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隣りの酔いどれロリおねぇさん (9)
「しかしまあ、見事なまでに真っ平らですねー」
後ろから手を回して、三島さんの胸のあたりをまさぐる。もちろん、触りたいから触った、のではなく、触るほどの膨らみがないことを確認するために触った、のである。微乳というのを見事に通り越して突き抜けた真っ平らぶり。ここまでまったく膨らんでいないのも、珍しいし、いっそ見事だと思う。
「うっさいなー。いいじゃないか胸の一つや二つ。そんなもん膨らんでいなくったって、別に日常生活に支障はないやい。文句いうのなら、触るのやめろー」
「文句っつうか、事実の確認をしただけなんですが。
それに、自分だってこっちのモノを勝手に握ったり弄ったり口にしたりしているんだから、お互い様です」
っていうか、こうしている今も握って離そうとしないし。
それから、ふと、先ほど押し倒されて乗りかかられた際に、透けて見えた下着のことを思い出したので、ちょこちょこと指で三島さんの股間を撫でさすってみた。
「んはぁん」、と、三島さんは、意外に色っぽい声をあげる。
「そ、そこはデリケートな場所なんだから、いきなり触るなって!」
「いや、さっき濡れた下着見せつけられたとき、毛がみえなかったなぁ、と思って……って、こっちもつるつるですね。剃っているんですか?」
「そ、そんなところ剃るか馬鹿! ただ単に生えてこないだけだ!」
「おお。天然パイパン!」
「その言い方と、触り方! 思いっきりいやらしいぞ! 青年!」
なんか声が湿った感じになってきた……ように聞こえるのは、気のせいだろうか?
「……ひょっとして、三島さん……結構、敏感? 感じやすほうなんですか?」
面白がって、三島さんの無毛の恥丘を、さらにすりすりと前後にさすってみる。と、
「うひゃぁ!」
と、三島さんは、今までの言動から連想するイメージとはまるで正反対の、可憐な声で悲鳴をあげ、
「そんなこと、まともに答えられるか、馬鹿」
と、ぼくを罵った。
……うーむ……。
こういう場面ばかりは普段の非常識ぶりに反して、普通の女性のように反応するあたり、三島さんも、なかなか奥が深い……。
「あれだけしつこく誘ってきたのはそっちでしょう? こういうこと、して欲しかったから、誘ってきたのではないですか?」
調子に乗って、後ろから耳に息を吹き付けるように問い詰めながら、さらに激しく指を動かす。
と、三島さんはすぐに腰を浮かして中腰に近い体勢になり、
「んはぁ! あぁふっ! あふぁっ!」
と、本格的に鳴き声を上げはじめた。うはは。この人、外見と行動はかなりお子様だけど、反応はしっかり女だ。なんとなく、安堵して、
「はいはい。ちゃんと肩まで浸かって、あったまりましょーねー」
といいながら、左手を三島さんの体に回して、半端に立ち上がっていた三島さんの体を、ぐい、と、下に降ろす。もちろん、右手の指で三島さんの股間を刺激しながら、である。
背中から左手を回して、肩からがっちりと三島さんの体が逃げないように固定し、右手で、こちょこちょと、繊細、かつ、微妙な刺激を、三島さんの股間のスリット周辺に与える。三島さんは可愛い声をあげながら、お風呂のお湯を散らして身もだえし、ぼくの指から逃れようとするのだが、ぼくの左腕が、がっちりと三島さんの小さな体を抑えているので、ろくに身動きもとれず、ただいたずらに、小刻みに体を震わせ、あえぐだけとなる。
