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彼女はくノ一! 第六話 (153)

第六話 春、到来! 出会いと別れは、嵐の如く!!(153)

「でも、今回の試験、香也様、調子いいですよね……」
 通学時に、楓が話しかけてくる。
 楓は昨日も、休み時間のたびに香也の席を訪れては試験の答え合わせをしていたので、香也の成績についても自然と詳しくなっていた。
「……このままでいくと、三学期の成績も、かなりあがると思いますけど……」
「……んー……」
 香也は、内心「それは、あれだけ盛大に手伝ってもらえば、いくらなんでもあがるよ」と思わないでもなかったが、例によって生返事をするだけにとどまった。
「……そうかも」
 それに、客観的に見て「今までが底辺すぎた」という事実もあるので、香也は素直に喜べなかった。
「少しばかりあがったところでようやく人並み」、というが、自分の成績についての香也の評価であり、この香也自身の評価は客観的に見ても割と公正なものだったりする。
「まあ、成績があがること自体は、いいことだとは思うだけどね……」
 樋口明日樹は、香也の気のない様子を目の当たりにして、複雑な心境になる。
 香也自身は、そこのことを喜んでいるのだろうか……と。
 学校の成績とか、そんなことは……香也にとっては、本当はあまり関心のない、些末事なんだろうなぁ……と、明日樹は思っている。いや、知っている。
 香也にとっては、絵以外のことがらがすべて、「どうでもいい、些末事」なのだ。少なくとも、明日樹が知っている香也なら、そう考えているはずだ。
「……狩野君がいやがっていないんだから、とやかくいう必要もないか……」
 明日樹は、誰の耳にも入らない程度の小声でつけ加えた。
 香也の心境はさておき、将来的なことを考えると、学校の成績もそれなりに重要なわけで……周囲の人たちが香也の面倒を見ることも、明日樹は、一概に責める気にもなれない。
 そんなわけで、「香也を取り巻く人々」に対する樋口明日樹の感情は、日々複雑なものになっていくのであった。

 二日目の期末試験も、香也はかなりリラックスした状態で受けることができた。香也は自分の成績に関してあまり思い入れがないため、あがりようがないということもいえたが、それ以上に昨夜、孫子とのあれやこれやで肉体的に疲労し、ぐっすりと熟睡することができた、という点が大きい。おかげで目が冴えた状態で静まり返った教室内に座っているわけだから、答案用紙に解答を書き込むしかすることがない。香也は、絵を描くときと同じくらいに、試験に集中することができた。

