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彼女はくノ一! 第五話 (129)

第五話 混戦! 乱戦! バレンタイン!!(129)

 羽生譲はひさしぶりに描くことに夢中になった。一度没入しはじめると周囲のことが目にはいらなくなるのが羽生の習いで、この時も深夜から明け方にかけて長時間にわたり、モデルと紙の上だけに意識を集中させる。また、そうすることが、全然苦ではなかった。
 二人が目を覚ましたのは明け方といってもいい時刻で、まずガクが目を覚まして半身を起こし、続いて、傍らのガクの動きに気づいたテンも目を覚ました。
 二人は、しばらくの間、目をこすりながらあたりを見回していたが、自分たちの服装を確認して、なにか納得のいった顔をする。
 どうやら、夕べのことを、思い出したようだ。

「……どう。よく眠れた?」
 羽生がそう声をかける頃には、二人はかなりすっきりとした表情をして、炬燵に潜り込んでくる。
「……うん」
「あのまま……車で寝ちゃったんだ……」
 二人は、炬燵に手を突っ込みながら、そんな言葉を返した。
「ま。病院かえってきて、いくらもしないうちに出てったろ? 土曜日も忙しかったようだし……二人とも、疲れがたまってたんんじゃないか?」
「……そういうにゅうたんも、目の下に隈ができている……」
「……え? そっかあ……」
 羽生は、自分の目の下を指で軽くこすった。
「あ。もう、こんな時間なんだ……」
 そして、柱時計で時刻を確認し、「……んん~……」と大きく伸びをする。
「……さてと、完徹はさすがに堪えるし……ざっとシャワーでも浴びて、ちょっとだけ寝ようかな……」
「……あ。お風呂、ボクらも入りたい……」
「そうだな……じゃあ、その服、ハンガーにかけておいで。
 お風呂の方、みてくるから……」

 その朝、香也はいつも起きる時間より二時間ほど早く目を覚ました。ここ二日ばかり寝てばかりいたので、体内のリズムが狂っているらしい。
 何度か寝返りをうったりしてみるが、一向に眠くならない。体調の方も、症状が軽いうちから念を入れて養生をしていたせいか、完全に復調しているように思えた。
「……んー……」
 そうなると、今度は自分の汗で重くなった、布団の中が、あまり居心地よく思えなくなる。加えて、昨日の昼間、楓と孫子に体を拭いて貰ったのを最後に、昨夜は風呂にも入っていない。
 自分の体全体が、なんとなく垢じみているように思えた。
 ……シャワーでも、浴びよう……。
 寝るのをあきらめた香也は、そう思い立って身を起こす。
 湯船にお湯が残っていれば、追い炊きしてお湯にも浸かりたい……。

「……おんや?」
 脱衣所に入った羽生譲は、浴室に人の気配を感じ取り、一人、首を傾げる。こんな深夜に……。
 そう思って視線を落とすと、香也の服が置いてあった。
『……こーちゃんか……』
 たしか、ゆうべはご飯食べて薬飲んで、そのまますぐ布団にはいったから……。
 羽生は、昨夜の香也の行動を頭の中でトレースする。
 ……なるほど。
 早くに目がさめてひとっ風呂、浴びたくなった、と……。
「……なに?」
「どうしたの、にゅうたん?」
 パジャマに着替えたテンとガクが羽生譲の背中に声をかけてくる。
「……しっ!」
 羽生譲は口唇をとがらせて、その前で人差し指を立てた。
「……今、こーちゃんが、お風呂に入っている……。
 これより、隠密行動に入るぞ……」
 羽生譲が床に置いてある香也の服を指さすと、テンとガクは状況を察し、コクコクと頷いて見せた。
 そして三人は、いそいそと服を脱ぎはじめる。