しばらくそうしていると、軽くイったのか、単に体力がなくなって力尽きたのか、それとも、湯あたりしたのか、三島さんの体は、ぐったりとして動かなくなった。
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隣りの酔いどれロリおねぇさん (8)
「なあ、青年」
しばらくして、ぼくの膝の間に入って、体をぼくに預けていた三島さんがもぞもぞと身動きしだし、起きあがって向きをかえて、ぼくの体を這い上がって、顔を近づけてきた。
「キスするぞ、これから」
……あー。なんか、一回なごんじまったからなぁ。
抵抗しにくいというか、してもどうせ無駄というか、抵抗すればするだけかえって事態を悪化させるだというか、ようするに、色々なことが面倒になってきたので、黙って、三島さんの顔が近づいてくるのを待つ。
……こうしてアップでみると、結構可愛い顔しているのに……このけったいな性格さえ、なければなぁ……。
とか思っているうちに、三島さんの口唇がぼくのそれと、静かに重なる。
三島さんは当然のように舌を入れて絡めてきて、長々とぼくの口の中を蹂躙した後、ようやく顔を上げた。
「ゲロ臭い」
「酒臭い」
口を離した途端、ほぼ同時に二人でいいあって、声が見事に重なったことに、二人して、笑いあった。
「風呂。風呂はいろう。今まで気にならなかったが、二人とも酷い匂いと格好のままだ。服も洗おう。上着は無理か知れないが、ワイシャツぐらいならうちの洗濯機で十分だ」
「はいはい。もうどうにでもしてください。抵抗すんのも、面倒くさくなってきた」
お互いの脇を肘で小突きあいながら、すくそこの脱衣所まで、ほんの数歩の距離を二人で歩いていく。
「あー。壁にもべったりとついている」
ぼくの背中に盛大に吐かれたモノが、だ。そのまま壁にもたれかかっていたので、当然といえば当然だが。
「なに、それくらいどうにでもなる。最近実入りのいい副業の口があってな。いざとなれば壁紙ごと変える」
「おーい。地方公務員って、バイト、オーケーでしたっけ?」
「堅いこというなよ。バイトとはいっても、本業の延長みたいなもんだ。問題児の監視みたいな仕事でな、このマンションに越してきたのも、実はその関連だったり」
「そういや、その白衣、いつも着ているんですか?」
「いや、これ、洗濯するためにたまたま持ち帰っていただけなんだが。ほれ、今の時分、朝晩は冷えるだろ。肌寒かったんで、駐車場から部屋に行くまで、たまたま羽織ってただけだ」
「駐車場……って、あれだけべろべろになってて、自分で運転してきたんですか? 飲酒運転は犯罪です。それ以前に危ないっす」
「うるせーこの堅物ー。堅くするのはあそこだけにしろー」
「三島さんの裸なんかみてもなんも堅くなんかなりませんて。うわ。この人、ほんまもんの幼児体型だよ。前も後ろもすってんてんの真っ平ら。服脱ぐとさらに幼く見えるっていうのは、いったいどういうカラクリですか。年齢、二十歳くらいサバ読んでませんか、あなた?」
「いってろー青年。意外に毒舌だなーお前ー。みてろー。今晩はこってりと搾り取ってやるからなー」
他愛のない、お馬鹿なやりとりをしながら、二人してさっさと服を脱いでいく。酔いが醒めていない、ということもあるし、お互い、「遠慮してもしょうがない相手」、という認識をもったので、男女というより悪友同士みたいなノリになってくる。
やっぱりどうも、この人とは、色っぽい方にはいかない運命らしい。
湯船には、自動給湯で少し熱めのお湯がたっぷりと溜まっていた。
そこにまずぼくが入り、そのぼくの前に、三島さんが身を滑り込ませてくる。