 そんな感じで午前中の日程をあっという間に終え、香也は帰宅の準備をする。いつもなら誰かしらが一緒に帰宅するパターンが多いのだが、この日、香也の世話を担当する楓は掃除当番なため、ひさびさに一人で帰宅することになった。もともと香也は単独行動の方がデフォルトなので、一人で帰宅することを苦にしたり寂しがったりする、ということはない。むしろ、こうして一人で帰宅するのもひさしくなかった感じで、香也はとてものびのびとした心持ちになりながら、家路についた。
 帰宅し、着替えて真理の用意してくれた昼食を軽くすませてから、荒野たちのマンションへと向かう。
 基本的には、昨日と同じような感覚で進行したわけだが……サオリセンパイが休憩のおりなどに、何かと「香也自身」について尋ねてきたきた点が、昨日とは違っていた。
 そういえば、楓が、「サクマセンパイのサクマは、現象とか梢とかのサクマで、センパイ自身は一族ではないけどセンパイのおじいさんは生粋のサクマだ」みたいなことをいっていたっけかな……と、香也はぼんやりと考える。
 そもそも香也は一族とか佐久間というのが「すごい存在だ」ということはわかっていても、どのようにすごいのか、ということに関しては、なんら具体的なイメージを持っていないので、いまいち実感がわかないのであった。
 あれこれと香也のことを聞いてくるサクマセンパイの姿をみて、荒野が、なんだか呆れているような風に見えたのだが……それは、香也の気のせいだったかも知れない。
 楓のいうところの「生粋のサクマ」であるところのセンパイのおじいさんも、昨日に引き続き同席していた。
 とはいっても、おじいさんは孫であるセンパイよりは茅とばかり熱心に話し込んでいるようで、昨日はまだ、話しあっているだけだったのだが、今日に至ってはノートパソコン二台を二人で占有して忙しくキーを操作しながらなにやら難しくて込み入った風な話しを延々と続けている。内容が込み入っている上に専門用語らしき単語の占有率が高い二人の会話は、香也には難しすぎて聞き取れても内容がまるで理解できなかった。しきりにネットワークがどうのとか組織とかリアルタイムとかワークシェアなどの単語が飛び出し、その程度は香也にも聞き取ることができたが、二人がいったい何について熱心に話し込んでいるか、香也には皆目検討がつかなかった。第一、そっちの方に気を取られているとすぐにサオリセンパイから「はいはい。勉強の方に集中して」と注意をされる。
 センパイは紅茶を片手にゆったりとくつろいでいるようにみえて、香也や荒野のことをかまなり細かく観察しているようで、二人の集中力が途切れるとすぐに柔らかい叱責の声が飛んできた。
 教科書も何も見ずに、香也と荒野、一年と二年の二学年分の内容を、傾向と対策む含めてしっかりと指導している、ということのすごさについては、香也はあまり実感を持って意識していない。茅とかテンとか、頭抜けた記憶力の持ち主が身近に存在しているため、「そんなもんか」あるいは「センパイもそういう人か」程度の認識しかしていなかった。
 これまでの環境が環境だけに、香也にとってその程度の異能は、「そういう人もいる」程度の感覚しかもたらさなくなっている。何しろ、まわりがまわりである。
 雑談の折りに、サオリセンパイが荒野に向かって、
「荒野の周りにいると、いろいろと個性的な子たちとあえる」
 といっていたのが、香也には印象的だった。
 確かに、その通りだな……と、「荒野の周囲の人々」の顔を思い浮かべ、香也はサオリセンパイの言葉に深く納得したわけだが……その「個性的な子」の中に自分が含まれている、という自覚は、香也にはなかった。


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「髪長姫は最後に笑う。」 第六章(411)

第六章 「血と技」(411)

 なんだかんだでそのまま二十分ほども立ち話しをしてしまった。
 このままでは香也と約束した時間に遅れる、ということで、昼食はマンションに帰ってから作るのではなく、どこかで調達していこう、ということになり、荒野が駅前まで出て牛丼弁当を買ってくることになった。牛丼にしたのは、茅からのリクエストがあったためだった。
 茅と沙織は、その間にマンドゴドラに寄ってくる、という。たまには顔を見せにいきたいし、お茶うけになる菓子も欲しい、といったところだろう。あるいは、日参してくれる酒見姉妹へのお礼代わり、というニュアンスも含んでいるのかもしれない。
 そのようなわけで一度、荒野は茅、沙織の二人と別れた。といっても、駅前もマンドゴドラもすぐそこで、いくらもしないうちにマンションで合流する予定ではあったが。
 荒野は商店街のアーケードを抜け、目当ての牛丼屋をめざす。ひさしぶり、というほどでもないのだが、期末試験に入ってからこっち、荒野は商店街に来ていなかった。こうして平日の昼間に見る商店街は、普段利用する夕方と比べても、よほど閑散としてみえる。

