第五話 混戦! 乱戦! バレンタイン!!(52)
孫子の位置からは見えないが、栗田を羽交い締めにしている舞花の位置からは、栗田の「それ」がいきり勃っているのが確認できるのだろう……と、孫子は予測する。
「はっ、はっ!
すごい、元気じゃないか! セイッチ!
いつもより一回りくらい大きいんじゃないのか!」
背後から栗田に抱き着いている舞花のテンションも、明らかに普段よりもハイになっている。
「孫子ちゃんに見られているんで、いつもより興奮しているのか? えっちだな、セイッチは……。
……待ってろぉ……その、パンパンに膨れあがっているの、今、楽にしてやるからなぁ……」
舞花は片手だけを栗田の股間に延ばして、ジッパーに手をかけた。
栗田はずっと舞花の拘束から逃れようともがいているのだが、相変わらず、舞花の腕はびくともせず、栗田の体をがっしりと捕らえ続けている。
舞花がジッパーに手をかけた時、栗田の抵抗は頂点に達したが、じじじじじ……と、舞花が栗田の股間のジッパーを降ろしきると、諦めたのか、急におとなしくなった。
疲れ、諦め……それに、多分、これから始まることへの期待感が、栗田の抵抗を止めた……と、孫子は解釈する。
栗田精一の顔を伏せて孫子と目を合わさないようにしていたが、飯島舞花と同じくらいに紅潮し、明らかに興奮で潤んだ瞳をしている。
「いい加減……やめろって、まーねー……」
それでも栗田精一は、掠れ声でそういった。が、その声は弱々しく、本気で抗おうとは、していない。
「……さ、才賀さんの前で、こんなこと……」
時折、栗田は伏し目がちに孫子の顔をちらちらとみる。
この場ですぐにでも欲望を解放したい、という欲求……と……人目を気にする理性とが、せめぎ合っているのを、その複雑な表情から読み取ることができた。
「わたくしのことは、お気になさらず……」
孫子は、ころころと無邪気な笑い声を上げる。
「先程も、柏さんのお宅で、この目で、クスリの効果を確かめてきたばかりですから……」
孫子は「この目で」という部分に、アクセントを置いた。好奇心によって、孫子の声も弾み、表情も輝いている。しかしその高揚は、どこか透明感のある、透徹な好奇心であり、下品な欲望を感じさせるものではなかった。
むろん、孫子にも性欲はある。
先程、柏あんなと堺雅史の情事を見学した時も、本人は冷静なつもりであったが、後でトイレにいった時、本人も気づかないうちに下着が濡れて重くなっていたのを発見し、ひどく驚いたものだ。
しかし、どんなに性的に興奮してはいても、基本的根底的な部分で、孫子には、他人の情事を盗み見たいという願望が欠落している。
舞花や栗田の房事を観察することで結果的に興奮しても、それは所詮「他人の情事」なのであり、孫子自身の性欲とは直結しない。少なくとも、孫子の表層意識では、そういうことになっている。
だから、好奇心を丸出しにして、平然と眺めることができた。
「……ほら、孫子ちゃんもああいっているしぃ……」
舞花は、今では、後ろから右手を回して栗田の頭を抱き締め、左手は、栗田の股間の当たりに延ばしている。その体勢だと、舞花の豊かな乳房は、栗田の後頭部に押し付け、押し潰される格好になる。
クスリが回りはじめているのか、舞花の頬はピンクに染まり、声がねっとりと湿り気を帯びている。
「……セイッチのこれ、出して楽にしような……。
孫子ちゃんに見てもらいながら、たっぷり気持ちよくさせてやるから……。
さ、出すぞ……孫子ちゃんに、大きくなったセイッチの……見てもらおうなぁ……」
もちろん、栗田は「……やめろぉ……」と力無く呟くのだが、背後から舞花にがっしりとホールドされているので、相変わらず抵抗できない。
舞花は、すでにジッパーを下げきっていた社会の窓に指を突っ込み、下着ごしに剛直に指先をツツツツとはわせて感触を楽しんだ後、孫子に顔を向けて、
「……孫子ちゃん、今、出すから、よく見えるように、もうちょっと近寄りな……」
といい、悪戯っ子のような表情で微笑んだ。
孫子は、二人がよくの位置に自分の座る椅子を移動させ、座り直すのを確認して、舞花は栗田の下着をかきわけて、中から栗田自身を取り出した。
栗田自身は、「ぴょこん」という擬音が似合いそうな勢いで飛び出てくる。栗田のそれは、すっかり反り返っていた。
「……どう、孫子ちゃん……。
セイッチの……背が小さいわりには、立派だろ……」
舞花にそういわれ、孫子は記憶にある男性自身と栗田のそれとを比較してみる。とはいっても、孫子は、勃起した男性は、香也のものと、先程みたばかりの堺雅史のものしか知らないわけだが……。
その誰の持ち物も、孫子の目からは、ゴツゴツしていて血管が浮き出ていて、とても人体の一部とは思えぬグロテスクさを有している、という感想しか持てなかった……。
「……先端が、随分と大きいのですね……」
孫子の記憶にある二本の男根と比較し、孫子は、栗田の形状をそう評した。
「そうそう。これがね、ズズンと入ってきて、抜く寸前とか、中の襞をめくりあげてね……。
うん。
そう、こう、キュン、ってなるんだよね……」
異常な状況に加え、舞花は、故意に卑猥なことをいって、栗田と、自分をより興奮させようとしている。
舞花は、もはや抵抗もやめた栗田の体から腕をはずし、栗田の前にひざまずいて、栗田のいきりたったモノに顔を近づける。
舞花は栗田の「それ」を両掌で優しく包み込む。
「……セイッチはねぇ、この、先っぽの、割れている所を触れると……びくびくってなるんだ……」
そんな解説するなよぉ……と、栗田が拗ねたようなうなり声をあげる。
「……どうして?
セイッチ、気持ち良くなりたいんだろ?
今、セイッチが好きなこと、たっぷりやって、あ、げ、る、からなぁ……」
舞花は指で栗田をゆるくしごきながら、栗田の鈴口にちろちろと舌先を這わせる。
「……うっ!」っと、栗田がうめく。
「なぁ……セイッチ……。
これから口で気持ち良くするのと、胸で気持ち良くするのと……どっちをやってほしい?」
栗田は、露骨に視線を宙にさ迷わせはじめた。
「……く、口で……」
しばらくして、栗田は顔を伏せて、ぼそり、と答える。
「んふ。
そうやって恥ずかがっているセイッチ、可愛いぞ……。
じゃあ、まず最初は、お口でな……」
いうが早いか、舞花は、栗田の裏筋を、舌先で、下から上に嘗め上げた後、亀頭の根元、いわゆるカリ首のあたりで舌を横に動かし、それからやおらに、ぱっくりと栗田の先端を口に加え、じゅじゅじゅ、と水音をさせながら、頭を上下に降り始めた。
……ふー、ふー、ふー……と、なにか耳障りな音がするなぁ、と思ったら、それは、孫子自身の呼吸音だった。
気づかないうちに、舞花と栗田の行為に、夢中になって見入っていたらしい……と、孫子は初めて自覚する。
柏あんなと堺雅史の時は、あっという間にはじまってあっという間に終わった、という感覚があったが、今回は、舞花がことさら孫子に見せつけるようにリードしている。
だから孫子も、自分自身が、先ほどとは違い、今度は、予想以上に自分が興奮していることを、リアルタイムで体感できた。
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つづき]
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