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2005-09

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はい(♀)×ろぅ(♂)×ろぅ(♀)」  完結記念アンケート 第一回結果報告

こちらに、
「はい(♀)×ろぅ(♂)×ろぅ(♀)」 完結記念アンケートの、
集計結果をご報告いたします。

 アンケートにご協力くださった方々に感謝を。

Q1.本作品の登場するキャラクターの中で、お気に入りの人物はいますか?(幾つでも)
 1.千鶴さん
   6票
 2.あんなちゃん
   6票
 3.雅史くん
   3票

Q2.ここ作品の中で一番の加害者は誰だと思いますか?(1つだけ選択)
 1.千鶴さん
   6票
 2.あんなちゃん
   3票
 3.雅史くん
   0票

Q3.ここ作品の中で一番の被害者は誰だと思いますか?(1つだけ選択)
 1.千鶴さん
   1票
 2.あんなちゃん
   4票
 3.雅史くん
   5票

Q4.この作品がシリーズ化されるとしたら、どのような形が望ましいと思いますか?(いくつでも)
 雅史くんとあんなちゃんが、いろいろなロケーションやシュチュエーションでやりまくる、一話完結式の連作短編集。
   8票
 千鶴さん、あんなちゃん、雅史くんがどろどろの三角関係を演じる、メロエロドラマ。
   4票
 千鶴さんの、意中の先輩を「手段を選ばず」籠絡するまでの奮戦記。
   2票
 突如帰国した雅史くんのお父さんが次々に養子縁組をして、雅史くんに十人の義理の姉と十二人の義理の妹ができちゃった! という設定のハーレムタイプのエロコメ。
   2票
 雅史くんの目前で突如現れた悪の秘密結社に殺害される千鶴さんとあんなちゃん。雅史くんは復讐を誓い、長く孤独な旅に出る。
   1票
 続編なんんかいらない。
   0票  

Q5.今後、「悪場所の小径」で扱って欲しいものをお答えください。(幾つでも)
 ロリ        4票
 女子高生      6票
 女子大生      6票
 ばぁにぃがーるだ! 2票
 メイドさん     6票
 ふたなり      1票
 人妻        6票
 こすぷれもん    2票
 女教師       6票
 女社長       2票
 近親相姦      3票
 レイプ       1票
 逆レイプ      1票
 ひたすら、らぶらぶ&いちゃいちゃ
           7票
 乱交        4票
 獣姦        0票
 触手        1票

以下、管理人の感想。

まず、総回答数についてですが、ご覧の通りの投票率で、アクセス数と比べるとあまり多くのご協力をえられることができなかったようです。が、「ネット上のエロ小説のレスポンス」ということを、現実的に考えてみると「こんなもんかな」という気もいたします。

とりあえず、もう一度、アンケートにお答えしてくださった方々に感謝を。

実は、この二~三日はほとんどお答えお答えをいただいていない状況なので、ぼちぼちアンケート・フォーム自体をとっぱらっちゃおうかな、とも思わないでもないですが、なにぶん、長い作品ですし、読破していない方もいるかもしれないので、あと数日は残してておきます。

ということで、「はい(♀)×ろぅ(♂)×ろぅ(♀)」 完結記念アンケートこれからでもお答えいただける方は、お早めにどうぞ。

今後、回答が得られた場合には、こまめに集計して公表したいと思います。



今は亡き友の妻 (7)

今は亡き友の妻 (7)

 たかだかスカートをまくり上げ、足を舐め回されたくらいで、響子はすでにぐったりとしている。
「……あの人は、良樹さんは、こんなこと……」
 たしかに、良樹のヤツはたしかにあまりアブノーマルな性向はないだろうし、正統的な、面白みのない性行為しかしなさそうだ。そこでふと気になり、
「響子さん。良樹以外の男とやったこと、ある?」
 と、尋ねてみる。
「そんなこと!」
 憤然として、半身を起こそうとした響子を、おれは手で制した。
「わかったわかった」
 どうやら、本当に良樹以外の男は経験していないらしい。文字通り、本物の「箱入り」であったわけだ。ひょっとしたら、婚前交渉をタブー視するような教育さえを受けたのかも知れない。今の日本にもこんな女を存続させる環境が生き残っていようとは、思いも知らなかった。
「それじゃあ、驚かせたり怒らせたりしたお礼に、と、……」
 おれは、破れたストッキングがかろうじてまとわりついているだけの響子の足の裏を、丹念に親指で押しはじめる。いかにも素人じみたマッサージだが、足の裏はツボが密集している場所なので、適当に様々な場所を片っ端から力を込めて押していくだけで、されているほうは結構気持ちよくなり、リラックスしていく。現に響子も、初めのうちは緊張してなにをするのか、と、おれのほうを伺っていたが、五分もしないうちにすっかり寛いで警戒心を解き、足下のおれの視線から自分の股間を守るのも忘れ、捲れ上がったスカートにも構わず、軽く足を開いて、下着も見えるままにしている。
 ……いや、おれ自身は、結構汗まみれになったんですけど……。
 響子の警戒心が薄れてくるのを見計らって、おれは、マッサージする場所を徐々に上に移していき、足が終わればふくらはぎ、ふくらはぎが終われば膝、股、と丹念にもみほぐしていく。揉む箇所が上に行くに従い、そのままの姿勢では揉みにくい場所があったので、響子の身体をソファの上に俯けに横たる。その頃には響子も、おれが姿勢を変えようとしても協力的になっており、唯々諾々と従うようになっており、おれは俯けにした響子の太股、尻、腰、などの肉を、時間をかけてほぐしていく。響子は時折、ほう、ほう、と、気持ちよさそうなため息をついていいたが、それは勿論性的な興奮によるものではなく、単純に、自分の身体の血行が良くなることを心地よく感じているだけだろ。
 今の時点では、それでいい。
「はい。そろそろ服が邪魔なんで、とっっぱらちゃいましょーねー」
「え? あ! だめ!」
 響子の制止も聞かず、おれは、すっかり油断していた響子のブラウスを、幾つかのボタンが弾けるのにも構わず脇の下まで力任せに引き上げ、剥き出しになった背中を探り、ブラのホックを、ペチン、と外す。響子は俯けになったままの姿勢で、くわえて、足の上におれがのっかている状態なので、まともな抵抗ができない。
 それでもじたばたともがこうとする響子の背中に手をつき、ぐい、と体重をかけて押さえつけ、おれは、響子の腰の回りにまとわりついていたスカートのジッパーをもう一方の手で探り、ジジジジジ、と、それを引き下げ、その邪魔な布きれも取っ払う。これで、響子は半裸になった背中を俯けにしたまま、おれに上にのっかかれ、身動きの取れない状態になったわけで、……うーん……警戒する割には、容易にこちらのいうことを信用しすぎ。これも、育ちがいいってことなのか?
 おれは身体の向きを変えて響子の細い腰にまたがる。身体を向きを変え……つまり、おれの股間のすぐ先に、破れたストッキングと下着に包まれたヒップがあり、その先にむっちりとした太股と形の良いおみ足がにょっきりと真っ白い地肌を露わにして伸びている。
 おれはこれから眼下にあるそいつらを、「とても気持ちよく」させてやつるもりだ。泣こうが喚こうが許しを乞うが、とことん、「とても気持ちよく」させてやるんだもんね。