 駅前のチェーン展開している牛丼屋で特盛り弁当四つを購入し、来た道を戻っていくと、商店街アーケードの中程で作業服姿の孫子と出会った。
「よう」
 荒野は、何人かの男たちに、二トントラックから足場材を降ろす作業をしているらしい孫子に、とりあえず声をかけてみる。
「何やってんだ、こんなところで?」
「え?
 あっ。加納か……」
 背後から声をかけられ、振り向いた孫子は、事務的な口調で説明をしはじめる。
「……試験休みと春休みを利用して、香也様に、商店街のシャッターに絵を描いてもらうことになっています。そのための、下準備です……」
「……あー……。
 そんな話しも、していたっけかなぁ……そういや……」
 荒野も詳しく聞いたわけではなく、何かの雑談のおりに、小耳に挟んだ、という程度だったが……いわれてみれば確かに、そんな話しも聞いたような気がする。
「でも、彼……覚えているかな?」
 荒野はそういって首を傾げた。
「たとえ忘れていても、絵に関する約束を香也様が反故にするはずがありません」
 孫子は、やけに自信たっぷりな物言いをした。
 ……そんなものかも知れないな……と、荒野も納得をする。
「……そのかわり、香也様が不自由をしないように、こちらの方々に話しを通して、足場を組んで、塗料を用意して……細々とした下準備はすべてこちらで用意するわけですから……」
 そういう細かな雑事を厭わない、という側面も、これで孫子は持ちあわせている。
「……試験期間中なのに、ご苦労なことだな……」
 揶揄しているわけではなく、本気で荒野は孫子にねぎらいの言葉をかけた。
「試験直前に慌てて勉強をする必要がある、というのは、普段さぼっている証拠です」
 孫子は、きっぱりといいきる。
「普段からなすべきことをなしていれば、直前に慌てる必要はありません」
「……そういうことは、玉木あたりにじっくりと言い聞かせてくれ……」
 荒野はそういって孫子に別れを告げ、マンションへと向かう。

「……って感じで、才賀のやつも、休みにむけていろいろ画策しているみたいだった……」
 牛丼特盛り弁当をみんなで囲みながら、荒野はついさっきの出来事を報告する。普段、食卓を囲みながらあれやこれやを茅に報告・相談するのが習いになっていたので、荒野にしてみれば違和感がなかった。
「才賀の令嬢が、ですか……」
 源吉が、なんともいえない微妙な表情になる。
「あの方も……難儀な性格ですなぁ……」
 どうやら、この土地にとどまって涼治に報告するための監視活動をしているらしい源吉は、当然、孫子の詳細についても知っているわけだった。
「鋼造さん、あいつを普通の庶民にしたくて……それが無理でも、そういう感覚を学ばせたくて、こっちに住まわせているのに……」
 荒野も、頷く。
「……絶対、普通の範疇に収まっているたまではないよな、あいつ……」
「荒野君も……」
 ここで、沙織がくすりと笑った。
「……人のこといえないじゃない」
「いや……そういわれると、そうなんだけど……」
 今度は荒野が、なんとも微妙な表情になる。
「……少なくともおれは、普通になろうと努力はしているんですよ。
 これでも……」
「どう振る舞おうとも……」
 今度は茅が、口を挟んだ。
「荒野は、荒野なのに……」
「羊の皮を被っても、狼は狼、というわけですな」
 源吉も、茅の言葉に頷く。
「若の……その、一般人社会にとけ込もうとする努力自体は、大切だとは思いますが……」
「……あー。
 源吉さんまで、そんなこというかなー……」
 荒野は故意に、少し不機嫌な声を出す。
「……これでも、それなりにうまくやっていると思うんですけどねー。
 むしろ、うまくいきすぎていて怖い、っていうか……」
「……荒野、いつもそんなこといっているの」
 茅が、即座につけ加えた。
「そうした幸運を呼び込んでいるのも、荒野自身の行動なのに……」
「荒野君は、何でも自分でやりたがるタイプね。意外と」
 沙織が、荒野の分析をする。
「自分の目の届かないところでいろいろ動いていると、とたんに不安になるタイプ。
 リーダーなんてものは、細かいところは他人任せにして、あとはどーんと構えていればいいのに……」
「……最近は、そういうのにも慣れようとしているの」
 茅が、荒野を評する。
「荒野は……まだまだ……他人任せにしていることに、フラストレーションを感じているの」
「この年で、そんなに悟れやしません」
 荒野はそういって胸を張り、湯呑みのお茶をずずずとすすった。
「あっ……。
 たまの日本茶も、いいなあ……」
 試供品として静流の店のチラシに付属していたものを、早速使っていた。
「……香りも味も、いいよね、これ……」
 沙織も、湯呑みを両手に抱えるようにして、傾ける。
「牛丼みたいに味が濃い食べものに負けていないんだから、そうとうなものよ。
 帰りに買っていこうかな?」
「……野呂の姫が、ねぇ……」
 源吉は源吉で、またまた複雑な表情になる。
「あっ。そうだ。
 源吉さん。静流さんとジュリエッタさんの対決映像、ありますよ。
 ネットに繋げばすぐに見ることができますけど、あとで見ますか?」
「あっ。
 それ、わたしも見たい」
 荒野が提案すると、源吉が答える前に沙織が応じる。



