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彼女はくノ一! 第五話 (207)

第五話 混戦! 乱戦! バレンタイン!!(207)

「……なんだ、これは?」
 三島が、炬燵の上に置かれた小瓶を見つめて、呟いた。
「超、強力な……媚薬です」
 香也が逃げられないように、片腕を押さえ込みながら、孫子が答える。
「……びっ……」
 羽生が、小瓶を覗き込んで息を詰める。
「なんだって……そんな、ものを……」
「効果と副作用がないことは、実証済み……それに……。
 ようは、楓が……自分自身が、誰かに必要とされている、と、実感できればいいんでしょ?」
「……あっ! そ、そういう、ことか……」
 羽生は、複雑な表情をして、頷く。
「つまり、そいつ飲んでそこの少年にイッパツ決めてもらえば……収まりがつくってか? ん?」
 孫子の意図を察した三島が、笑いながら香也の空いている方の腕に縋って、身動きを封じた。
「……そういうことですわ……」
 孫子も、婉然と笑う。
「もちろん、わたくしも、同席するつもりですけど……」
「……わっ!
 ……さらりと大胆なことをいうなぁ、ソンシちゃん……」
 二人のノリについていけない羽生が、顔を赤らめながら、顔を顰める。
「……まあ、そういうな。
 昔っから、アレは、ヒステリーを収めるための実効的な手段だし……この薬を提供したのは、才賀だ。
 そんくらいの余禄くらいあってもかまわんだろ? うん?」
 三島は、もはやこの状況を完全に面白がっている。
「……それよりも、羽生さんや。
 わたしゃ、ちょっこら隣に帰ってゴム取って来るから、コイツが逃げないようにこっちの腕を押さえろや……」
「……先生……。
 あんた……先生なのに、自分ところの生徒の淫行を手助けするんか?」
 羽生は、もはや呆れ顔である。
「……ガキのやりたい一心を抑える建前論より、避妊や世間様の安全を確保するのが先だっつーの……。
 それとも……お前さんは、この先楓が暴れまわっても、いいってのか? ん? ガキの……それも、やりたい盛りの男のガキの貞操が、そんなに大事なもんか?
 それよりは、ご乱行の一つや二つに目を瞑った方が、なんぼか平和だと思うんだがな……。
 どせ、同じ年頃でも隠れて盛大に盛っているの、ごろごろおるわけだし……」
「……そ、それは……恋人同士で、合意の上でのやるのと、こういう異常なシュチュエーションでやるのとでは……」
 羽生は、しどろもどろになりながら、三島に抗弁しようとする。
「……なんだ、いざとなると意外に方堅いんだな、お前さんは……」
 三島は、平然とそういいながら、素早い動作で炬燵の上に置いてあった小瓶を手に取った。
「……才賀。
 これ、こいつに飲ませればいいのか?」
「ええ。飲ませさえすれば、五分もかからずに、効果が現れます」
 孫子が、にっこりと微笑んで、三島の質問を肯定する。
「一度効きはじめると……回りにいる異性に、飛びかからずにはいられなくなります……」
「結構結構」
 三島は頷きながら、小瓶のキャップを外す。
「才賀……しっかり抑えているよ……。
 今、こいつに飲ませるから……こう、鼻を摘まんで、っと……」
 鼻を摘ままれ、息を詰めた香也が思わず口を開くと、三島はすかさずそこに瓶の口を突っ込んで、大きく傾けた。
「……あの……先生……そんなにいっぺんに服用すると……とんでもないことに……。
 ごく小量でも、十分に効き目はありますから……」
 お膳立てを整えた孫子にしてからが、心持ち、青ざめた顔をしている。
「……なに……。
 才賀。お前さんも、ここまで協力的だということは、大方、おこぼれを貰う算段しているんだろ? ん?
 どうせやるのなら、せいぜい盛大にやろうじゃないか。わたしも、ここんところ御無沙汰だしな……」
 香也がゴクゴクと喉を鳴らして液体を飲み込んだのを確認すると、三島は香也の口から瓶を放し、キャップを閉めて炬燵の上に置く。
「……こんなに……」
 蒼白になった孫子の頬が、期待に赤みをさして来る。
「これは、もう……ただでは済みませんわね……」
 瓶の中身は、半分ほど減っていた。
「……そうかそうか。そんなに凄いのか。それは、楽しみだな……」
 三島は、にししししっと笑った。
 羽生は、狼狽した様子でおろおろとあたりをみわたすばかりである。
 内心では、止めた方がいい……とは、思っているが、羽生は、三島に孫子、という強烈な個性に逆らえるほど弁が立つわけでもないし、強固な信念を持っている訳でもない……。
 そんな時……。
「……何、やっているですか……」
 低い……それこそ、地の底から響いて来るような、楓の声がした。
 振り返ると、パジャマ姿の楓が、ジト目で仁王立ちになっていた。

