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髪長姫は最後に笑う。第四章(14)

第四章 「叔父と義姉」(14)

「……むぅ……」
 二人で寄り添い、何分か休憩して、ようやく息を整えた茅がいった。茅は、どこで覚えたのか、機嫌が悪い時に「むー」とか「むぅ」と唸る癖がついているようだ。
「……荒野、やっぱりいじわる……茅がやるっていったのに……」
「いやだって、あんなことされたら我慢できないって、普通……」
 荒野も軽く抗弁する。
「……荒野の、まだ元気……」
 茅は、まだゴムがついたままの荒野のモノを手探りで撫でさする。
「……本当に、出したの?」
「出た出た。いっぱい出た」
 荒野は半身を起こし、ティッシュの箱から何枚か抜き取り、ついたままだった避妊具をはずそうとする。茅も身を起こし、荒野の手元をまじまじと見つめる。
「……興味あるのか? 茅」
「ん」
「……まあいいけど……見てもあんま面白いものじゃあないよ……」
 荒野が周りに流れないようにティッシュで押さえながら、自分の指でゴムはずすと、はずした箇所からどろりとした液体が流れ出てくる。はずしたゴムをティェッシュで包んでゴミ箱に放り込み、汚れも拭おうとすると、茅のその手を止めた。
「……荒野の、匂い……」
 茅は、荒野の股間に顔を近づけ、濡れたままの荒野の陽物の匂いを嗅ぐ。さらに顔を接近させ、真面目な表情のまま、舌の先端で丁寧に舐めはじめる。
「……汚いよ、茅……」
 一度射精して敏感になったままのモノを刺激され、荒野は困惑気味にいった。
「……いいの……」
 茅は荒野の股間に顔を埋め、舌で本格的に荒野自身を清めはじめる。
「荒野、いじわるだったから……今度は、茅がいじわるするの……」
 茅は荒野がギブアップするまで、三十分近くぴちゃぴちゃと音をたてて舐め続けることになる。

「……駄目! 今日はもう、これ以上しないの!」
 しばらくやりたいようにさせていた荒野だが、やがて無理に茅の体を引き剥がした。荒野自身はまだまだ余力があったが、茅の体力のほうが心配だった。
「今夜はもう、寝る!」
 部屋の明かりを消し、茅の体を抱えてベッドに倒れ込んで二人の体に掛け布団をかける。
「……荒野、怒った?」
「怒ってないよ……あれ以上やられたら、また茅を襲いたくなっちゃうから……」
「むぅ……。茅はそれでもいいのに……」
「駄目。きりがないでしょ。それに茅、明日の朝起きれなくなるし……明日は食べ物の買い出しにいかなけりゃ……冷蔵庫からっぽだし、正月はコンビニくらいしか開いてないよ、ここいら……」
「……あ。今年も、もう……」
「うん。終わるね。あと、何十時間で……」
 荒野は、茅の髪をやさしく撫でる。
「だから、寝るときはちゃんと寝よう……来年は、大変な年になりそうだから、今のうからしっかり備えないと……」
「ん。わかった。ね、荒野。茅、もっと丈夫になる……」
 茅は寝る間際、「明日から茅を鍛えて」、と荒野にいった。

 翌朝、荒野が目を覚ますと、予想に反して茅が先に起きていて、荒野の寝顔をまじまじと見つめていた。
「おはよう。茅」
「おはよう。荒野」
「……おれの顔、みてて楽しいか?」
「ん。楽しい。荒野の寝顔、かわいい」
「……先に起きてたんなら、起こしてくれればよかったのに……今何時?」
「八時少し過ぎ」
「……いい時間だなぁ……」
 いつもの起床時間より、だいぶ遅い。やはり夜の方は控えめにしよう、と、荒野は思った。
「……あー。冷蔵庫空だったっけ。たまに二人で外で食うか……この時間だと、ファミレスか牛丼屋くらいしかないなぁ……茅、牛丼屋、まだいったことないだろう……」
 そんなこといいながら、荒野が立ち上がろうとすると、茅はその首にしがみついてくる。
「なんの真似だ? 茅」
「抱っこ。お姫様抱っこ」
「……いいけど……」
 裸のまま二人で浴室に入り、軽くを汗を流してから洗顔と歯磨きを終え、着替えて、二人で外に出る。その途中で、今日は買いだめをしたいので、午前中に駅前方面、午後にショッピング・センターへいく、と話し合った。どちらに行くにしろ、徒歩だと距離がありすぎるので、二人で駐輪場に向かう。
「昨日もいったけど……」
 茅は、荒野に自分を鍛えて欲しい、と改めて依頼した。
「いろいろやっているうちに、忘れていたことを思い出すかも知れないの……」
 茅が「気配絶ち」を見切れるようになったのは、楓や荒野の「気配絶ち」をみてからだ。その後すぐ、茅自身がその術をつかってさえ、いる。
 記憶を封印された時、そのような「思い出すための条件付け」をされている、という可能性はあった。
「それに茅、もっと体力があれば、いろいろできるようになると思うの……」
 茅なりに、役に立ちたい、ということなのだろう。
 しかし、多少鍛えても、素人に毛の生えたような人間が、これから接触してくると予測される六主家の人間に太刀打ちできるとは、荒野は考えていない。付け焼き刃が通用するほど甘い人種ではないのだ。
「……まあ、ぼちぼち、な……」
 荒野は、ぽんぽん、と茅の頭を叩く。
 とはいっても、茅が自主的に体力をつけようとする意欲を持つこと自体は、いい傾向だと思った。茅は、放置しておけば一日でも本を読んだりネットに繋いだりして、なにかを学んでいる。好奇心や向学心が強いのはいいが、それだけでは、後になって不自由するだろう、と、荒野は思う。
 なにをするのにも、最後にものをいうのは気力であり、その気力を保持するためには、体調管理と体力が欠かせない。
「……明日の朝から、軽く走り込みでもしてみるか?」
「ん。する」
 荒野がそんなことをいいながら、自転車のホルダーから茅の自転車を取り出して、茅に手渡す。
「今日はまず、牛丼。それから、買い物、昼飯、買い物、だ」
 茅も自分も……いいや。茅と二人で、新しい生活に踏み出していく感覚を、荒野は噛みしめている。
 確かに、決して楽観ばかりできる状況ではないが……今この瞬間、二人で同じ方向を見つめている、というのは、荒野にはとても大事なことに思えた。

 駅前の牛丼屋で、荒野は特盛りつゆだく玉子味噌汁お新香を頼み、茅もそれと同じのを、といいかけて、荒野に「最初は並にしておけ」と訂正された。
 茅も昨夜の運動で空腹だったのか、荒野に劣らないスピードで玉子を掛けた並盛りを平らげ、食べ終わってから、「これなら特盛りでもよかったの」と物足りなそうに呟いた。
 初めての牛丼は、茅の嗜好にもそれなりに合致していたようだ。

[つづき]
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