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第四話 夢と希望の、新学期(42)
基本的に才賀孫子は、実家が裕福で何人もの使用人にかしずかれて生活していた関係上、性的な情報源というと、教科書や医学書などの無味乾燥なものにしか触れることが許されない環境で育った。つまり、いわゆる扇情的なポルノグラフィなどとは無縁な環境にあったため、香也の男性器の実物をすぐ目の前に置き、それだけでもかなりドギマギしている。しかし、孫子の性格では、自分がかなり動揺していることを素直に表明することはできないのであった。
『……うわぁ……ヘンな形……グロテスク……』
とか内心で思うながらも、
「……今、ちゃんと口で綺麗に清めて差し上げます」
などと虚勢を張ってしまう。
孫子が「口で……」などといいだしたのは、別段他意があってのことではなく、指で弄くっただけでも香也はあれだけ激しくうち震えて可愛い声を上げてしまうほど敏感な部分なのだから、もっと柔らかい部位で扱ってやろう、と考えただけのことで……そもそも孫子は、「フェラチオ」とか「オラール・セックス」などという語彙や概念さえ、しらなかった。
だから、香也の男根に下から上まで丁寧に舌を這わせ、最後に先っぽを口に含んだ時、香也が指でやった時以上に激しく反応しはじめたことは、孫子の予測するところではなかった。
ただ、体全体をガクガクいわせて声を上げている香也の姿を見ていると、孫子自身も訳の分からない高揚に包まれてくるのだった。舌先で香也の普段は包皮に包まれている部分を丁寧にまさぐっていくと、再び香也がビクン、ビクンと震えてはじめた。
『……なに?』
と思いつつも、孫子は香也のものをちゅぱちゅぱとしゃぶるのを止めない。
いつのまにかそうして香也のモノを口の中で転がしているのが楽しくなってきているし……香也が感じて悶絶している様子は、可愛い……。
しかし……。
『……ちょっと前にも、同じような反応をしたことが……あの時は、確か……』
孫子が、つい先ほどの出来事を思い出すよりも早く、香也はこの日二度目の射精を孫子の口内に行った。
孫子の口の中に、刺激臭を含んだむっとする動物臭が広がり、生暖かくて何ともいえない味のする粘液が、溢れる……。
『……これ……殿方の……』
精液……というものに関する知識は、孫子も持っていた。しかし、口でそれを受け止めたのは、当然のことながら、これが最初である。
滅多にない経験だから、基本的に道の経験には貪欲な孫子は、口内に溢れた不快な物体について、味と臭いを冷静によく吟味する。
一言でいってしまえば、「最悪」、といっていい。しかし……。
孫子は、その不快な香也の排出物を、そのまま嚥下する。生牡蠣を呑み込んだような感触を喉に感じた後も、口の中にエグい臭いが残る。
そのモノを嚥下した後も不快な感触は残ったが……これが、香也の味だ……と、孫子は思った。
「……の、呑んじゃったんですか? あれ?」
気づくと、楓が四つんばいの恰好で自分の様子を心配そうに伺っていた。四つんばいになると、悔しいことに孫子自身のよりもよほど豊かな楓のバストが、否が応でも強調される。
孫子が香也の精液を呑み込んだことが、よほど意外だったらしい。
「呑んじゃ駄目……な、ものなの? あれ……」
「……さ、さぁ……命に別状はないとは思いかすが……おいしいですか? あれ?」
楓自身は、口の中に出された経験はない。が、あの独特の臭いから推察して、決して、おいしそうには見えなかった。
楓の予測を裏付けるのように、孫子は軽く顔をしかめてぶんぶんと頭を横に振る。
「……やっぱり……」
「……でも、香也のだから……」
珍しく孫子は、後半部の言葉を濁し、「……楓と違って、わたくし、香也としてないし……」という部分を、わざと楓に聞き取れないような不明瞭な小声で続けた。
二人がそんな会話をしている間に、香也はそおっと風呂場を逃げ出し、その場では、辛くも貞操を守った。二人が気づいた時、香也は脱衣所に置いてあった服を抱え、真っ裸のまま、脱兎の如く風呂場を後にしていた。
……よっぽど、いきなり二人同時に迫られる、という体験が、怖かったらしい……。
楓と孫子は、香也が逃げていくのに気づいてもまさか大声で静止するわけにも行かず、また、落ち着いて考えてみると、自分たちがとんでもないことをしでかしかけた、ということに気づき(俗な言い方をすれば、逆レイプ、逆輪姦をしそこねたわけである)、しばらく脱衣所でお互いの顔を見合わせた後、どちらともなく風呂場に戻って、冷えかけた体を湯船に沈めた。
「……なにやってんだろ、わたし……」
「……なにやってしまったのかしら、わたくし……」
湯船に浸かりながら、期せずして二人は、同時にぽつりと呟いた。
その呟き声が重なったことで、二人はさらに激しい自己嫌悪に駆られた。
その夜、香也は一人きりになるのをあかるさまに怖がっている様子で、夕食の前後も、羽生の部屋で作業に勤しんでいた玉木や羽生の後ろで、用もないのに二人の作業を見守って過ごした。
玉木が帰宅した後も、ギリギリまで真理や羽生と一緒にいようとし、いよいよ就寝しなければならない時間になると、悄然とうなだれてようやく自室に戻った。
香也の部屋は襖で仕切られているだけで鍵がかかる構造ではない、ということもあって、不安で目が冴えた香也は、その夜はろくに眠れなかった。
孫子や楓も、二人して、相手が夜間に香也の部屋に夜這いにでも行くのではないか、という疑心に駆られており、出歩く必要もないのに、二人で足音を忍ばせて香也の部屋の近辺を歩き回ったため、一晩に何度も廊下で鉢合わせし、パジャマ姿のままにらみ合う、ということを繰り返した。
翌日、三人は、当然のように寝不足になっていた。
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つづき]
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