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彼女はくノ一! 第五話 (197)

第五話 混戦! 乱戦! バレンタイン!!(197)

「……テンは、襦袢の人の居場所、特定して!」
 楓と孫子が見守る前で、ガクはが一声叫んで、自分の体を軸とし、両手で掴んだ丸居遠野をぶんぶんと振り回しはじめた。
 ガクに振り回されながら、ぶるぶる体を震わせて、輪郭を徐々にあいまいにしながら、細く長く伸びていく丸居遠野。
 あの人の体は……ものすごく、柔らかくなることができるらしい……と、みていた楓は、思った。
 良く聞き取れなかったから、ガクも、「特異体質」とか「隠し芸」とかいっていたから、おそらく、「そういう体質」なのだろう。
 ガクは、そのまま、皮ジャケットの大柄な男に向かって、柔らかい丸居さんの体を投げつける。
 反射的に、ぶるぶる震える丸居さんの体を抱きとめる、皮ジャケットに向かって、ガクはしきりに、「愛」がどうのこうのといっている。
 しまいに、ガクは、
「……愛し合ってるかぁい?」
 とか、皮ジャケットに向かって、今にも噛みつくような迫力のある表情で、叫ぶ。
「……愛し合っているぜぃ! ベイビィ!」
 それまで、ぼんやりとぶつくさ独り言を呟いていた皮ジャケットが、ガクの言葉に反応して、元気良く返答すると、その男の腕に抱かれていた丸居さんが、悲鳴を上げながらそれまで以上に形を崩して、床に放り出された。
「……あの皮ジャン……睦美左近っていうんだが、見ての通り、頭が弱くて……触れた者に、高圧電流を流せる体質なんだ……」
 途中からきた楓や孫子に向かって、荒野が簡単に説明してくる。
「加納……あなたたちの一族って……」
 孫子が、かなりあきれたような口調でいいかけるのを、
「いうな!」
 荒野は、即座にさえぎった。
 それなりに羞恥心を刺激されているらしく、荒野の頬に若干の赤みがさしている。
 ギャラリーがそんな問答をしている間にも、ガクは、六節棍で皮ジャケットの股間を直撃した。
 その瞬間、見ていた荒野のほうが、顔をしかめる。
 実際に攻撃を食らった睦美左近とかいう皮ジャケットは、二メートルくらい飛び上がった上、そのまま悶絶して地面の上に伸び、動かなくなる。
「あの……」
「痛い! あれは、痛い! ものすごく、痛い!」
 なにか問いかけようとした楓の質問を先取りして、荒野が答える。
「女性に説明しても、実感がわかないだろうけど……とにかく、痛い……」
 荒野がそこまで力説するのなら……そうなのだろうな……と、楓は納得した。
「……テン!」
 立て続けに丸居遠野と睦美左近を破ったガクが、テンに向かって振り返る。
「……わかってる……」
 そのテンはというと……ガクが二人を倒している間に、手首のテンキーを忙しく操作していた。
「今……工場内のセンサーで捕らえた情報を……できた!」
 テンは、立ち上がった。
「……ガク!
 外の光景を、信じないで!
 ヘルメット経由の情報には……幻術や気配断ちは、通用しない!」
「……おーけー!」
 ガクは、元気良く答えて、六節棍を、ぶん、と一振りした。
「残り……三人!」

「……どういうこと?」
 事務室内で成り行きを見守っていた玉木が、傍らの徳川に説明を求める。
「幻術……の方は、ともかく、気配断ちは、人間の情報処理系の盲点をついた技だと聞いているのだ。
 だから、肉眼はごまかせても、カメラには映るのだ……」
「うん。
 そんなような話しは、前にも聞いた……」
 徳川の説明に、玉木は素直に頷く。
「それで……あの二人は、電子的なセンサーのデータを、索敵に生かす方法はないかと……この、工場内の設備で、いろいろと実験をしていたのだ。
 ネックは、情報処理に要する時間……つまり、ライムラグの解消、ということだったのだが……あの二人は、寄ってたかって……かなり、使える物を……」
「わずか二、三日で、仕上げてしまった、と……」
 だんだん、徳川がいうことを理解しはじめた玉木は、呆然と結論を引き取る。
 正直、実感はあまりわかないが……説明をする徳川からして、かなり驚いている……ということは、やはり、凄いことなのだろう……。
「……今や、シルバーガールズは、卓越したマン-マシン・システムとして機能している。
 構成部品である、人間の方も、機械の方も……高性能同士、なのだ……。
 そして、今、ここで行われているのは……その、高性能マン-マシン・システムの性能試験なのだ……」

 ガクは、テンの指示を聞くと、手首のテンキーを操作して、ヘルメットのバイザーの色を極端に濃くし、外界の様子がほとんど見えないようにする。網膜に直接映像を投影する装置がヘルメットには内蔵されているので、肉眼で外界を見る必要は、ない。
 一度機械を通し、処理された情報だけが、ガクの視覚に入ってくる。
「……いっくよー!」
 ガクが、吼えた。

 テンの網膜にも、ガクとほぼ同じ画像が映し出されていた。
 ガクとの違いは、外界の情報と同時に、自分の体調データも表示させている、ということだ。
 真っ先に、痺れ薬を体内に注入させられたテンには、時間が残されていない。だから、動くことも、できる限りガクに任せていた。
 心拍数が早くなれば、それだけ、毒の回りも早くなる筈……だったから、だ。
「……ガク、この順番で、炙り出して!」
 テンは、手首のテンキーを操作し、ディスプレイされている残り三人の敵のマーカーに、倒すべき順番の情報を付加する。
「……よっしゃぁ!」
 自分の声よりも早く、ガクは反応している。
 最初の標的として指定された敷島丁児は、こころなしかよろめきながら、あわてて、ガクから逃げようとしていた。
 おそらく……得意の幻術にガクがまったく反応せず、まっすぐに自分の方に向かってくることに、戸惑っているのだろう。
「……四人目!」
 敷島丁児を示す光点と、ガクを示す光点が交錯する時、ガクの叫び声が聞こえた。





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