……うーん……。
やっぱり、親類かなにかの子供を、風呂にいれているような錯覚に陥るなぁ。
「ほれみろ。やっぱり最初にいった通りになったじゃないか。こうして、一緒にフロに入って洗いあうのが一番合理的であろう?」
三島さんはぼくの膝の上で得意げにそういって、下に手を伸ばしてぼくのものを握りにかかる。ぼくは、
「はいはい。良い子はちゃんと肩までつかって、ゆっくり百まで数えるんですよー」
といって、両肩に手をおいて三島さんの体を沈める。
と、三島さんは頭を後ろにふって、ぼくの顎にぶつけてきた。
……意外に、痛いじゃないか。
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隣りの酔いどれロリおねぇさん (7)
胃の腑がぐつぐつと煮えたぎっているような気がした。
頭も、ぼうっとしてきて、
「くーすー」→「古酒(?)」→「泡盛(!!)」
という、単純な知識を反芻するのに、かなりの時間を必要とした。
三島さんほど悪酔いこそしていなかったが、ぼく自身、今夜はかなり飲んできたのだ。ぼくは元々あまり酒に強いほうではないし、そこに、だめ押しでこんな強い酒を一気に流し込まれたら、足下くらい簡単にふらつく。
「んっふっふっふっふ」
仁王立ちになった三島さんは、邪悪な(と、いいきってもいいと思う)笑みを浮かべ、
「このみにら先生から簡単に逃れられると思うなよ」
とか、のたもうた。
……と、思ったら、そのままぐらぐらと姿勢を崩し、ぺたん、とその場に尻餅をついた。
……だってあんた、さっきあれだけ-げーと吐いたばかりじゃないですか……。
あの状態から、そんなきつい酒口に含んだら、匂いだけでもやられてしまうんじゃないだろうか? それに、口移し、といっても、やはり幾分かは自分でも飲んじゃうだろうし……。
目的のためには手段を選ばず。ただし、そのためにかえって自爆。
この人らしい、といえば、あまりにもこの人らしい、展開ではある。
……後先考えずに、平気で無茶な真似をする人なんだよなぁ、やっぱり……。
「……せーねん……」
三島さんはしばらくそのまま座り込んだ姿勢で俯いていたのだが、何分かしてから、同じように座り込んで、廊下の壁にもたれかかっていたぼくの足を掴み、ずりすりとこっちに這い上がってきた。
多少はダメージから回復したらしいが、半ば泣き顔で、目尻に涙が溜まっている。
「……ぎぼぢわるい……」
「自業自得です」
ぼくはズキズキと痛むこめかみを押さえながら、即答する。この頭痛の原因は、アルコールのせいばかりではないと思う。
「だいたいなんですか? そんなに男が欲しいんですか? セックスしたいんですか? ニンフォマニアなんですか、あなたは」
そのときのぼくの声には、抑えきれない怒気を含んでいたと思う。
「いや、男性一般や性行為が好き、とかいうよりもだねー……」
ずりずりとぼくの膝のうえにのっかってきながら、三島さんはいう。
「わたしを特別扱いしないタイプの男が好きなんだな、わたしは。
あれだ。青年は、すっげぇー普通の人だろ。怒ったり呆れたり、コッチのやりように、素直かつ結構露骨に反応して表情に出すだろ。
だからな、つい弄りたくなる」
よっこらしょ、っと声をかけて、三島さんは壁によりかかっているぼくに、さらによりかかる格好で、重なる。
「いい迷惑です」
ぼくがやはり即答すると、「そうだよなぁ」、と、ぼくの顎の下で、三島さんの頭が答えた。
「……その、三島さんのような体型の方を好む人も、それなりにいるのでしょう?