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彼女はくノ一! 第六話 (152)

第六話 春、到来! 出会いと別れは、嵐の如く!!(152)

 結局、二人が折り重なって動かなくなるまで、それからかなりの時間を必要とした。香也はぜはぜはと荒い息をついている。孫子は満足そうな微笑みを浮かべてぐったりとしている。
 二人とも、汗まみれだった。
 やがて孫子が疲れはてて動けない香也の股間に手を伸ばして、ついたままだった避妊具をはずす。器用にその根本を縛ると、ティッュにくるんで自分の掌に乗せて、重みをはかるように揺すりながら、
「こんなに……たくさん……。
 二回目でしたのに……」
 とかいって、何とも満足そうな、凄みを感じさせる笑みを浮かべた。そうした孫子の笑みを向けられた香也は、なんとも複雑な心境になる。
 香也が何か返事をする以前に、孫子はてきぱきとした動きで脱ぎ散らかした衣服を集めて身繕いをし、ティッシュをとって香也の陽物を丁寧に拭きはじめた。孫子の手で拭われている香也のソレは、半ば力を失ってだらんとしていたが、孫子が触っているうちに、少しづつ力を取り戻してくる。
「……あら……また……」
 孫子は、くすくすと笑った。
「香也様は……まだ……足りないのですか?」
 香也はぶんぶんと首を横に振る。
 その香也の首に腕を回し、また孫子が抱きついてきた。
「わたくしは……まだまだ、足りない気分なのですけど……」
 孫子はそういって香也の片手を掴み、自分のスカートの中に導く。
「……ほら……まだこんなに……濡れてきていて……。
 んんっ!」
 孫子は、濡れてしまっためだろう。スカートの中に下着を身につけていなかった。
「最近では……はたしない話しですけど……香也様のことを考えるだけでこんなになってしまって……」
 孫子に導かれた香也の指が、孫子の陰毛をかき分けて秘処を撫でていく。湿っている……を通り越して、孫子のそこから水分がじっくりと滲みだしていく様子が、香也の指に伝わってくる。
 孫子はすぐに我慢ができなくなったのか、香也に覆い被さってきて、香也の口唇を求めてきた。
 孫子は舌で香也の口の中を蹂躙しながら、香也の指で自分の敏感な部分を刺激し、かなり性急に再度昇り詰めていく。
 一度絶頂した直後だったので、いっそう敏感になっていたのかもしれないが……孫子は、五分もしないうちに全員をビクビクと震わせて、そのまま香也の上に体を投げ出した。
「……お風呂に入ったのに……また、汗……かいちゃいました……」
 しばらくぐったりとした後、香也に密着したままの孫子は、香也の耳元で囁く。
「わたくし……香也様のおそばにいると……どんどん、淫らな子になっちゃいます……」
 そういってから孫子は、香也の身体から離れて立ち上がる。
「……今夜はもう、これ下がりますわ。
 なんだか……香也様と二人きりでいると、欲望に際限がなくなってきて……怖い、ですし……」
「……ちょ、ちょっと……」
 みょうにすっきりとした顔をして、部屋から出ようとする孫子を、香也は呼び止めた。
「あ、あれも……持ち帰って……」
 香也は、畳の上に丸まっている孫子の下着を指さす。
「……香也様は……ああいうのがお嫌いですか?
 一般的に、男性は……そういうフェチェッシュなこだわりがあると聞きましたけど……。
 人によっては、ああいうもののために軽犯罪まで犯すといいますしに……」
 ようするに、香也が孫子の下着を使ってよからぬ楽しみに耽る……ために、故意に置いていったらしい。
「……んー……」
 香也は、どうやら男性の性欲というものにたいして根本的な誤解があるらしい孫子に対して、慎重に言葉を選ぶ。
「そういうのが好きな人もいるかもしれないけど……ぼくは、そうじゃないから……。
 ついでに、これも……持ち帰ってくれると、うれしい……」
 そういってごそごそと上着のポケットを探った香也は、夕方拾って、そのままポケットの中につっこんでいた、丸まった布切れを、孫子に手渡す。
 正直……こんなものを渡されても、扱いに困るのだった。
「……そう……ですか……」
 なぜか、いかにも残念そうな表情をした孫子が、しぶしに、といった感じで香也から自分の下着を受け取る。
 香也から布切れを受け取る際、孫子は香也の耳元に口を寄せて、
「……欲しくなったら、いつでもお声をかけてくださいね……」
 と囁くのを忘れなかった。

