第六章 「血と技」(46)
「……んっ……ふっ……」
荒野の下で、茅がなにやらもがいている。
「……何がしたいの?」
不審に思った荒野は、茅に声をかけた。
「向き……身体の向き、変えるの……」
荒野は正常位で茅に挿入したまま、上体を少し持ち上げて隙間を作り、茅の体を横にした。
横臥した上体で、二、三度挿出を繰り返すと、その度に茅は、「んっ! ふっ! んっ!」と声を上げた。
最後に、
「……むぅ!」
と少し怒った声を上げて体を揺すり、荒野に動きを止めるよう、求める。
「……そう、じゃなくて……」
茅は荒野の上体を腕で引き離し、もぞもぞとさらに身体の向きを変えた。
荒野との結合を解かずに、苦労して、腹ばいになり、ベッドの上に膝をついて、高々とお尻を持ち上げる。
「……この格好で……突いて……」
荒野は、茅と繋がった部分に吊られて半立ちになる。
「いいけど……この格好だと、不安だな……」
荒野はそういって、茅の腰を抱き、少し後ろにずらした。
自分はベッドの外に足をつき、邪魔にならないように茅のスカートの裾を大きくまくり上げ、背中にかける。
そうすると、茅の白くて豊かな臀部に、自分自身が突き刺さっているのが、はっきり認められた。
こんな角度から結合を確認したことがない荒野は、見えたものの淫靡さに、思わず、息を呑む。
「自分から……後ろからを求めるなんて……茅、どんどんいらやしくなる……」
照れ隠しに、そんなことをいう。
「……ぃやぁ……」
茅は、いやいやをするように腰を振った。
しかし、荒野自身を捕まえている部分が同時にきゅっと収縮したので、荒野を離すまい、としているようにも、感じられる。
「荒野だから……こうなるの……」
茅の内部が蠢き、微妙な振動を荒野自身に伝える。
荒野はベルトを解き、スラックスを完全に脱いだ。
この場で茅との結合を解きたくなかったので、下着はそのままだったが、どのみちすぐに洗濯するつもりだったから、このままでも問題はない。
荒野は、上体を茅の背中に密着させるように倒し、茅の耳元に息を吹きかけるようにして、囁いた。
「……動くよ……」
そして、実際に動きはじめる。
最初のうちは単純な挿入出だったが、引き抜く時、荒野の亀頭が茅の上の壁をこすれる時に、茅の反応が激しくなる……という事が分かってからは、荒野は、ことさらに茅の上の壁を亀頭でかき回すような動きに切り替えた。
そうした時の茅の反応は、今までで一番大きく、「はぁんっ! ふぁんっ!」と大きな鼻声で呻きながら、自由になる上体を大きく、跳ね上げた。
荒野は、暴れまわる茅の胴体に腕を回して押さえ付けながら、下から突き上げるような感じで腰を使う。
快感を強すぎるのか、茅が腰を逃がそうとしはじめ、荒野はそれを押さえ付けながら、茅の中を蹂躙するのを止めなかったから、荒野は段々、茅を無理やり犯しているような気分になってきた。
いつもとは違い、後ろから責められているせいか、茅もいつも以上に興奮いていて、結合部からびたびたととどめなく愛液を流し続け、二人の股を濡らす。
最初の、ベッドの上で半立ちになっていたのが、茅が腰を逃がそうとして荒野がそれを追いかけたりしているうちに、二人とも、ベッドの上に立て歩きながら蠢くようになり、終いには、立った茅が壁に押さえ付けられ、背後から突かれる形に落ち着いた。
そうして荒野が上の方に最後まで突き上げると、壁に手を突いた茅は、その度に大きく痙攣した。
荒野から見える茅の横顔と耳は真っ赤で、茅の興奮が本物であることが確認できた。
必死に声を殺そうとするが、奥まで突き入れるたびに、茅は、喉の奥から振り絞るような、切実な声をだした。
「……駄目なの、駄目なの!」
乱れた茅の声は、今まで一番大きくなっている。
「こんなの……感じ過ぎ! ひぃっ!
駄目ぇ! 駄目ぇ! 駄目ぇぇぇ!」
荒野が本格的に動きはじめて十五分もすると、茅は、一際大きく声を上げて、細かく痙攣して動かなくなった。
壁に体重を預けたまま、茅の足は力を失い、その場にずるずると崩れ落ちた。
いきり立ったままの荒野自身も、結合部が収縮しながら下に降りてしまったため、起立したままその場に止まる。
「……おーい……大丈夫かぁ……」
局部をびしょ濡れにし、お尻を上に突き出した形で倒れている茅に、荒野は声をかける。
茅の顔は汗まみれで、うっすらと満足そうな笑みを浮かべていた。
荒野は、ほつれて頬にかかった茅の髪を、指で丁寧に払う。
「……すごい……こんなの……今までで、一番……」
茅は、目を閉じながら、譫言のように小さく呟いている。
そして髪を整えている荒野の手首を握り、弱々しい力で、自分の方に引き寄せようとする。
「……荒野も……まだ……」
茅は薄目を開けて、まだ力を失っていない荒野の股間を見据えた。
確かに、まだ荒野は果てていない……。
「……それは、いいけど……。
茅の方こそ、大丈夫かぁ……」
そういいながら、荒野は手早く服を脱ぎ、全裸になる。
これ以上、行為を続けるとなると、衣服は明らかに邪魔だった。
「……いいの……来て……」
茅は体を起こしながら、弱々しく、荒野を手招きする。
服を脱いだ荒野がベッドに近付くと、まだ湯気をたてている荒野の硬直に顔を近づけ、躊躇なく、それを咥えた。
そして、自分の愛液にまみれているそれを、じゅるじゅると音を立ててなめあげはじめる。
「……お……おい……」
荒野が、なんといっていいのか分からず、力の籠もっていない声で、茅に語りかける。
「んっ……荒野が……いけないの……」
荒野のモノをしゃぶりながら、時折、そこから口を離し、茅が、切れ切れにいう。
「こんなに気持ちいいから……。
茅……どんどん……いやらしくなるの……」
一通り、荒野のモノを舌で清めると、茅は大股を開いて再び荒野を誘った。茅のそこは先程の行為で濡れぼそち、真っ赤に充血している。
「……荒野……来て……」
今度は、正面から向き合うような形で、繋がった。
先程の行為の続き、でもあったので、最初から大きく動かしていく。
荒野の体がスライドするのに応じて、すでにかなり敏感になっている茅の体が跳ね上がり、喉から悲鳴に似たかすり声を上げる。
終いには、茅は、両手両足を使って荒野の体にしがみついていた。
[
つづき]
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