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彼女はくノ一! 第五話 (224)

第五話 混戦! 乱戦! バレンタイン!!(224)

 他の生徒たちに習って手近な空き教室に入り、作ったばかりのチョコをラッピングする。包装用の紙やリボンなども、何種類か所実のいいデザインのものが、料理研の手によって用意されていた。それぞれ、今回の講習にかかった実費の割り勘分を料理研の部員に支払い、それと引き替えに、ラッピングに必要な物を受け取って、楓たちの講習は終了、ということになる。
 ラッピングも終わると、用事がある、という孫子、テン、ガク、甲府太介とは別れ、学校の外に出て行った。ここの生徒ではない酒見姉妹は、茅がまだ残っているから、という理由で居残っている。この二人は、案外、「茅の護衛」という仕事を、楽しみはじめているらしい……と、楓は思った。
 残された楓たちは、パソコン実習室に向かう。楓は家に帰ることも考えたが、今帰宅したところで特に用事があるわけでもない。それよりも、休日返上で作業に取り組んでいる堺雅史ら、パソコン部員たちの様子を見ておきたかった。特にパソコン部員でもないのに時間がある時は入り浸っている柏あんなはともかく、飯島舞花までが楓たちについてきたのは、少し予想外だったが。
「……いや、せっかく学校に来たんだし、それに、そっちにはあんま顔出したことないから、いい機会だと思ってさ……」
 そういわれてみれば……飯島舞花は、あまりパソコン実習室に来る用事がない。
「家で、あそこ発のサイトとかブログは、結構チェックしているけどね……」
 パソコン部が管理する外部向けのネット・コンテンツは、「放置ゴミ」関連の情報をレポートするための物からはじまったのだが、現在では「自主勉強会」関連の資料や教材なども、日々精力的にアップされ続けている。
 携帯向けの「単語帳ゲーム」のようなコンテンツは、口コミでその存在が広まって、今では校外のユーザーまで巻き込んで、日々ユーザー数を増やし続けている、というし、その他の教材も、各所で注目されはじされはじめているのか、ページビューが増大してきている……と、内情をよく知っている楓が説明すると、舞花は「なるほど」と頷いた。
「……カウンターみていると、凄い勢いで数字が増えているもんな……」

 そんなことを話しながら、パソコン実習室に入ると、いつものパソコン部員たちに混じって、有働勇作が大きな体をかがめるようにして、堺雅史が操作している末端を覗き込んでいた。
「あ。どうも。みなさん、お疲れ様です」
 実習室に入ってきた顔見知りの一団に気づいた有働は、そういって、軽く頭を下げる。
「……あれ?
 この人たちは?」
 そして、すぐに見慣れない酒見姉妹の存在に気づき、怪訝な顔をした。
 有働は、姉妹の姿を徳川の工場で遠目にはみていたが、こうして間近に対峙するのはこれが最初である。
「……わたしたちは……」
「……茅様の、護衛……」
 そういって、まったく同じ顔の酒見姉妹は、有働の目の前についさっき包装し終わったチョコを突き出す。
「……そして、今日は……」
「……チョコを作ってきた所なのです……」
 双子に包装済みのチョコを突きつけられた有働は、若干、引き気味になった。
「……そ、そうです、か……。
 それは、なにより……」
 とか、訳の分からないことを呟いて、さりげなく姉妹から視線をそらす。これがマンガなら、後頭部に冷や汗を表現する水滴型の記号が浮かんでいたことだろう。
「……それで、有働さんは、今日はどんな用事ですか?」
 楓が、有働にそう声をかける。舞花とは違い、パソコン部と共同作業の多い放送部員は、頻繁にこの実習室に出入りしている。有働の用事が新しいプログラムを必要とするものなら、楓が直接話しを聞いた方が、進行がスムーズになる。
「今日のは、明日のイベント関係の告知とか……そっち方面の、打ち合わせ……」
 有働の代わりに、堺雅史が楓に答えた。
「大丈夫。
 特に難しいこともないし、新しくプログラムを組む必要もないから……こっちだけで処理するよ。
 楓ちゃんには、正直、もっと難しい部分を担当して貰いたいし……」
 パソコン部の中では、いつの間にか、ある程度以上のスキルを必要とされる作業は、楓と茅に廻し、他の部員は、そのサポートに回りつつ、徐々に知識を獲得していく……という分業体制が、できあがっていた。その二人のうち茅の方は、自主勉強会の教材作りの方でも中心人物と目されていて、放課後も一カ所にじっととどまっていることがないので、複雑な作業はたいてい楓に廻されているのが、現状だった。
「明日の、美化運動なんだけど……参加希望者、人数が多すぎてどうしようか、とか、そういう話しをしていたんだけど……」
 堺雅史がそう続けると、有働も、「ええ」と相鎚をうった。
「正直……初回から、これほどの参加希望者がでてくるとは、思いませんでした……。
 人数が多く集まるのは、非常にありがたいことなんですが……その、一口に、ゴミを片付ける、といっても、ですね……。
 これだけ膨大な量を、どこに集めるか、集めたものを、どう処理するか……そういった詳細が、まだ決まっていない状態なので……」
 そういって有働は、末端の画面を指さした。画面には、この近辺に放置されたゴミ溜の写真が大写しになっている。
「一応、こうした放置ゴミの被害にあっている土地の地主さんに、何人かお話を聞いた際……どうせ、ゴミで潰されている土地だし、と、期限付きで一時置き場として使用していい、といってくれた方もいるにはいるのですが……」
 有働の話しによると、そういう気前のいい人は、どうみても少数派なのだ、という。
「……気持ち的には、ともかく……」
 柏あんなは、そうコメントした。
「例え、一時的なこととはいえ……あなたの土地に、今まで以上のゴミを置きますよ、といっているわけだから……断るのが普通じゃない?
 集めたゴミをどうするのかも、未定なんだし……」
「……未定、というか……材質ごとに仕分けて、整理する……というところまでは、やるつもりです。
 きちんと分別ができていれば、処理費用も、そうでない時の何分の一かになるということですし……」
 有働の話しによると、分別をしっかり行えば、専用の業者にリサイクルに出せるものもあるし、物によっては、「売れる」ものもある……という。
「……例えば、銅線やコード類なんかは、絶縁体の被覆を剥がして無垢の地金にすると、そこそこの値段で引き取ってくれる業者がいたりするんです……。
 そうやって、細かいところでお金を回収して、処理にお金がかかるゴミの方に廻すつもりですけど……」
「……でも……。
 人件費はタダにして、そうやって節約とか多少、お金を稼いだとしても……なんか、全体的にかかる費用と比べると……」
 舞花は、シビアな指摘をした。
「……焼け石に水……って、感じじゃないのか?」
「……そうなんです。
 こうしたゴミ処理が、そう簡単にお金になるのなら……行政も、民間企業も、率先してやっていると思います……」
 有働は、舞花の言葉にも、頷く。
 有働は、マウスを操作して、画面の隅にあった「シルバーガールズ」のバナーをクリックした。
「玉木さんは、その……。
 そうした、必要な経費を……こうしたコンテンツを売って、補填しようと動いているわけですが……正直、ぼくには、こうしたものがどれだけお金になるのか、よく判断できないのです……」




[つづき]
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