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彼女はくノ一! 第五話 (46)

第五話 混戦! 乱戦! バレンタイン!!(46)

 下着姿の才賀孫子は、ナイロン製のロープによって拘束されており、大股開きの格好で、椅子に縛り付けられている。両手首は首の後ろで、厳重に縛られており、また、足首は、膝を折り曲げ、孫子自身の太ももとぴったりと密着させた状態で、幾重にもロープが巻き付けられている。ロープの色は毒々しい赤だった。ナイロンはそれなりに強靭な化学繊維だが、孫子の膂力をもってすれば振りほどけない、というほどの強度でもない。
 それでも孫子が抵抗しようとしないのは、そうした屈辱的な姿勢をすることによって孫子の羞恥心を煽るのが今回の狙いである、ということを、シルヴィ・姉崎があらかじめ説明されているからだ。シルヴィは孫子になにも強要しない。しかじかの必要があって、こういう行為を行うと説明した上で、それでも孫子が望むのなら、説明した通りのことを実行する。
「……一口に性感といっても……」
 多種多様な快楽があり、そのすべてを極める必要はない。が、肉体的な快楽と精神的な快楽、その二種類の区別くらいできなければ、この先の姉崎の技は教授できない、と、シルヴィは孫子に説明した。
「でも……大丈夫?
 あなた、まだ男も知らないんでしょう? 耐えられる?」
 孫子は毅然としてシルヴィに縛られることを承諾した。

「……どう? 感じる?」
 ……ヴ、ヴ、ヴ、ヴ、ヴ……という鈍い振動音が響く中、シルヴィは椅子に拘束されている孫子に尋ねた。縛られ、身動きを封じられた状態で下着の中にローターを入れられている孫子は、下唇を噛みながら、上目使いにシルヴィの顔を睨むが、なにも言わない。
 孫子は、拗ねているようにも、込み上げてくる声を必死に抑えているようにも、みえる。
「……だめよー……ちゃんと答えなければ……」
 シルヴィはつま先を孫子の股間部にそっと乗せ、下着の中にあるローターを、つま先でそっと転がした。
 孫子が、のどをのけぞらして、「はがっ!」と息を吐く。
『やはり……気丈な子だ……』
 そう思いながら、シルヴィがつま先でローターを転がし続ける、呼吸をあらくした孫子が、息もたえだえ、といった風情で、しかし、凝然と顔をあげ、シルヴィの顔を睨みつけて、答えた。
「……か、感じる……感じて、ます……」
 極力感情を押し殺した声だった。
 必要だから、聞かれたことには答えた……といった態度を崩そうとしない。
「ふん。いやらしい。ついこの間まで自慰もしなかった娘が……」
 そういってシルヴィはつま先でローターを孫子の一番敏感な突起部に固定しながら、リモコンのスイッチを操作して、振動の強度を上げた。

 孫子の体が、びくん、びくんと震える。
 体全体が跳ね上がり、必死にローターから腰を逃そうと動いていたが、シルヴィは足で孫子のそこを押さえ付けて、逃げるのを許さない。のけぞった孫子ののどから、「ふぁっ!」とか「あっ! あっ! あっ!」という声が漏れる。
「……駄目よう……逃げようとしちゃぁ……これも、習練のうち、なんだから……」
 しばらく痙攣したように撥ね動いてから急に静かになった孫子に、シルヴィは重ねて尋ねる。
「……さぁ……ソンシちゃん……。
 どう? こうやって他人にいたぶられるのと、誰もみていない場所で、一人でこの子を使うのと、どっちが気持ちいい……」
 そういいながら、さらにぐりぐりとつま先でローターを孫子の「そこ」に押し付ける。
 一度はぐったりとした孫子が、顔を上げてシルヴィを睨みつけた。
「……今……のほうが……」
「なぁに?  聞こえない。ちゃんと大きな声で、はっきりといって!」
「一人でやるよりも……今のほうが、気持ちいいです!」
「はい。よくいえました! これは、ご褒美!」
 シルヴィは、リモコンでローターの出力を最大にした。
 それまで声をこらえていた孫子が、拘束された白い裸体をできる範囲でくねらせて、吠える。おぉぉぉぉ! という、どこか獣じみた咆哮だった。
「……なに? はしたない。
 そんなに声を張り上げちゃって……。
 そんなに気持ちいいの?
 いじめられて感じてるの?
 いやらしい子……」
 シルヴィがさらにそう罵ると、孫子は自制心を総動員して口を閉ざし、深呼吸して気を静めようとした。
「もう、認めちゃったら? ソンシちゃん、こんなにぬらしちゃうぐらい、いやらしいんだから……」
 シルヴィは、自分のつま先を置いてある部分を、孫子にしめした。
「……ほら……ここ、さっきから、すっごい水がでてきているの……頭では否定しても、体の方は、気持ちいいっていっているの……。
 あんまり嘘ばっかりついていると……こうしているソンシちゃんのビデオ、あの絵描きの子に、見せちゃおうかなぁ……」
「……そんなことを、してごらんなさい……」
 それまでぐったりしていた孫子が、いきなり背筋を延ばし、シルヴィを睨みつける。
「才賀の総力を結集して、あなた自身とあなたの家族を、皆殺しにします……」
 脅す、というよりはもっと冷徹な、淡々と事実を教える声だった。
『……やっぱり……強い子……』
 シルヴィは、そういう感慨を新たにする。
『この子は……折れない。溺れない。
 譲れない一線を持っていて、それを死守するためには、どんなことだってする……』
「……冗談よぉ……」
 シルヴィは急にローターのスイッチを切って、孫子の体から離れる。
 シルヴィが離れると、孫子はほっとした表情をして、自分の身を拘束していたロープを、自分でほどき始めた。先程暴れた際、かなり緩んできていたので、別に難しい仕事ではない。
「……これ以上は……教えることはないわ……。
 男も、知らない子には……」
 シルヴィは、拘束を解いて立ち上がった孫子は向かってバスタオルを投げかけた。孫子の下半身は、孫子の自身が分泌した体液で塗れている。
「だから、これ以上、レッスンを進めたければ、ちゃんと殿方とやってきなさい。相手は誰でもいいんだけど……そうね。あなた自身は、もう心に決めた人がいるみたいだから、これを使うといいわ……」
 バスタオルで身を包んだ孫子に、シルヴィは茶色い小瓶を投げ渡す。
「……これ、なんだと思う?
 一種の媚薬、なんだけど……効果がすごすぎて、それに、理性を麻痺させるから……服用してからしばらくすると、そばにいる人に見境なく抱きついて押し倒しはじめるの……。
 男にも女にも、効果があるわ……。
 もうすぐ、バレンタインで……日本のバレンタインは、女性が男性にチョコをあげる習慣なんでしょ?
 その薬を、せいぜい有効に使いなさい……」

[つづき]
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