「……んー……」
 その頃、香也は広い湯船で手足を延ばし、細い目をさらに細めていた。大きな浴槽のいいところは、お湯の量が多いため、冷めににくいこと。
 それに、手足を長々と伸ばせること、だ。
 香也が湯加減を確認した時、かなりぬるめの湯加減をだったとはいえ、入れないほど冷めきってもいなかった。そこで香也はかかり湯をしてそのまま湯船に入り、同時にガス釜を点火して、追い炊きをする。
 ぬるま湯が、ちょうどいい湯加減になって来た時……。
「「「お風呂イベント、発生!」」」
 そう叫び声を上げ、唐突に羽生譲、テン、ガクの三人が、全裸で乱入して来た。
 香也は、「ぐほっ!」とか「ぶほっ!」とかいいながら、顔の下半分を湯の中に沈める。
「……な、な、な……」
 それから、あたふたしながら、すっかり逃げ腰になった香也は、半端な中腰になって湯船の中を逃げ惑い、壁際に張り付く。
 完全に立ち上がらないのは、立ちあがると股間が湯の上にでるからだった。
 香也がパニックに襲われている間に、羽生譲、テン、ガクの細長い一つのとちっこいの二つ、計三つの裸体は、体にざっと湯をかけ、湯船に入り、じりじりと香也を包囲してくる。
「……まーまー、こーちゃん……。
 体調悪いんだから、しっかり湯船につかって、体、暖めて……」
 にへら、っと笑いながら、羽生譲が、香也の両肩に手をかけて、押し下げる。
「「……おにーちゃーん!」」
 とステレオで叫びながら、テンとガクが左右から香也の肩にぶら下がった。
 態勢を崩した香也が湯船の中でそのまま尻餅をつくと、左右からテンとガクが、正面から羽生譲が、裸体を密着させてくる。
 この体勢は……やばい。
「……おー、元気元気……」
 案の定、香也の胸にもたれ掛かって来た羽生譲は、香也の下半身の変化に逸速く気づいた。
「恥ずかしがることないぞー……。けんこーな男の子なら当然のことだー……」
 香也の胸板に頬を張り付けながら、羽生譲は、わさわさと香也の太ももあたりを指先でまさぐった。
「……え? あ!」
「本当だ! おにいちゃんのココ、こちんこちんに硬くなっている……」
 羽生とは違い、テンとガクは香也の股間に遠慮なく触れてきた。物珍しさも手伝って、竿を握ったり睾丸をまさぐったりとやりたい放題である。しかも、香也の両腕に抱きついたまま、片手を伸ばしてくるので、香也としては二人の魔の手から逃れる術がない。
「……ちょ、ちょっと……駄目……そういうの、本当、やばいから……やめて……」
 二人が触ってくるのはあくまで好奇心本位であり、性的な興奮を与えるための愛撫ではないのだが、香也にしてみればいずれにせよ同じ効果を与える。
 三人に羽交い締めにされながらも、香也が身をよじりはじめたので、年長の羽生譲が察して、
「……はいはい、二人とも、あんまりやり過ぎないように……」
 と、テンとガクをいなしてくれたので、ようやく二人は香也の股間部を弄ぶのをやめてくれた。
「……こーちゃんも、こーちゃんのここも、デリケートな年頃なんだから……あんまり……いじめないように……」
 羽生のその諌め方も、十分にデリケートではないのではないか……と、香也は思った。
「……そ、それよりさ……」
 香也は、露骨に天井の方に視線を逸らしつつ、話題を自分から逸らそうと試みる。
「……ガクちゃん……手か足か、怪我したとかいってなかった?
 お風呂入って大丈夫なの?」
「……え?」
 香也の肩に抱き着いていたガクが、不意に立ち上がる。そうすると薄い陰毛ごしにみえる割れ目が、香也の目線とほぼ同じ高さになる。
 香也はあわてて目を逸らした。
「……うん。
 どっちかっていうか、腕と足、両方なんだけど……傷、浅かったし、お医者さんが丁寧に傷塞いでくれたし……。
 おにいちゃん、何目を逸らしてるの?」
 ガクは、露骨にあらぬ方を向いている香也の目前に、二の腕を差し出す。
「……ほら、ちゃんとふさがっているでしょ?
 接着剤で一つ一つ丁寧につなげてくれたんだって……」
 香也は、目前に差し出されたガクの腕をみる。
 肘から手首にかけて、亀裂のような筋が走っていた。よくよく見ると、その筋は透明な樹脂状のもの、らしい。
「……これで、このまま傷口が自然にふさがるまでこうしておくっていうんだけど……。
 それに、ほら……こっちなんか、もう、傷口が盛り上がって、接着剤、押し上げているし……」
 ガクがそういって、ひょい、と片足を上げて自分の臑を香也の前にかざす。
 油断して、そっちの方に目をやると……。
 片足を上げ、ぱっくりとピンクの中身を覗かせたガクの股間を、直視するような格好になってしまった。

[つづき]
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