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髪長姫は最後に笑う。第四章(40)

第四章 「叔父と義姉」(40)

 気づけば始業式の前日になっていた。
 その日は勉強会もクラスメイトの身元調査もなかったので、久々に茅と二人きりでだらだらとして過ごした。起床、走り込み、朝食、という朝の流れは茅が崩そうとはしなかったが、ここ数日、午前中にマメに買い物にでていたせいで冷蔵庫の中は満杯の状態であり、外は朝から今にも雨が降りそうなどんよりとした曇り空で、強い北風も吹いていたので、二人は当然のようにマンションの中に閉じこもって過ごした。
 朝食と掃除、それに明日の支度をするともうその日にすべきことはなにもない。
 茅は紅茶をいれたり本のページをめくったりノートパソコンを立ち上げてネットに接続してなにか調べたり、と、ちょこまかと動き回っていたが、荒野はソファに横になってうつらうつらと微睡んでいる。最近、細かな用事が重なっていたから、なんとなく体がだるい。暖房の効いた部屋の中でまったりしているのが、いかにも心地よい……。
「荒野、疲れてる?」
「……ちょっと、ね……」
 茅が近寄ってきて話しかけても、いかにも眠そうな声で生返事しか返さない荒野に、
「……むぅ」
 とむくれてみせて、茅は、ソファに横になっている荒野の腹の部分に、自分の頭をのっけた。
「……寝るのなら……ちゃんとベッドにいくの……」
「……ふぁ……。
 うー……ん……」
 荒野はあくびをかみ殺しながら、否定とも肯定ともつかない返事をする。
「……こうしてると、荒野の心臓の音が聞こえる……」
 荒野は半眼になって首をゆっくりと上下に振るだけで、なにも返事をしなかった。
「……むぅ」
 茅はそういって、横になっていた荒野の上にダイブする。油断しきっていた荒野は、茅の勢いを受け止めることができず、二人はもつれ合ってフローリングの床の上に転がった。
「荒野、相手してくれない……つまらない……」
「……あー……」
 荒野は半分寝とぼけた頭で不明瞭な思考をしながら、とりあえず、くしゃ、っと茅の髪の毛に指をつっこんで、掻き回した。
「……じゃ、二人でなんかやろうか?」
 荒野は特に「何をやる」という具体的なことを考えてなかった。トランプとかそんな健全なことを想定した発言だったが、茅はいきなり覆い被さってきて口唇を重ねてきた。勢い、すぐにお互いの体をまさぐったり服を脱がし合ったり、とかいうことになる。
「……そういや、しばらくやってなかったな……」
 荒野はわざと口にだして、茅に直接聞いてみる。
「茅、もっと頻繁にやったほうがいいのか?」
「むぅ!」
 半裸の茅が、ソファの上にあったクッションで荒野を殴った。
 聞くな、ということらしい。
『……前のときもこんなこと言い合ってたなあ……』
 と、荒野は思いだす。
「いや、なんか、いつも二人でいっしょにいるから、それだけで満足しちゃってさ……茅が欲しくないわけじゃ、ないぞ……」
 実際、荒野のは、茅に抱きつかれキスされただけでかなり硬くなっている。
 茅は半裸のまま半身を起こした荒野の膝の上に乗り、執拗に舌で荒野の口唇や舌をなぶる。その後、ぎゅっと荒野の肩を抱きしめて、
「……セックスより……こうして荒野とくっついているの、好き……」
 と耳元で囁く。
「裸で抱き合うのって、毎晩やってるじゃないか……」
『……そういや……』
 荒野は思い返した。
『……茅がやったのって……茅自身が不安定になった最初と、おれ自身が不安定になった時だけ……だよなあ……』
 その二回しか、荒野は茅を抱いていない。いつも裸で抱き合って寝ているが、だからといっても毎日のように求めるのは少しがっつきすぎだ、と、荒野は思う。先ほど茅にいったように、いつも一緒にいることでそれなりに充足してしまっている部分も、多分にある。
「……こういうまったりした感じでやるのって、初めてだな、おれたち……」
 キスとかお互いの服を脱がせ合ったりする合間に、荒野は茅にそういった。
『……こうしてなんの理由もなく、なんとなくはじめるのって……なんか普通の人みたいだ……』
 漠然と、荒野はそんなことを思う。
 自分と茅は、この先、いわゆる恋人同士のような関係に発展するのだろうか? それとも、今の状態でも、世間的な基準で言えば、すでに恋人同士、と、いえるのだろうか……。
 こういう、「特になんのきっかけもなく、なんとなくはじめる」というのが、えらく新鮮に感じた。
 下着姿になっていた茅はすでにスイッチが入っているようで、荒野に体を密着させて、下着越しに荒野の硬くなったものの輪郭を指先でなぞっている。
「……茅、それほしいの?」
 荒野が茅の耳元に口を寄せて尋ねると、茅が、
「ん」
 と答えたので、
「……じゃあ、あげない」
 といって、荒野の股間に伸ばされていた茅の手を払いのける。
 茅が抗議の声を上げる前に口唇を重ね、下着の上から茅の秘処をまさぐる。茅は、最初こそじたばたと抵抗していたが、次第に体の力を抜いて荒野のなすがままになった。自分から口を開けて荒野の舌を受け入れる。茅の下着、荒野がそっと触っている部分に、すぐにシミができる。鼻腔から漏れる茅の甘い吐息が、早くなる。
「茅……濡れるの、早いね」
 口を離して荒野がそういうと、
「馬鹿!」
 といって茅は半身を起こし、荒野の下着に手をいれて、硬くなった荒野の分身を握った。
「……これ……欲しいの」

[つづき]
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