「……ふう……」
 孫子が部屋を出たのを確認してから、香也はのろのろと立ち上がり、下着とスウェットの下を身につけはじめる。完全に、孫子のペースにはめられていたな……と思い、それから……別に、今にはじまったことではないか……と、思い直す。
 相手が孫子でなくとも、いつも香也は、振り回される側だった……ような、気がした。
 なんというか……このまま流されるまま、ではいけない……というか……もう少し、主体性と自分の意志を持っていかなくては、いけないような気もする……。
 このまま、ずるずると今の状態を続けていたら……自分の身体が保たないのではないか……と、香也は思った。
 それから香也は、あることに気づいて愕然とする。
 今週の期末試験が終わったら……また終業式は残っているものの、学校は試験休みと春休み、という長期休暇に入る。その間、香也の身体と時間は、今まで以上に空くわけで……。
 その間、同居している少女たちに今までと同じように構われていたら……まず間違いなく、香也の身は保たない。
 ……何らかの口実を作って、家から出る時間を多くするしかないかな……と、香也は思った。

 翌朝、昨夜はあれほどご機嫌になって別れた孫子が、目に見えて不機嫌そうにしていた。それはもう、誰の目にもはっきりとわかるほどで、三人娘などは朝食のときから、少し警戒をしている。
 ……いったい、どうしてだろう……と、香也は不思議に思ったものだったが、孫子の視線が頻繁に……隣に座っている自分を通り越して楓に突き刺さっていることに気づき、「ああ。そういうことか」と納得する。
 今日の「香也のお世話当番」は、楓だった。
 一昨日、日曜日の件もあり、孫子は楓を最大の障害と見なしているようで……でも、楓の方はというと、孫子が楓を気にするほどには、孫子の存在を気にかけているようには、見えない。


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[つづく]
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「髪長姫は最後に笑う。」 第六章(410)

第六章 「血と技」(410)

 その日も昇降口のところで茅や沙織先輩と合流して帰宅することになった。
「……今さら、こういうこともなんですけど……」
 肩を並べてマンションに向かいながら、荒野は沙織に話しかける。
「沙織先輩、おれたちのためにこんなに時間を使ってもらっちゃって……申し訳ない気もします」
 荒野の本音でもあった。
 面倒を見てもらっている側の荒野や香也はともかく、沙織の側から見れば、いっこうにメリットがない。
「いいの、いいの。
 こっちも、好きでやっているだけだから……」
 沙織の方は、鷹揚に頷くだけである。
「……おかげで、面白そうな子たちとも知り合いになれたし、なれそうだし……。
 荒野君の知り合いって、ユニークな人が多いのね……」
「ユニーク、っていうか、なんていうか……」
 荒野としては、口を濁すよりほかない。
 沙織のいう「ユニーク」というのは、「個性的」というよりは「どかか歪んでいる」というニュアンスが強いような気がするのだが……一族の主要な面々の顔を思い起こすと、まったく反論できないのだった。
 そして、沙織の趣味はあまりよくないよな……とも、心中でそっとつけ加える。
「……まあ、個性的な知り合いには、不自由していません……」
 荒野としては、無難にそんな返事をするだけにとどめた。

