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彼女はくノ一! 第五話 (55)

第五話 混戦! 乱戦! バレンタイン!!(55)

 孫子はちらりと横目で時刻を確認してから、そっと自分のスカートの中に右手を潜り込ませる。孫子は、子の家に来るまで、より正確を期するなら、シルヴィ姉崎の薫陶を得るようになるまで、自慰行為には無縁の生活を送っていたが、だからといって、そうした行為に嫌悪感や偏見を持っている訳ではなかった。
 両親の死後、世話になっていた鋼蔵は孫子が望むままに幾人も優秀な各種家庭教師を雇ってくれたし、孫子自身、様々な事柄を学習し、自分の血肉にすることが好きな性分だったので、自分から寝食を忘れるほどに没頭して自身の能力を延ばしていった。
 結果、学校での交友関係を積極的に構築しようともせず、空いている時間はすべて自分の能力や知識を養うことに使っていた。
 つまり、それまで孫子が自慰についての知識は持っていても、自分の身で試みたことがなかったのは、単純にその行為に割くための時間を持っていなかった、という理由による。
 ここに来てから、孫子を取り巻く環境は、大きく変わった。
 鋼蔵にこの家に押し込められた、ということは過剰ともいえる孫子の自己鍛練癖を事実上封じられた、ということであり、加えて、この家の住人やこの家に出入りする人々と多く接するうちに、孫子は世の中にはいかに多種多様な人間がいるのか、ということを思い知ることになる。
 これは、それまでの孫子の生き方を再考するいい契機にもなった。
 濡れた下着ごしに触れた指先を、陰唇の形をなぞるように、縦に動かしはじめる。
 孫子は、「……んっ……」っと、軽く鼻息をつく。
 一度そこに触れて動かしてしまうと、その感触が呼び水となって、今日一日の様々な出来事が思い出させる。
 午前中、縛られたまま、シルヴィの手によって下着の中に入れられたピンクローターの振動……。
「……ふっ……」
 柏あんなと堺雅史の性急な交合……。
「……あっ!」
 飯島舞花と栗田精一によって、孫子に見せつけられるように行われた性交……。
「……ああっ!」
 それら、様々な思い出が孫子の中で奇妙な具合に混合し、孫子の指の動きを加速させる。
「……はつ! はっ!」
 大きな声は出さない。廊下とは襖一枚で隔てられているだけなので、出せない。
 文机の上に半ば突っ伏した格好で、押し殺した呻き声を上げながら、孫子は指で自分自身を慰めながら、記憶の中の柏あんなや飯島舞花を自分と入れ替えている。
 想像の中のパートナーは、もちろん、香也だ。
 孫子は香也の全裸姿も、勃起した姿も、何度か見ているので、想像する材料には事欠かない。
 それどころか……。
「……ん! ……ふふっ!」
 ……香也のいきりたった男根を口にし、暴発したものを嚥下したことさえ、あった。
 そんなことを思い出してしまうと、孫子の指が蠢いている場所からとろとろになった液体が大量に出て来て、孫子の指を濡らす。
 いけないいけない、と思いながら、孫子は、ついつい声を大きくしてしまっている。
 指の動きがさらに大胆なものになり、指先が、硬く勃起した小さな孫子の分身に触れる。
「……やぁっ! ん! ん!」
 大声を出しそうになり、孫子は、慌てて口を硬く閉ざした。
 ……それまで、「観るだけ」で抑制していた孫子の欲望が、孫子の体内で荒れ狂って出口を求めている。
 すでに孫子は十分に登詰ていて、登頂までもう一息、という感触があった……。

「……才賀さん……」
 その時、襖ごしに香也の呼ぶ声がした。
 驚いた孫子は、「うひゃぁ」という頓狂な声をあげ、前のめりになってもたれ掛っていた文机から飛び離れ、畳の上に尻餅をつく。
「大丈夫? なんか声がしたけど……」
「……だだだだ、大丈夫!」
 孫子は、全然大丈夫じゃなさそうな、もろに裏返った声で答えた。
「……ちょ……ちょっと、驚いただけだから……」
 本当はちょっとどころ、の騒ぎでないのは、孫子自身がよく分かっている。
 襖一枚を隔てているため、香也からは孫子の姿は見えない筈、なのに、孫子は慌てて襟元を合わせ、少しほつれた髪をて指櫛で整える。
 もちろん、絶頂近くまで到達していた孫子の性的な高揚は、もはやきれいに静まり返っている。
「……そう……。
 ……んー……。
 ごはん、できたんだけど……」
 孫子の異変に気づいているのかいないのか、香也はいつもののんびりとした口調でそういった。
「あ……はい……すぐ行きます……」
 孫子がそう答えると、
「……んー……じゃあ……」
 といって、香也の足音が遠ざかって行く。
 完全に香也の気配が遠くなったのを確認して、孫子は一人、ため息をついた。
 ……わたくし……なにを……。
 やっているんだろ?
 と、孫子は思った。
 それから気を取り直して、濡れた下着も取り替え、身繕いをしてから夕食の席に向かった。

 孫子が居間に向かうと、夕食の席には、すでに真理、羽生譲、松島楓、香也が揃っていた。三人は、荒野たちのマンションで夕食をとる、という話だった。時間の都合がつく限り全員で食事を囲むこの家の習慣が、どれだけ普遍的なものかは「平均的な家庭生活」から程遠い場所で生まれ育った孫子には判断しかねたが、こうして「その日の出来事」をしゃべりあいながら囲む食卓は楽しい、とは、思っている。
 羽生譲は、朝から夕方まで、ファミレスのバイトに入っていた。
 真理は、数日後に迫った出発に備え、様々な準備をしていたようだ。半月以上、家を空けるとなると、いろいろ心配になることが多いらしい。各種洗剤の備蓄状況、とか、細かい日用の消耗品が気になって、チェック漏れがないのか、家中を歩き回っていた、という。
「……大丈夫ですよ。
 前にも、これくらいの留守はしょっちゅうあったし、別に、問題なかったでしょ?」
 とは羽生譲の弁だが、
「……でもねー……。
 前までは、譲さんとこーちゃんの二人きりだったわけだし……」
 家庭内人口が数倍になっている分、真理も心配の種が尽きないようだった。
「……でも、家事ができる人も増えているし、大丈夫でしょ……」
 対称的に、羽生譲は、楽観的に断言した。
 楓は、例によって一日、プレハブに籠もって絵を描いていた香也に張りついていたようだ。他に用事がない時、楓は、いつもそうしている。
 香也も、特に邪魔をされない限りは、絵を描いている最中にそばに人がいても、気にならないようだ。

[つづき]
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