「……じゃ、わたしゃ……。
 ゴム、とってくるから!」
 軽やかに宣言して、三島は、さっさと玄関の方に向かう。
「この瓶に……見覚えは、ないかしら?」
 孫子は、炬燵の上を指さし、ここぞとばかりに香也の首を抱き締める。
 孫子の胸が自分の顔に押し付けられているのだが、香也は、抵抗らしい抵抗をしていない。
「……そ、それは……」
 炬燵の上に置かれた小瓶を一目みた楓は、戦慄して叫んだ。
「……えっちをしないと、死んじゃう薬!」
 ……なんだよ、それは……と、羽生は、反射的にコケそうになる所を、反射的に自制した。
 根が素直な楓は、以前、孫子が吹き込んだデタラメを、未だに信じ込んでいる。
「……そう。
 香也様……一人で、こんなに、飲んじゃったの……」
 孫子は澄ました顔で、楓をたきつける。
「でも……あなたは、なにもしなくていいわよ……。
 今度は、わたくしがお世話をして差し上げますから……」
 そういって孫子は、炬燵に入っている香也と向き合うようにして……香也の膝の上に、座る。
 香也は、抵抗をしないどころか……あえいで、孫子がこれからすることを、待ち構えているような節さえみられる。
「……んふっ……。
 香也様のここ……もう、こんなに硬くなって……」
 孫子は、着替える暇もなかったので、未だ制服姿である。
 そのスカートをたくしあげて、下着越しに、恥部を、香也の股間に密着させ、楓にみせつけるように、自分の腰を前後に揺さぶる。
 そして、香也の肩の上に両腕を回して、耳元に口を近付け……囁く。
「……ね……。
 このまま、存分に……犯してくださって……結構ですのよ。
 わたくし……んっ……香也様になら、何をされても……はっ……」
 静かに、ではあるが……生地越しに、股間をなすりつけているせいで、孫子自身も、徐々に感じはじめている。
「……なにいっているですか、この女は!」
 そうした様子を目の当たりにした楓は、乱暴な動きで孫子の体をのけて、香也の上に馬乗りになった。
「……はやく、はやく……出さないと危ないというのに!」
 楓は、孫子の薬を、「射精しないと、毒が回って死ぬ」ものだと思いこんでいる。
 押し倒した香也の上体に馬乗りになった楓は、そのまま香也のベルトを外し、いきりたった香也の男性を取り出し、「……まだ慣れてないので、あまりうまくはありませんが……」とかいいながら、口に咥えた。
 そうなると、香也の顔の上に、楓の股間がくる。いわゆる、シック・ナインの体制だった。
 これだけの至近距離であれば、風呂上がりの楓の体臭が、パジャマの生地越しにでも香也の鼻孔をくすぐる。
「……そ、それでいいの……」
 孫子が、香也の上に重なった楓の上に、さらに重なった。
「楓……。
 あなたは……いろいろなことを、我慢しすぎなのです。
 欲しいものは、ちゃんと欲しいといいなさい……」
 楓は、孫子の言葉が耳に入っているのかいないのか……夢中で、香也自身に舌を使っている。
 孫子は、一度楓から身を放して、スカートの中に手をいれて、するりと下着だけを抜き取り、香也の顔の上にまたがった。
「……こ、香也様……見えます?
 これ……こうするの……凄い、恥ずかしいんですのよ……」
 事実、そういう孫子の声は、妙に湿り気を帯びている。

 ……その場にいるのがいたたまれなくなった羽生は、一旦、廊下に出て、少し考えて、テンに電話をかけた。
 まさかこんな現場を……テンやガクに見せるわけにも、いくまい……。
 羽生は、電話に出たテンに、「今夜は帰らない方がいい」と伝える。当然、テンはその理由を知りたがったが……説明する羽生自身でさえ、どうしてこういうことになるのか、よく理解できないのだから……羽生の説明も、自然と歯切れの悪いものになる。
 しばらくの押し問答の後、話し相手が茅に交代したので、羽生はかなり安心して、茅に今までの事情を話した。
 障子越しに、居間の房事の音を聞かせたりも、した。
『……わかったの』
 電話の向こうで、茅は、奇妙に物分かりがよかった。
『あるいは……言葉を尽くすよりも、その方が、いいかも……。
 こちらは、適当に説明をしておくから……今夜一晩は、頑張るといいの……』
 一通り説明をすると、茅はすっかり納得して、そういって通話を切った。
「ナニを頑張れというんだ、ナニを……いや、ナニを頑張れ、と、いっているのか……」とか、「何で、これで納得するかな……」と思いながら、羽生は、しばらく、携帯電話を見つめていた。
「……おし。
 ゴム、とってきたぞ……。
 中はどうなっている? まさか、まだ挿入はしていないだろうな……」
 避妊具の箱を持った三島が、息を弾ませて、玄関から飛び込んでいた。
 そして、羽生に抗う間を与えず、m三島は羽生の腕をつかみ、ずんずんと居間に邁進していった。




[つづき]
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