2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

彼女はくノ一! 第五話 (105)

第五話 混戦! 乱戦! バレンタイン!!(105)

「……明日の説明会に来る人たちは、多かれ少なかれ加納さんたちに興味を持っているから来るんですが、その内訳を考えてみると……」
 食事を続けながら、有働勇作はその場にいる全員に説明を続ける。
「……まず、普段から加納さんとつき合って、気心が知れている人たち。
 飯島さんとか、徳川君や玉木さん、ですね。これが、一番少数のグループ……」
 有働は、自分の人差し指をおる。
「……次に、クラスとか部活とかで、いくらか接触はしているけど、そんなに親しいわけではない、っていうグループ。
 今日、実習室に居合わせた人たちなんかは、このグループに入ります。人数的には……正確に人数を把握するのが難しいのですが……今日は実習室にいなかったけど、ボランティア活動に参加している人なども含めて、せいぜい数十人……多く見積もっても、今の時点で、五十人以上っていうことはないでしょう……」
 有働が、今度は自分の中指をおる。
 パソコン部と放送部の有志を合わせただけでも、その程度の人数は集まってしまう。
「……それ以外に……今日、学校での出来事を見た生徒たちから、口コミで明日の説明会のことを聞きつけて、駆けつけてくる人たちのグループ……。
 こっちは、不特定多数、としか、いいようがありません……」
 有働の言葉に、荒野は頷いている。
 実態数を予想しずらい、ということなのだろう。
「でも……少ない、ってことはないよ……」
 玉木はそう断言する。
「カッコいい荒野君……転入してきた時から、女子の注目の的だもん……」
「そうそう」
 斉藤遙も、玉木の言葉に頷いている。
「こんな時期に転入してくる、っていうだけでもアレなのに……先輩、目立つから……」
「……あー! しまった!」
 いきなり、玉木が大声を出して立ち上がった。
「そういえば、校庭の大立ち回り……誰も、カメラ回していないんだった!」
 その時刻、放送部のカメラを扱える人員は、商店街の方に詰めている。
「……カッコいい荒野君の見せ場だったのにぃ……。
 カッコいい荒野君! これからでも再現フィルムとか……」
「やだ」
 荒野の返答は、とりつく島のないものだった。
「誰がやるか、そんな恥ずかしいもん……」
「再現フィルム、は別にいいんですけど……」
 有働は、荒野の表情を伺いながら、おそるおそる、といった感じで、そんな話しを切り出してくる。
「……話しの流れによっては、いくらか体術を実演してもらうかもしれません……」
 荒野は、有働の言葉を検討してみる。
 昨日、こんなことがありました。そういうわけで、ぼくはニンジャです……などと荒野がカミングアウトした所で……確かに、実物を目撃していない者には……説得力はないだろうなぁ……。
「……楓、お前が代わりに……」
 と、荒野が、その役割を楓に振ろうとすると……。
「楓は、駄目なの」
 珍しく、茅が荒野の言葉を否定する。
 荒野が頷いて先を即すと、茅は続けた。
「荒野は……もう、正体を見せちゃったから、これ以上隠すのは意味ないけど……茅と孫子は、違うの。この二人のことは、学校とかこの町の人々には、まだまだ、隠し続けるの。
 この場にいる人、以外には……。
 だから、今日も、楓には顔を隠すように、いっておいたの……」
「ちょっと待って!」
 今度は、柏あんなが、茅の言葉を遮った。
「すると、その……何?
 加納先輩、だけではなくて……才賀先輩や、楓ちゃんまで……その、そう……な、わけ……」
 いい質問だ……と、荒野は思った。
 今後の為にも、この場にいる人々には、これ以上嘘はつかない方がいい……とも。
 荒野が楓と孫子と目を合わせると、二人は頷いた。
「才賀は忍ではなく鉄砲衆の末裔で、おれたちとは別系統。
 楓は、血筋からいえば一般人だけど、訓練の結果、おれたちと同等の能力を持つにいたっている。
 二人とも、出自が違うといえば違うんだが……身体能力その他の性能は、一般人よりはおれたちの方に近い存在だ……」
「そっかぁ……年末のショッピングセンターのアレ……やっぱり、この二人だったのか……」
 飯島舞花は、一人でそんなことに感心し、頷いている。

「……話しを元に戻すと……」
 茅が、逸れかけた話題を元に戻す。
「敵を欺くため……というより……荒野のことが公然になってしまった今……人目を気にせず、匿名で自由に動ける存在は、貴重なの。
 楓と三人は……正体を明かさずに動ける戦力として、残して置きたいの」
 荒野は茅の言葉を吟味する。
 確かに……身元が割れていない戦力があった方が、今後、動きに柔軟性が保証されるか……と、思い、
「楓、そういう話しだ。
 しばらくお前は、今まで通り、自分の正体を隠し続ける、ってことで、いいな……。
 おれはニンジャの子孫だが、お前は、平凡な女生徒だ」
 楓に、そう告げた。
 楓は、頷く。
「……有働君、おれ、商店街での映像、まだチェックしていないんだけど……そんなわけで、テンとガクの顔がはっきりと映っている映像は、公開しないでくれると、助かる……」
「……ぼくも、あれは、ざっと目を通した程度ですが……」
 有働は、荒野の言葉に頷いた。
「どれも、遠くから撮ったものですし、二人とも、ヘルメットとバイザーで顔が隠れている状態ですから……あの映像を観て、シルバーガールズがあの二人だと思う人は、少ないと思います……」

「……つまり、こういうことなのだな……」
 徳川篤朗が、にやにや笑いながら総括した。
「……今後も、ご町内の平和を乱そうとする輩が現れれば、シルバーガールズと謎のくノ一とが、それに対抗していくと、と……」
「そんなことが……今日みたいなことが、頻繁に起こるようだと、困るんだけどね……」
 荒野も、苦笑いしながら、頷く。

 この時の荒野は……シルバーガールズや謎のくノ一が、今後、頻繁に出動することになる……などとは、夢にも思っていなかった。

[つづき]
目次

有名ブログランキング

↓作品単位のランキングです。よろしければどうぞ。
newvel ranking  HONなび

無修正動画 Omany.tv
↓このblogはこんなランキングにも参加しています。 [そのご]
駄文同盟.com 姫 ランキング 萌え茶 アダルト探検隊  BOW BOW LOVE☆ADULT アダルトタイフーン  エログ・ブログTB 18禁オーナーの社交場 ノベルりんく
無修正アダルト動画 Smooth-movie.com

Comments

Post your comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

このページのトップへ