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彼女はくノ一! 第五話 (83)

第五話 混戦! 乱戦! バレンタイン!!(83)

 玄関先で孫子が硬直していた時間は、楓と香也にとってはかなり長く感じたが、せいぜい、数秒間のことたっだろう。
 孫子は、能面のような表情で後ろ手に玄関を閉め、傘立てに傘を差し込む。
 そして、やおらにコートの胸ポケットから小瓶を取り出し、蓋を開けて、口をつけて、大きく傾けた。

 楓と香也は、孫子の予期せぬ行動に、何事かと硬直したまま反応を伺っている。孫子が胸ポケットから取り出した瓶には、シルヴィ・姉崎からもたらされた「あのクスリ」が入っていたのだが、そもそも、楓も香也も、この時点では、そういうクスリは存在すること自体、知らない。

 口いっぱいにクスリを含んだ孫子は、一挙動で楓押しのけて香也に組みつき、強引に口唇を奪う。香也はもがいて孫子の抱擁をほどこうとするのだが、ごく普通の少年でしかない香也が鍛えられ上げた孫子の力に敵うわけもなく、容易にふりほどくことが出来ないまま、口移しに与えられたクスリを嚥下してしまう。楓も、当然のことながら、「なにするですかこの女は!」とか毒づきながら必死になって孫子を引きはがそうとするのだが、結局、孫子が香也から離れたのは、香也が、口移しに与えられたクスリの大半を嚥下したのを確認したからだった。
 強引に飲まされたクスリが、少し気管にも入ったため、孫子が離れると同時に、香也はけほけほと咳き込む。

「ななな、なにするですかこの女は!
 一体、香也様に何飲ませましたか!」
 楓が珍しく鋭い語調で、孫子に詰問をする。
「……知りたい?」
 この時の孫子は、何ともいえない妖艶な笑い方をした。
「……び、や、く。
 わたくしも飲みましたから……あと何時間かは、二人とも……異性なしではいられない状態になりますわ……」
 そう答えた孫子は、「うふっ。うふふふふぅ……」と鬼気迫る笑い声を上げ、香也にしなだれかかる。
「あなたこそ……人の留守中に、抜け駆けをなさった癖に……。
 あなたがそんな真似をしなければ、わたくしも、ここまで強引な手段は選択しませんでしたわ……」
「……な、な、な……」
 孫子の言葉の意味をゆっくりと理解した楓は、わなないた。
「よ……よりにもよって……。
 なんて真似しでかしますかこの女は!」
「自分で試したのは初めてですけど……」
 動揺しまくっている楓とは対照的に、孫子は、落ち着き払っている。
「そろそろ……効いてきたようですわ……。
 わたくし、こんなに体が火照って……香也様も……まあ大変!
 こんなになって……。
 そろそろ、我慢できなくなっているのでは?」
 何せ、直前まで楓といちゃついていて、いい感じにヒートアップしていた所に、そんなクスリを……しかも、かなり大量に体内に摂取したわけで……。
 心臓が飛び出そうなくらいに動悸は激しくなっているし、気のせいか、先ほどから視界がぐらぐら揺れているような気もしてきた。
 床に寝そべっていなかったら、その場に尻餅をついていただろう。
 孫子の言葉通り、香也はもう、イッパイイッパイだった。
 ゼハゼハ喘いで、必死になって気を静めようとしている。

「……さあ、ここまで来たら……欲望に素直になる以外に、元に戻る術はありませんわ……。
 わたくしのこと……滅茶苦茶にしてくださいまし……」
 そういって孫子は、自分で服のボタンを外し、胸をはだけて香也の手をそこに入れ、「うふふふっふっ」と笑いながら香也の首に抱きついて、体をすり寄らせた。
 この言葉のうち、前半部分は明白な嘘である。
 欲望を吐き出そうが吐き出すまいが、一定の時間が経過すれば、クスリの効果は自然に薄れる。ただし、効果の持続時間は、摂取したクスリの量に比例する。
 香也がさきほど嚥下した量の効果が薄れるのには……かなりの時間が必要な筈だった。その間、なにもなし、で一人で悶々とするのは……ほとんど拷問にも等しかったが、それに耐えることができさえすれば、実は無害だったりする。
 当初の予定では、香也と二人きりになる状況を作ってから、クスリを飲ませるつもりだったが……孫子は、負けず嫌いだった。
 正直、男性経験のない孫子は、そういう状況を作るのが怖くて先延ばしにしていた……という部分もあったのだが……これ以上、楓に差をつけられるよりは、これくらい強引な手段をとった方が、まだマシ……というのが、孫子の考え方である。
 そうしてドサグサ紛れに……破瓜、という、未知の体験に対する自分自身の恐怖心を麻痺させている、という側面もあったが。

「こ、こ、こ……」
 顔色を失った楓が、孫子に負けじと、香也の背中に抱きつく。
「香也様!
 こんな女より、わたしのほうを!」
 急いで自分の服を脱ぎ、香也の服を脱がせる。
 そして乱暴に、香也に抱きついている孫子を引きはがし、すっかりいきり立っている香也自身を握りしめ、先端を少ししか濡れていない自分の入り口にあて、一気に腰を沈めた。楓の方は、まだ十分に準備が整っていなかったので、腰を沈めた時、ひきつれるような痛みを感じたが、そのような些事には構っていられない。
 楓は、早く香也に放出させようとして、痛みを堪えて必死に腰を上下に振り始める。そのうち、楓自身も濡れてきて、クスリの効果に思考を支配されている香也も、本能と性衝動に従って下からガンガン乱雑に楓を突き上げる。
 根が素直な楓は、孫子の言葉を丸呑みにして、「早く性行為をしないと、香也の身に危険が迫る」と勘違いしている。

 あえてそういう勘違いを誘発したのは孫子だったわけだが、その孫子は、今まさにクスリが回りはじめた所で、まともな思考がそろそろ出来なくなりかけている。楓に引きはがされたことを悔しがるよりも、もはや欲望を貪り合う獣になりはてている楓と香也の姿を、とろん、とした眼で羨ましそうに見つめ、下になっている香也の脇に張りついて、香也の手をぐっしょりと濡れた自分の秘処に導く。
 そして、両手で香也の頬を包み込むように固定し、びちゃびちゃと音をたてて、香也の口の内外を舐め回しはじめる。

 香也は、下半身は楓に、顔をは孫子に、それぞれ蹂躙されている状態で……そのことを……理性とか知性とかで、ではなく……クスリに犯された香也の全身が、喜んでいた。

[つづき]
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