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彼女はくノ一! 第五話 (218)

第五話 混戦! 乱戦! バレンタイン!!(218)

 香也が楓の上で動き続けているうちに、いつしか楓を横臥させていた。横向きになった臀部の中心に香也が突き刺さって前後に動いている。楓もその態勢だと従来とは違った刺激を受けるのか、喘ぎ声がいっそう高くなっていた。楓は今や、
「……いやぁ。こうやさぁまぁ。いく。いく。いっちゃうのこわいの……」
 などとあられのない嬌声をはりあげている。
 おそらく、もはや本人にも何を口走っている、という意識さえなく、本能の赴くままに思いついたことを声に出して張り上げている、としか思えない。
 忘我というか狂態に近い楓の上で、これまた本能に突き動かされるままに汗まみれの香也が黙々と蠢いている。

「……うわぁ……」
 羽生が呟いた。
「……AVみたいだ……」
「すっかり気が入っているな、二人とも……」
 三島も呟く。
「もはや、無我夢中って、やつだ。
 周りが見えていないし、二人の世界に入っている……」
 ……なんだかんだいって、身体の相性はいいようだな……と、三島は思った。
 一体となって蠢いている二人の横で、孫子がぽつねんと座り込んでいる。
 少なくとも邪魔をするつもりは、ないらしい。
「……あっ……」
 羽生が、何かに気づいたような声をあげ、立ち上がった。
「……ちょっと風呂に火を入れて来ます」
 そうした日常的な用事に退避することで、この場の性的な空気から一時逃れようとする意識が働いていたのだが、羽生自身はそのことを自覚していない。
「……そだな」
 三島も頷く。
「この状態がいつまで続くかわからんが……そういう準備はしておいた方がいいか……。
 わたしゃあ、冷蔵庫にあるもんで適当に食い物作っておこう……。
 こいつら、たしか、ろくに食っていなかったしな……」
 主婦である真理の留守中、ということもあるが、頻繁にこの家の台所を利用していることもあって、三島には遠慮というものがなくなっている。
 あれだけ激しい運動をすれば、汗もかくし腹も減るのが道理だ。
「……あと、三人とも汗をかいているから、タオルとかを用意しておいた方が……このままだと、風邪をひくぞ……」

 羽生が何枚かのタオルを持って戻ってくると、ちょうど香也が楓の上で背をそらして硬直し、痙攣しているところだった。
「……はい。ごくろーさん……」
 羽生はそういって、香也の肩と楓の胸のあたりに、に持って来たタオルをかける。目のやり場に困った。
 それから、二人に近寄って来た孫子には手渡しをした。裸体の孫子は、羽生の視線を避ける事なく見返したので、一瞬、まともに視線が絡み合った。
『……あっ……』
 羽生は、孫子の目が強い力を持っていることに、今更ながらに気づき、少し怯んだ。
『……この子は……』
 自分のやっていること……このような香也との関係が一般的なモラルからは逸脱している……ということを承知した上で……そのことを、まるで後悔していない……。
 それどころか、矜持らしきものさえ、持っているらしい……。
 そんな表情をできる孫子を、
『……強いな……』
 と、羽生は思った。
 この子は……世界中を敵に回しても、自分がやりたいことを貫こうとするのだろう、と……その目線をみたら、自然に納得ができた。
 孫子は、羽生の脇を通り抜けて、ぐったりとして折り重なっている香也と楓に近寄り、香也の体に手をかけて、楓の体から引きはがす。
 自分でも気づかないうちに、羽生の視線は二人の股間に吸い寄せられている。楓から抜けたばかりの香也の分身は、少ししんなりしているものの、まだ完全に力が抜け切っておらず……全長の半分ほどを避妊具に包まれたまま、二人の体液にぬれぼそっててらてらと濡れていた。香也の股間は、陰毛までがぐっしょりと濡れている。
 孫子が屈み込んで、ぐったりとしている楓の腰にタオルをかけて局部を隠し、香也の股間を優しい手つきで拭う。一通りタオルで水気を取ると、孫子は香也の股間に手を延ばし、下にタオルを敷いた上で、慎重な手つきで避妊具を外し……その中身の、どろりとした液体を、自分の口に入れはじめた。
 一般的に考えれば、それは「汚物」とされるものだったが……香也が射出した液体を自分の口で受け止める孫子は、恍惚とした表情をしている。
『……こーちゃんのは……』
 何一つ、逃したくないのか……と、孫子の表情を目の当たりにした羽生は理解した。
 本当は……香也が、楓に触れるのも、嫌なのだろうが……香也自身が進んでそうしている以上、邪魔はできない……。
 しかし、二度もたて続けにやられたのはくやしいから、ああして埋め合わせを図っている。
 あんなことでもしなくては……どんどん、楓との格差が広がってしまう気がして……。
 と、そこまで想像して、羽生は首を横に振って我に帰った。
 孫子は……おそらく、香也も楓も、好きなのだ。
 そして、二人に置いて行かれることを、恐れている……。
『……なんだかなぁ……』
 と、羽生は思った。
 みんな……可愛いじゃないか、と。

「……何、にやにやしているんだ?」
 お盆を抱えて台所から戻って来た三島にそう声をかけられて、羽生は我に帰った。
 盆の上には、焼魚の切り身や香の物などが乗っている。
「いや……みんな……三人とも、可愛いいなぁ、と……」
「何を今さら……ほれ、これ、炬燵の上に乗せとかけ……」
 そういって三島は、手にした盆を羽生に押し付けた。
「……どうせ、残り物料理だし、すぐ寝るだろうから、お茶漬けでいいな?
 ご飯は人数分、順番にチンするから……とりあえずは、お前さんとわたしの二人分だな……。
 後の三人はどうする?」
「……先にお風呂をいただいてきます……」
「後の三人」を代表して、孫子が答えた。
「……そっか。
 まあ、汗をかいたしな……。
 じゃあ、そっちは任せるわ……」
 そういって三島は再び台所に姿を消した。
「……風呂場でも本番するのなら、ゴム、忘れるなよ……」
「……いいえ。
 しばらくは休憩しないと……無理だと思います……」
 孫子は、ぐったりとしている香也と楓に、均等に視線をはわせながらそういった。
 二人ともぐったりとしているのは同じだが……香也のは、純粋に体力を使い果たして憔悴した感じであり、楓の方は満足そうな笑みを浮かべている。
 確かに、これでは……特に、こーちゃんは……。
 しばらく休憩しないと、使いものにならないだろうな……と、羽生は納得した。




[つづき]
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