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隣りの酔いどれおねぇさん (17)

隣りの酔いどれおねぇさん (17)

 加々見さんが疲れているようすなので、抜こうとすると、「まだ最後までいっていないんでしょ」と、止められた。しかし、息も絶え絶えでかなりきつそうな加々見さんをみると、普通に続行する気にもなれず、しかたなく、挿入したまま大きな動きはせず、耳や乳首などを甘噛みしたり、手の届く範囲内で加々見さんの体を優しく愛撫したりして、加々見さんが回復するのを待つことにする。
 AVとかで、「行くよ! 行くよ!」とか声をかけあって、男女ほぼ同時に絶頂をむかえる、というシーンをみたことがあるが、あれは、視聴者にカタルシスを与えるための演出なのだろうか? それとも、ぼくが未熟なので自然にシンクロできないだけなのだろうか?
 いずれにせよ、ぼくの経験によると、男女が同時に達したことはほとんどなく、タイムラグが発声するか、一方が満足してもう一方が不完全燃焼で終わる、というパターンが多いような気がする。加々見さんもそうだけど、ぼくが今まで付き合ってきた女性に関していえば、あまりどん欲に自分でエクスタシーを貪る事を求める、ということもなく、むしろ、相手であるぼくの快楽を優先的に考える傾向が強い気がする。この辺、男女の普遍的な性差なのか、それとも、単にぼく個人が気を遣われているだけなのか……。
 などということを、漠然と考えながら、加々見さんの体を撫でたりしていると、熱意がないと判断したのか、加々見さんが、「もう、やりたくない? やめる?」と聞いてきたので、少し中断して、シャワーでも浴びて休憩しましょう、と、提案した。今度は、加々見さんも同意した。

 加々見さんに先に風呂場に向かって貰って、ぼくはすばやく、汗とオイルまみれになっていたベッドのシーツを、新しいものに替え、古いシーツを洗濯機に放り込み、加々見さんから、さほど遅れることなく、風呂場に入る。
 加々見さんはぼくに背を向けてシャワーを浴びていて、その肩に、ぼくは優しく手を回す。加々見さんのお尻に、未だ硬いままのぼくの股間が押し当てられ、「だめよ、こんなところじゃあ」と加々見さんがいったが、その声は少し鼻にかかっていて、媚びを含んでいるようにも思えた。加々見さんと正対するように体の向きを変え、抱き合って、長々とキスをしたあと、ゆっくりと、加々見さんの背中のそこここを手探りする。

 やはり、痩せている──と、そう思った。
 今まで抱いてきた女性と比べても、全体に、肉が薄いように、感じた。

 口唇を合わせながら、加々見さんの体のあちこちをまさぐる。そこだけはたっぷり肉付きが良いお尻の感触を楽しんだあと、手を前に回そうとすると、加々見さんに手首を掴まれたので、加々見さんの目を見ながら、「さっき、ここ汚したから、ぼくが洗いますよ」と囁くと、加々見さんが目をそらす。それを諒解の印としるしと解したぼくは、手首に絡まっていた加々見さんの指をはがし、変わりに、未だ硬いままのぼく自身を握らせる。そして、指先で加々見さんの陰毛をかき分けて、二人分の体液がつまっている加々見さんの中に、中指を侵入させる。
 加々見さんは、うっ、と呻いて、軽く眉間に皺を寄せ、頭を、ぼくの肩の辺りに預けてくる。ぼくは、さらに指を侵入させ、内部に入ったままの体液を中指で掻き出す。それだけでも、加々見さんは体を震わせていたが、さらに、加々見さんの股間にシャワーを当てると、加々見さんの喉から「あ、あ、あ」という細い声が漏れるようになり、ぼくが、指で加々見さんの内部をさらに掻き乱すと、加々見さんはぼくの体にしがみついてくる。
「……こんなところで」
 と、加々見さんはいった。なんだか、悔しそうなニュアンスが、言葉に込められている。
「こんなところで、やったことはないですか」
 ぼくはいった。
「こんなところで、やっては駄目ですか」
 加々見さんは、数秒、なにか考えるように沈黙していたが、結局、
「いいわ。きて」
 と、いって、ぼくに体を預けてきた。

 ぼくは加々見さんの体を寄せて、壁にもたれかかれるようにし、右手で加々見さんの太股を持ち上げて、立ったまま、ぼく自身を加々見さんの中に割り込ませる。
 うっ、と、加々見さんが息を飲む音を、聞いた。

[つづき]
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