三島さんなら、相手に不自由しないのでは?」
「あー。いるなぁ、割と。そういう嗜好のやつ、割合に多い。少なくとも、一般に思われているほどには、特殊な趣味ではないな。
でもなぁ。そういう性癖の持ち主というのは、えして、フェティッシュな嗜好として本当に幼児体型を愛好しているんではなくってな。相手が子供か、子供のように小さくて無力な存在だったら自分の思い通りになる、とか、勘違いしている輩なんだな。ま、一種の、支配欲のすり替えだったりする。
しかも往々にして、ご当人はそのことに無自覚で、自分のほうこそ弱い人間だと思いこんでいる場合が多いから、始末に悪い。
幼児性愛自体に偏見もっている訳ではないが、わたしみたいなのにアプローチしてくる男どもの大半は、そういう手合いが大半だったな。そういうヤツラとまともな人間関係を築こうとすると……けっこう、気疲れするもんだぞ。
そこへいくと青年は、ほんとうに、至って普通の若い男だからなぁ」
三島さんはそういって、
「イヤなことはイヤだという。抵抗もすれば、喧嘩もできる。
このちっこいわたしと、自然にそういうことをできる男は、実は少数派だったりするんだな、これが」
と、付け加えた。
善し悪しはともかく、現実として、わたしは先天的なこの体型のおかげで、「社会的な意味での女性性」からも阻害されている──と、三島さんはいった。
そのとき、ぼくからは三島さんの頭のてっぺんしか見えなかったが、三島さんは、意外に真剣な表情をしていたのではないのか、と、想像していた。
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隣りの酔いどれロリおねぇさん (6)
眼下には、三島さんの濡れた下着がある。問題なのは、これをどうするか、だ。
大きく分けると、選択枝は二種類になる。
選択枝A。三島さんの体を引き剥がし、なんにもなかったように自分の部屋に帰って寝る。
無難、かつ、常識的な選択。ただ、それだけに面白味もない。
選択枝B。三島さんの誘いに乗る形で、積極的にプレイに参加する。
正直、三島さん(の、特に体型)は趣味ではないのだが、たしかに前の彼女と別れて以来、ご無沙汰では、あるわけで……。
もう一つの難点は、このような形で三島さんと関係をはじめるとなると、後々のことが非常に不安になってくるということ……。
あれ、三島さんの性格と言動、一種独特なものだから、以後も深いつき合いを継続するとなると、苦労をするのは目に見えている。
今夜、共用部分の入り口で彼女をひろってから、まだ三十分もたっていないと思うが、それでもこれほどまでにいいように振り回されているのである。こういう状態が以後も延々と、半永久的に続くとなると……心身両面において、かなりの消耗を強いられるものと、予測される。
で、だ。
彼女を抱くことに、そこまでの意味と意義をみいだせるのか、ぼくは?
そんなぼくの自問に頓着した様子はなく、三島さんは「おちんちんおちんちんひさびさの活きのいいおちんちーん」とか、例によって奇妙な節回しをつけて歌うようにいいながら、ぼくの性器をもてあそんでいる。歌詞の下品さに反して、その声には、幼子が無心に遊んでいるときのような、透明な響きがあったが。
そういう無邪気な様子をみていると、彼女にとって性行為自体にはあまり卑猥な意味はなく、単なる遊びの一種なのかもしれない……とか、思えてくる。
……性格と言動はあれだけど、少なくとも悪い人では、ないよなぁ……。決して、悪い人では、ないんだけど……。
ぼくがいつまでも躊躇していると、業を煮やしたのか、三島さんはぼくのを口に含むのを止めて、「むー」と、いかにも不機嫌そうな唸り声をあげはじめる。
「青年。おねぇさんを可愛がってくれなーい……いいもんね。こうなったら実力行使に訴えちゃうもんね」
といい、すくっ、と立ち上がって、たたたった、と軽い足音を残して、浴室から姿を消した。