「……はーい!
 カノウのワカっー!」
 そんなことはぐだぐだ話しながら歩いていくと、商店街のはずれあたりで、脳天気な声に呼び止められた。
 振り返ってみると……。
「……ジュリエッタさん……」
 荒野は、視界に入ってきた姿を認めるなり、うめいた。
「……何やってんですか?
 こんなところで、そんな格好で……」
 ジュリエッタはスリットも胸元も大胆なに開いた真っ赤なチャイナドレスを着用し、プラカードを持っていた。
 ……真昼間から、町中でする格好ではない……と、荒野は思う。
「……似合わないか? これ?」
 一方のジュリエッタは、荒野の反応をみて、不思議そうな顔をして自分の体を見返している。
「……どこもヘンじゃないよ? これ……」
「似合うか似合わないかって、いったら、似合うし……そういう意味では、変じゃないといえば変じゃないんだけど……」
 荒野はどう説明するればいいのか考えながら、口を開く。
「……あー。
 町中で着るものじゃないでしょう、それ。少なくとも日本では……。
 いったい、なにやってんですか?」
「……Oh! 目立つか? それはよかった!」
 ジュリエッタは昂然と胸を張った。
 そうすると、大きく開いた胸元がいっそう強調されるようで……目のやり場に困った荒野はさりげなく目線をそらす。
「……これ、静流の店の宣伝ね!
 静流にはいろいろ、迷惑かけたから……」
 そういって、ジュリエッタは荒野にチラシを手渡した。
「……ああ。チラシ配りか……」
 ジュリエッタに手渡されたチラシを一瞥し、頷く。
「……そういや、楓や才賀も、年末に似たようなことをやっていたっけ……。
 だけど、その格好……いったい誰が用意したんだ?」
「それは、わたしです」
 横合いからいきなり声をかけられ、そちらに首をめぐらした荒野は、しばらく絶句した。
 声をかけてきたのは、柏あんなの姉、柏千鶴だった。千鶴も、ジュリエッタと同じく、プラカードを担いでチラシの束を手にしている。
 問題は、そのファッションで……。
「……ええっと……。
 どうも、ご無沙汰してます……」
 荒野は反応に困りつつも、とりあえず無難に挨拶をしておく。
 知り合いの下級生の姉が、いきなり空色のチャイナドレスで現れたら、荒野でなくても驚く。
「ご無沙汰しています」
 千鶴は荒野に向かって丁寧に頭をさげてから、説明を続ける。
「この衣装、わたしが知り合いのつてで借りてきたものなのですけど……似合いっていますでしょうか?」
「……ええっと……。
 まあ……お似合いだとは思います。二人とも……」
 この際、荒野はTPOの問題は無視することにした。
 似合っているかいないかといえば……二人とも、すごく似合いっているのだ。目のやり場に困るくらいに。
 ジュリエッタはともかく……柏千鶴も、結構着やせするタイプらしかった。
「萌え萌えですか?」
 千鶴が、真剣な顔をして荒野の目を見据え、重ねて聞いてきた。
「も……萌え萌え……です……」
 気圧されながらも、荒野は、なんとかそう答える。
 蛇に睨まれた蛙……というのは、このような心境をいうのだろう……と、荒野は密かに深く納得する。
「……それは、よかったのです」
 それまでの真剣な顔つきから一転して、千鶴は満面の笑顔となった。
「静流さんのお店、商品のクオリティは高いんですから……もっと真剣に、良さを広める努力をしませんと……」
「……ああ……。
 それで……」
 荒野はジュリエッタに手渡されたチラシに視線を落とした。
 静流の店への地図と住所、「おしいお茶のいれ方」の簡単な説明などが手書きの丸文字で書かれていて、ビニール袋に入った少量のお茶の葉がステープラーでとめられている。
 ジュリエッタと千鶴のファッションはどうかと思うが、宣伝方法としては、意外にまともだ……と、荒野は思った。
「荒野君」
 背後から、今度は沙織から声をかけられる。
「この方たちは、紹介してもらえないのかな?」
 沙織もまた、千鶴に負けないくらいに満面の笑みをたたえている。
 おそらく……「変な人」の知り合いが増えて、楽しいのだろう……などと、思いながら荒野は沙織に二人を紹介しはじめる。
「……ええっと……。
 こちらが、一年の柏あんなの姉さんで、千鶴さん。確か、大学生。
 で、こっちが……あー……一口には説明しにくいんだけど、うちの方の関係者で、最近こちに越してきてジュリエッタさん。こうみえて、日常会話程度なら日本語も不自由しないから、あったときは話しかけてあげて……」
「一年の柏さんって……あまり話したことないけど、堺君といつも一緒にいる、可愛い子ですよね……」
「そうそう。あんなちゃんとまーくん。
 まーくん、うちのお隣さんなんですよ……」
 お互いに挨拶しあった後、千鶴と沙織はメアドと電話番号の交換までしていた。



