」
 と唸りながらも、茅はとりあえず、枕で荒野の体を連打することは止めた。
 今度の「むー!」は、「本当?」という意味なんだろうな、と、荒野は思った。
「本当本当。おれ、茅みたいなスレンダーなのが好み。もう、ギンギン」
 荒野のほうも、なんがかどんどん自分がなにをいいたいのかわからなくなってきている。茅の態度もそうだが、荒野自身も、いい加減、普段とは全然違うノリになってきている。こういうのも、緊張のあり方、なんだろうか……。
「確かめる!」
 茅は、そう低く吠えて、荒野の股の間に手を突っ込んで、荒野の股間を探った……。
「……をいをい……」
「ほんとだ……硬いまんま……窮屈で可哀想だから、そろそろ、脱がす……」
 上擦った声で茅はそういい、そのまま、荒野のジッパーをゆっくり降ろす。かちゃかちゃと音を鳴らせて、ベルトのバックルを外す。
「ずるいぞ、茅だけ……」
「荒野も、茅、脱がせた」
「上半身だけじゃないか……」
「……駄目。荒野、おしり浮かせて……」
 茅は、荒野のベルトに手をかけて、下着ごと荒野のパンツを、一気に引き抜いた。
「……やっぱり元気。荒野の……」
 満足そうに目を細めて、茅がいった。

[つづき]
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