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彼女はくノ一! 第五話 (133)

第五話 混戦! 乱戦! バレンタイン!!(133)

 香也が射精した瞬間、テンとガクは発射された白濁液を求め、反射的に顔を動かしていた。テンが空中に飛び出した分を求めて首を伸ばせば、ガクが発射源である香也の亀頭をくわえ込み、ドクドクと止めなく放出される分を頬を凹ませてすすり上げる。テンは、常人離れした対応速度を活かして香也の精液が空中にあるうちにその全てを口で捕らえることに成功し、続けて、香也の陰茎に零れた分を舌で掃除しはじめる。香也自身の根本から上の方へと舐め上げていき、最後には、亀頭を咥えていたガクと二人で頭を並べ、香也の鈴口を境界として左右から舌先で香也の亀頭を清めはじた。
 湯船の中で立っていた香也は、射精し終わるとその場で膝をつき、それにつれて、香也の足元に左右に取りついていたテンとガクが、香也の両肩に体を寄せてくる。二人のあるかないかの胸の膨らみを押しつけられ、香也はこの期に及んで二人に「異性」を感じはじめた。つまり、それまでは、もっと直接的な快感を感じていたので、「異性を意識する」云々よりもそっちの感覚に意識をとられていた。
 テンとガクは、香也の左右から身を寄せて、くすくす笑いながら「飲んじゃった……おにいちゃんの……」とか「変な味……」とかいいあっている。羽生譲までが、香也の背にもたれかかってきて、香也はその場にへたり込みながら、依然として三人に三方から押さえ込まれている形だった。
 しばらく息をはずませていた香也は、段々落ち着いてくると、
「……んー……」
 と唸り、
「そろそろ、出る……あんまり長湯すると、治りかけた風邪、悪化しちゃうし……」
 と、何事もなかったようにボソボソとした、はっきりしない口調で告げた。
 すると、香也の背中にもたれかかっていた羽生譲が、ビクリと体を震わせて香也から体を離し、テンとガクにも、香也から離れるようにいった。
 雰囲気に呑まれてしまったが、羽生譲にも常識的な判断力はあり、未成年の異性にこうして三人がかりで襲っていいとは、決して思ってはいない。
 テンとガクは不満そうな顔をしながらも、香也の体調を理由にされると、羽生譲の言葉に従わないわけにはいかなくなり、しぶしぶ、といった様子で香也から離れた。
 すると、香也は意外に素早い動作でたちあがり、湯船から出て脱衣場の方に向かった。
 その後ろ姿を見ながら、羽生譲は「……こーちゃんが大げさに騒ぎ立てなくて、良かった……」と思った。
 香也が、こんな目に遭いながらも、いつもの通りの平然とした様子を崩さずにいたことで、羽生はかなり救われた気持ちになっている。
『……さて……』
 と、羽生は思った。
 あんな事があった直後に……テンとガクに、「こーちゃんにああいうことは、しちゃ駄目だぞ……」と、説明しても……説得力、ないよなぁ……とも、思った。

 結局、羽生は二人にそのことを切り出せないまま、三人は風呂から上がった。

 風呂から上がった香也は、丁寧に体を拭いて水気を払い、いつもよりよほど厚着をしてから、玄関から外に出て、プレハブに向かう。態度にはあまり出ていなかったが、香也も当然、かなり動揺しており、そして、精神的に不安定な状況を鎮める効果的な方法は、香也はたった一つしか知らない。
 香也は、手慣れた動作で灯油ストーブに点火し、キャンバスを準備しはじめた。登校の準備をする時間まで、まだ二時間ほどあるし、それに、丸一日以上絵筆を握っていない、というのは、香也にしてみれば珍しいことで、はやく手をならしておきたかった。
 体調も、流石に万全とは言い難かったが、かなり復調していたし、これ以上寝込んでいると……かえって、いろいろな事が悪化する……ような、気がした。

 香也は、朝食の準備が出来て、母屋から呼び出しが来るまで、キャンバスに向かっていた。

 結局、羽生はテンとガクを諫める言葉を思いつかないまま、風呂から上がった。
 テンとガクの二人は、そのままトレーニング・ウェアに着替え、いつものランニングに行く、といって、家を出た。
 二人を見送ってから、羽生は、香也の部屋をそっと覗き、そこに香也がいないことを確認する。そして、少し考えて、窓から庭を覗くと、プレハブの窓から光が漏れていた。
 ……なるほど……、と、羽生は納得する。
 あそこは……確かに、香也が気持ちを落ち着けるのに、相応しい場所だ……。それに、ここ一、二日、絵筆をとっていないから、香也もフラストレーションを溜め込んでいたのだろう。
 邪魔しちゃ悪いな、と思った羽生は、そのまま、台所に向かう。
 まだ、かなり、早い時間だが……早めに、朝食の準備をはじめよう。

 羽生が台所で朝食の支度をしていると、楓と孫子が前後して起きてくる。二人とも、自分自身で朝食の支度をするために、早めに起きだしてきたらしい。
 そういえば、真理がいない間の食事の支度について、きちんとした順番を話し合っていなかったな、と、羽生は思い、その日の朝食の分に関しては、三人で分担して支度をすることにする。もっとも、朝食であり、たいして手間がかかる料理は作るつもりはないので、三人で取りかかったら、必要な作業はすぐに終わった。
 そこで、三人で居間に移動し、お茶にする。
 その場で、ここ二、三日の詳しい話しを、羽生譲は二人の口から交互に説明されることになった。土曜日、ガクが入院する原因になった話しなどは、断片的な情報としていくらか聞かされてはいたが、学校での出来事や、その他、楓たちも昨夜知ったばかりの過去の経緯なども含め、包括的な話しを、羽生はここで初めて聞くことになる。
「……ふぁー……」
 楓と孫子から交互に詳しい内容を聞かされた羽生は、そんな間の抜けた声をあげた。
「……どうにも、こう……。
 スケールが大きすぎて、イマイチ、実感が湧かないっていうか……」
 それが、羽生の正直な感想だった。
「実は……わたしも、同じようにあまりリアリティは感じていないんですが……」
 楓は、羽生の言葉に、頷く。
「……でも、現に、茅様や、テン、ガクは、ここにいるわけですし……」
「それに……この町が……加納たちが、未知の敵の脅威に晒されていることも……動かしようのない事実ですわ……」
 孫子が、つけ加える。
「……さらに、いうなら……わたくしたち以外、対処のしようがない敵、が……」
 孫子は「わたくしたちでも、対処できるか分からない敵」という寸前で、慌ててそのように言い直した。

[つづき]
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