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彼女はくノ一! 第六話 (151)

第六話 春、到来! 出会いと別れは、嵐の如く!!(151)

「……ちょ、ちょっと……」
 そのまま腰を落とそうとする孫子を、香也が慌てて制止する。真理にいいつけられた事に関しては、香也はできる限り守ろうとする。
「ご……ゴム、着けないと……」
 孫子は黙って自分のポケットから正方形のパッケージを取り出して、封を切る。
「備えあれば憂いなし、ですわ……」
 孫子はそういって、開封した避妊具を香也の先端に押し当て、そのまま被せた。
「……ふっ……」
 孫子が避妊具をかぶった香也の先端を自分の入り口にあて、香也のモノを掴んで前後に振って、くちゅくちゅと浅い部分をかき回す。
「この……香也様の硬いのが……これから、わたくしの中に……」
 てっきりそのまま孫子が腰を落とすもの……と思いこんでいた香也は、予想外の刺激にうっ、と声を漏らす。
「香也様……このまま……香也様のをいただいても……よろしいですか?」
 媚びるような、懇願するような口調で……孫子は、香也に許可を求めた。孫子自身の欲求が滲みでているような口調、だった。どうやら香也をじらしているつもりではなく、言葉の通りに、これ以上のことをするのには、香也の許可が必要だ……と、思っているようだった。
 香也は無言のまま上半身を起し、自分の上に跨っていた孫子の体を、両腕で抱きしめた。
 孫子は、予想外の香也の挙動に「……んあっ!」と小さな悲鳴を上げたが、荒々しい動きで香也が孫子の口唇を奪うと、口を開いて積極的に応じた。
 香也と孫子は、しばらくその体勢のまま、お互いの舌を求めあっていたが、香也の上に跨って中腰になっている孫子の姿勢は安定せず、孫子の上体がぐらぐらとよろめいてくる。
 そうと察した香也が孫子の体に巻き付けた腕に力を込め、孫子の体を持ち上げる。スレンダーで背もさして高いわけではない孫子の体は思いの外軽く、非力な香也の力でも浮かせることが可能だった。
 孫子の体を持ち上げた香也は、そのまま孫子を畳の上に放り出し、その上に覆い被さった。
「……やっ……。
 あっ。あっ……」
 香也の、予想外に乱暴な一連の動作に、孫子は一瞬、恐怖の表情を浮かべたのだが……自分に覆い被さってきた香也が、孫子の首筋あたりに口唇を這わせながら、乱雑で性急な手つきで孫子の服を脱がせはじめると、鼻にかかった声をあげはじめ、さりげなく体を動かして香也の動きを助けたりしはじめた。
 すぐに孫子は香也の手によって服を剥かれ、ブラとスカート、それに局部を濡らしたショーツだけ、という姿になる。半裸の孫子の上に下半身丸だしになった香也が覆い被さり、孫子の入り口に硬直したモノの先端を押し当てる。横臥した孫子の上に香也が重なっている、という体勢のまま、香也は一気に体重をかけて自分の分身を孫子の中に沈めた。
「……んっ!
 あぁっ……」
 思わず、といった感じで、孫子の喉から声が漏れる。
 ああ……こんなに、乱暴に……香也様に犯されている……と、興奮して稼働効率が半減している脳髄で、孫子はぼんやりと思う。
