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彼女はくノ一! 第五話 (212)

第五話 混戦! 乱戦! バレンタイン!!(212)

 香也の分身は楓の愛液と避妊具の合成樹脂と汗の匂いがした。お世辞にもかぐわしい、とはいいかねるが、孫子は躊躇することなく香也に口で奉仕を続ける。勉強家であり同時にまた負けず嫌いである孫子は、香也と関係を持ってからというもの、再度の機会があるまでに、と、それまで縁も興味も持たなかった様々な「教材」に触れ、ひそかに自習してた。最大の動機は、やはり、香也を喜ばせたい、ということにつきたが、楓という競争相手がいる以上、サービスの内容を少しでも充実させて差をつけよう、というのが、孫子の発想である。
 その心掛けについては極めて真摯であったが、その真摯さを発揮する場面が口淫技術である、というのは、明らかにどこか見当違いでもある。が、孫子自身はきわめて真剣でもあった。
 そんなわけで孫子は、ネット上にいくらでも転がっているAVのサンプル映像を参考にして、香也の分身をあれこれの方法で舐めあげ、亀頭に軽く歯を当てたり、舌先で鈴口を刺激したりしている。AVで見た行為を見よう見真似で再現しているだけなのだが、孫子自身がきわめて真剣に取り組んでいるだけあって、それなりに様になっていた。形だけをみれば、どこかの風俗嬢顔負けであり、しかも、「あの孫子が」という普段のイメージとのギャップ、というオプションもついている。予想していなかった刺激に、楓の中でも放たなかった香也の腰がガクガクと震えはじめる。
 香也は、今ではそれなりに性行為を経験している。それにより、粘膜の物理的な刺激にはそれなりに慣れてきていたが……反面、それまでの経験は不意のアクシデントばかりでもあり、こうした雰囲気やシュチュエーションなどのメンタルな刺激にはからきし弱かった。例えば先程、楓の中に放たなかったのは、それまでどさぐさまじりに生で挿入することが多かったので、初めて使用した避妊具が香也の性感を若干妨げていた……ということにも、起因する。
 しかし、今、香也の分身は剥き出しの生身であり、いつもは澄ました顔をして他人を寄せ付けない雰囲気を持つ孫子が香也の前に跪き、頬を紅潮させ、自発的に香也に口で奉仕している……。
 口で奉仕されるのは、香也も何度か経験していた。例えば、楓と最初に関係したときに口でして貰った時は、ねっとりと包み込むだけで生暖かいだけだったし、この間のテンとガクに二人がかりでされた時は、シュチュエーションや雰囲気が刺激的ですぐに放ってしまったわけだが、二人の興味が物珍しい「男性」の反応を探る、という好奇心半分の、いわば遊びの延長であり、香也を喜ばせようという意図は薄く、当然、技術的にも稚拙なものだった。
 ゆえに、それなりに熱意をもって「予習」してきた、孫子のテクには、比肩するところではなかった。
「……いつでも……」
 顔をあげ、香也の逸物を手でしごきながら、孫子がいった。
「好きな時に、達してくださいね。
 何度でも……どこででも、受け止めます……から……」
 聞きようによってはかなり屈辱的な台詞を、孫子は真面目に口にし、その後、
「こ……このまま、お口で続けてもいいですし……し、下の方に、いれても……かまいません……。
 それと……それとは別に、何かして欲しいことがああったら……遠慮なく……おっしゃってくだされば……できるだけ、お望みの通りのことを……」
 と、時折口ごもりながら、付け加える。若干、口ごもった箇所があったのは、命令や指示を出すことこそ多かったが、孫子は、誰かに要望を尋ねる、ということには不慣れだったためと、それに、自分のはしたない欲望を香也に気取られるのではないか、という懸念のためだった。
 楓やその他のライバルたちに差をつける手段として、自分の持てる物すべてを利用して香也との距離を縮めることは、孫子にとっては当然の思考法だ。孫子は、目的を達成するためには手段を選ばない性格であり、最終目的は香也の気持ちを完全に孫子のものにすること。その目標を達成するためには、自分の容色や女のとしての魅力を使用することにもためらわない。さらに、孫子自身の香也に対する欲望(もっと近寄りたい、触れたい、抱きつきたい、それ以上のこともしたい……など等)を実現する、という余禄まである。
 孫子はこれまでに目にした教材によって、男女の欲望の在り方がどれほど多種多様であるのかを学習していたし、香也がどのような性的嗜好を隠し持ていたとしても、全身全霊を込めて受け止めるつもりだった。
「……んー……」
 意外と落ち着いた様子の香也が、孫子と視線を合わせて、うなった。香也は、困ったような表情をしている。
「才賀さん……。
 無理して、ない?」

 その一言で、孫子はフリーズした。
 その場のノリと勢いでやってきた結果、今、ここに存在する現状を、急に、冷静に意識した孫子は……全身を真っ赤にして、両腕を胸の前に交差させて乳房を隠した。
「むむむむ、無理しててなんか……」
 耳たぶまで真っ赤にした孫子が、香也から視線をそらすために顔をうつむき加減にして、答える。
「してして……いませんわ!」
 そういう割には、口がまわっていなかった。
 薬の効き目が前回ほどではなく、香也には、かなり理性が残っていた。
「……今、ぼく……その、かなり……女性が、その……欲しい、状態なんだけど……」
 香也は、孫子から顔を背けて、ぽつりぽつりと語った。
 以前の時とは違い、意識と理性は明瞭に残っているが、欲望の方もかなり滾っている。それは香也の股間をみれば外からも一目瞭然であって……実際、香也は、イッパイイッパイだった。
「か……楓ちゃんにも、また……つい、こんなこと、しちゃったし……。
 で、できれば、その……才賀さんにも……無理にしはじめる前に……ぼくから、離れて欲しいと……」
 香也が普段よりも多弁になっているのは、口を動かすことによって、自分の気を紛らわせ、すぐ目の前にある孫子の裸体を意識をしまいとしているから、だった。
 こうなると……香也の意識が明瞭であることが、孫子にとって良かったのかどうか……。
 案の定、その香也の言葉を聞いた孫子の目に、じわり、と涙が浮かんだ。
「……そんな……」
 孫子は、呆然と呟く。
「わたくし……そんなに……女としての魅力がありませんか?
 楓は相手にできて……わたくしには、指一本……」
 つーっと、孫子の目じりから涙が流れる。
 一度流れはじめると、孫子の両目から、とどめなく涙が流れ続けた。
「……やっ」
 香也は、慌てた。
「やっ。あっ。その……そ、そんな、つもりでは……」
 ごにょごにょと不明瞭なことをいいながら、香也はかがんで孫子の顔を覗き込む。
「……では!」
 孫子は、きっ、と香也を見つめた。
「わたくしに……。
 最低限……今、楓にしたのと、同じことを……してください!」




[つづき]
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