ぼくは、彼女が姿を消したその隙に、急いで乱れた着衣を直し、彼女の部屋から出ようと、浴室のドアを開ける。あれほど小さい三島さんが、「実力行使」とやらで、仮にも成人男性であるぼくをどうこうできるはずがない、と、高をくくっていたのが、大きな間違いだった。
ぼくが浴室のドアを開けた途端、浴室に入ろうとしていた三島さんとぶつかりそうになる。
三島さんのほうは、そうした事態もあらかじめ想定したのか、咄嗟に、ぴょこん、と飛び上がり、ぼくの首に抱きつき、そのまま、自分の口唇で、ぼくの口唇を塞ぐ。
背中に、なにか硬い感触。それに、重量。
口の中がカッと熱くなって、背中の重量物の正体に思い当たる。今日、三島さんが抱いていた、一升瓶。
三島さんが相変わらず口唇を重ねているので、口移しにたっぷりと流し込まれた液体を、嚥下するしかなくなる。嚥下しないと、呼吸できない。
液体が食道をどくどく下っていく感触。「そこ」が、いちいち熱をもっているように、感じた。
ぼくがすっかり口の中の液体を飲み込むのを確認して、ようやく三島さんはぼくから身を離す。三島さんが口を離した途端、ぼくの気管は新鮮な空気を求めて痙攣し、ぼくは身を折って、げほげほげほ、と咳き込んだ。
何故か膝に力が入らなくて、ぼくはその場に膝をつく。
「んっふっふっふっふ」
ぼくの前に仁王立ちになった三島さんは、「清酒美少年」というラベルの貼ってある一升瓶を示しながら、勝ち誇ったようにいった。
「これ、中身、知り合いから分けてもらった五十年物のくーすーだから。度数でいったら五十以上あるはず。本当ならこんなにもったいない使い方したくはなかったんだけどねー。
流石にこれは効くでしょー」
そういう三島さん自身も、頬を赤く染めていて、ひっくっ、と、可愛らしいしゃっくりをした。
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となりの酔いどれロリおねぇさん (脱線メタ番外編)
ぼくは濡れた下着を見せつけるようにしてお尻を振っている三島さんを乗せたまま、上体を起こす。なにせ三島さんは、とても軽いので、床に手をついて少し力をこめれば、さして苦労することもなく、その程度の芸当は容易にできる。
「お? おお」
三島さんにしてみれば、頭を下にして傾斜していく体制になるわけで、こうなるとさすがにのんびりぼくのをくわえているわけにもいかなくなる。
ぼくは、そのまま前転しそうなほど前のめりになった三島さんの両脇に手を差し込んで、ひょい、と、持ち上げた。なにせ三島さんは軽いから以下略。
三島さんの両脇から手を差し込んで、捧げ持つような姿勢のまま立ち上がり、首の後ろを掴んで持ち上げられた猫のごとき姿勢でうなだれている三島さんを、すとん、と床に降ろす。
呆然としている三島さんには構わず、ぼくは三島さんがはだけた下半身を直し、外に出ていた局部も中に納めて、ジッパーをあげる。
「なんだお前なんなんだお前!」
こちらに向き直った三島さんは、猛然とぼくに食ってかかった。
「ここまで来てそこまでつれない態度はないだろう。ここで喰らいつかなくて、それでも男かエロ小説の主人公か!」
咳払いを一つ。
「そういうこというのなら……」
ぼくは、人差し指を、びっしっイっ! と三島さんに突きつけて、指摘した。
「こちらに寄せられた
コメントみてみなさい!
『最近年上が多いのですが、またロリ系書いてもらえないでしょうかー。 』
って、三島さん、あなた、タイトルに『ロリおねぇさん』と冠していながら、ロリキャラとして認識されていないってことじゃないですか!」
三島さんの顔は瞬時に蒼白になり、背景に歪んだレンダリングの「ガがーん!」とという、立体的なロゴが浮かび上がる。番外編だとこういうありがちかつイージーな心理描写も許される……らしい。
「貴女の場合、はっきり言って、体型だとか外見とかのスペックより、奇矯な言動のほうが印象大きいんですよ! これでは、エロというよりギャグです。お笑い系です。エロ小説のヒロイン失格ではないですか!
はっきりって、あなたには『萌え』が足りない!