 香也が深く打ちつけるたびに、孫子は荒い息を吐いて、思考能力を低減させていった。
 ずん、ずん、ずん……と、技術もなにもない香也が、単調な動きで一気に孫子の深いところまで抜き差しをする……たびに、孫子の一番深い部分が痺れ、理性が麻痺していく。
 特に香也の先端が孫子の最深部まで届くとき、孫子は全身を震わせて、「……あぅっ! あぅっ! あぅっ!」と小さく声を上げてしまうのが常だった。
 これ……これなの……。
 ……これが欲しかったの……。
 香也に責められ、息絶え絶えになりながら、孫子はぼんやりと霞がかかった頭で確認した。
 組みしかれ、無理矢理侵入される感覚……が、孫子の理性を痺れさせる。思えば、香也とのはじめてのときも、こんな感じで乱暴に扱われ……その、乱暴にされたという事実に、孫子は感じてしまったのだった。
 こうして……体重をかけられ、下にされて、乱暴に自分の中に侵入されると数倍感じる……という性癖が、あるらしい……と、孫子の冷静な部分が分析しているのだが、ただでさえ気位の高い孫子は、普段なら、そんな屈辱的な性癖が自分のうちにあることを、認めなていない。
 だが……こうして、乱暴に犯されることで、普通のときの何倍も高ぶっている……ということを自覚してしまうと……孫子は、自分に対して申し開きができなくなるのだった。
 香也ともみ合っているうちに、いつのまにか孫子は、うつむけになって尻だけを高々とかかげ、香也に後ろから挿送されていた。
 犬や獣のような、屈辱的な体位だったが、孫子は自分の口から歓喜のあえぎが漏れていることも自覚している。香也の動きは相変わらず乱暴で単調で、孫子を喜ばせるため……というよりは、やはり自分の快楽を得るためのに動いている……のは、明白なようだった。
 ……わたくし……香也様の……慰みものになっている……と、孫子は、ぼんやりと思考する。
 もともと、香也とこうなるようにしむけ、誘惑したのは孫子の方だった。ごく自然に寄り添っている楓と香也の姿を見て、焦りを感じていたのは、事実だったが……。
 それなら……他にも、やりようがあったのではないのか……と、内側からとどめなく沸き上がってくる悦楽に翻弄されながら、孫子は考えている。
 プレハブとか風呂場とかで、中途半端に誘っては最後の一線を越えさせない……とようにしむけたのは……香也がこうして、暴発するまで、欲望の内圧を高めるための計算だったのではないのか……。
 あうぅっ! あうぅっ! あうぅっ!
 と、掠れた、獣じみた声がどこからか聞こえてきていた。
 よくよく聞いてみると、それは、孫子自身の喘ぎだった。普段の孫子の声とはまるで違う、動物じみた吼え声だった。
 はしたない……を、通りこして……自分の中の獣が、表面に出てしまっている……と、孫子は思った。
 現在の犬じみた体位と相まって……なんだ……わたくし……いつもは澄ましているくせに……単なる雌犬じゃないの……という内心の声が、聞こえたような気がした。


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