このままでは色物キャラ街道まっしぐらではないですか!」
ここぞとばかり、ぼくはさらに追い打ちをかける。
「……イロモノ……わたし、イロモノ……」
よほどダメージが大きかったのか、茫然自失の態になった三島さんは、譫言のようにそういいながら、こちらに背を向けて、背中を丸めてうずくまり、床に人差し指でのの字を書き始める。
「……いいんだもん……ロリって設定年齢じゃないんだもん……どうみても中、高校生にしかみえないキャラがでてきても『本作品にでてくる登場人物は全て十八歳以上です』って断り書きが冒頭で出くるんだもん……」
落ち込んだ振りをして、反応する人が限られてくるような微妙なネタを振ってくる。
「いったい何の話をしているんですか!」
「児ポ法とメディ倫の無意味な規制の話し!『女子高生』は『女子校生』、『中学』ないし『高校』は『学園』というふうに、微妙に歪曲して表現しないといけないことになっているのが大人の事情というものよ!」
「そんなしょーもないネタで普段使用しない強調フォントを使わないでください!」
二人して向き合って、怒鳴りあう。我が事ながら、あまり有意義な議論であるとは思えない。
「……意外にテンション高いっすよねぇ、三島さん。出だしは同時進行しているもう
一つの連載と大して変わらないのに、キャスティングが違うだけでここまで別物になるとは……」
「……生徒たちに『みにら先生』と呼ばれ畏れ敬われておるのは伊達ではないわ……」
がるるるる。っと低くうなり声を上げてて、三島さんは威嚇するようにぼくを睨む。
……なるほど……。
「みしまゆりか」との語呂合わせもあるのだろうが、小さな怪獣、なのか……。
そうして三島さんと相対していると、どこからか現れた手がぼくと三島さんの元に小さな紙片を押しつけてきた。
その紙片に書かれた文字列に目を走らせたぼくと三島さんは、ちらり、とお互いの目をのぞき込み、軽く咳払いをして、この作品を今、読んでいるあなたの方向に向き直る。
「えー。ただいま入った情報によりますと、今回の更新分は収拾がつかなくなったので、通常の連載分には含まれない『脱線メタ番外編』として処理し、明日の更新分は、昨日の更新分からの直接的な続きとなるそうです。つまり、今回の更新分は、物語的にはなかったこと、ノー・カウントってことで。
いやー。生放送っていろいろありますねぇ」
いきなりにこやかになった三島さんが、読者であるあなたに向かってカンペに書かれていた内容を伝える。
ってか、「生放送」ってなに?
「それから、『ロリ希望』のコメントをくださった方。今やっている同時連載が終わった後、そのご希望に添いまして、ロリ系ヒロインの連載もってくるそうです。病弱系清楚娘と天然系元気娘が登場予定だそうです。学園物だそうですよ」
営業用の笑顔を浮かべたぼくも、後を続ける。語尾が「だそうです」の連続だけど、カンペの内容を伝えているだけだからしかたがない。
「学園物……また、うちの学校使うのかしら? 脇役使い廻しできるし、そうすると、ヒロインの年齢的にも確実に「ろぅ」のほう(
参照)になっちゃうわけだし。
病弱系清楚娘と天然系元気娘、ってことは、『
はい(♀)×ろぅ(♂)×ろぅ(♀)』みたいにダブルヒロイン? それとも今やっているみたいな、一日二回更新の同時進行連載?」
「同時進行連載なら、片方がシリアス系でもう片方がイロモノ系ですかねぇ?」
「イロモノいうなー!」
「このブログの中の人は、
『いやあ。言われてみればバランス崩れているな、最近。
どうせ次の作品詳細なんかぜんぜん詰めていなかったし、そういうご要望があるのなら、今度はそっち系いきましょか』
とかほざいています。
いい加減というか、行き当たりばったりですねぇ。
なんかご要望とかある方は、遠慮なくコメントとかつけていってみたほうがいいですよ。その場のノリと勢いだけで生きているようなところあるから、うちのブログの中の人」
「行き当たりばったり、っていうのは当たっているかも。
なんでも、一日二回更新だとすぐストックがなくなる、っていってた。今回の更新分も、昼休みにPDAにぱこぱこ打鍵して書いて間に合わせているとか……」
「だから今回、こんなにわやくちゃな内容なんか……。こんな事が何回も続くと、読者逃がすんじゃないかなぁ」
「こういうメタネタ、好きな人は好きだけど、駄目な人も多いもんねぇ……」
「……いや、いくら中の人が酔狂でも、こういうのはそうそう頻繁にはやらないとは思うけど……思いたいけど……」
「それでは今夜はこの辺で」
「ということで、明日の更新は、昨日の
(5)から直接続く(6)をお送りします」
「繰り返しますが、つまり今回の更新は、物語的には『なかったこと』として扱われる、と」
「それではみなさん。さようなら」
「また明晩、お目にかかりましょう」
[明日の*夜*に続く]
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