 おれは、冨美子が撮影中のビデオに向けてVサインを作ると、いよいよ本格的に作業を開始した。


[つづき]
目次







「白人女性トップレス図鑑」

「白人女性トップレス図鑑」

内容は、
「世界のリゾートで、白人女性たちが当たり前に肌を露出しています。裸の女性はこんなにも素晴らしい。 」
という管理人さんの紹介文でほぼ言い尽くされていると思う。
特に付け加えることもないけど、こういう自然体の素朴なエロスというのは、WEB上では実は貴重なんじゃないかと思う今日この頃。

わざとらしいのばっか氾濫しているからなぁ……。

今は亡き友の妻 (6)

今は亡き友の妻 (6)

 傍らに座る富美子から、正面に座っている響子に向き直ると、響子は少しぎょっとした顔をして、心持ち体を硬直させた。今のおれの気分を忠実に反映させているのなら、今のおれ顔はかなり凶暴な表情を形作っているに相違ないのだ。
「そうですか、響子さん」
 その凶暴な気分を隠そうとしないまま、おれは馬鹿丁寧な芝居がかった口調で語りかける。
「そんなにおれに性行為やってほしいのですか、貴女は。それではお言葉に甘えさせて頂きまして、これより貴方をおいしくいただくことにいたしましょう」
 言い終えるや否や、おれはテーブルを一足に飛び越え、響子のスカートを盛大にまくり上げる!
 が、警戒していた響子の動きもそれなりに早かったので、間一髪、響子の両手は、スカートの上から股間の部分を押さえつけ、かろうじて、下着を露わにすることを防ぐことに成功していた。
 とはいえ、ストッキングに包まれたいい形のおみ足は、つま先から太股の根本までばっちり晒されているわけで、見方によってはなにも着ていないよりもかえって扇情的な光景かも知れない。
「小学生か、お前は!」
 背後から富美子のつっこみが入る。
「うるせぇ!」と怒鳴りつけてやりたい衝動をぐっとこらえ、肩越しにビデオカメラのレンズを覗き込み、にやり、いや、にたり、と笑って、
「どう? いい画、撮れてる?」
 と、確認してやった。どうか「凶暴な笑み」、に撮れていますように、と、祈りながら。
「ああ。響子さん響子さん。人をけしかけておいて、抵抗をするのは、いただけませんねぇ。言行不一致というやつです」
 おれは、例によってわざとらしい猫撫声をつくって響子に語りかける。
「大事なところをしっかりと押さえたままでは、これから響子さんと同衾も合体もすることができないではないですか。ささ。その手を除けてくれませんか?」
「や。あ、あの……」
 響子はしどろもどろになりながら、それでも、必死に答弁に務めようとしていた。
「そ、それとこれとは話が別です! あの、わたし、普通の羞恥心まで捨てるつもりはありません!」
 上等。そうでなくては、こちらも面白くない。
「それでは、このままの状態でも出来るところから、はじめさせていただきます」
 慇懃にいって、おれは、剥き出しになった響子のストッキングに覆われた太股に手をあてる。
 おれの手が肌に触れた途端、響子は「ひっ!」と小さな悲鳴をあげた。
 指先や掌を、接触するかしないか、というほど軽く当てて、しばらく、響子の太股の感覚をストッキング越しに楽しみながら、撫でさする。響子は自分の股間部を両手で押さえながら眉間に皺を寄せていたが、それは別に快感を堪えているわけではなく、ただ単に、持ち前の奥ゆかしさから、嫌悪感や屈辱感などの不快な感情を表面に出さないように努めた結果、なのであろう。
 もちろん、そんなケチな試みは、ぜんぜん成功してはいなかったが。

 響子がおれの行為に悪感情をもっていることを確認してから、おれは、じゃまなテーブルを脇にどかし、改めて、響子の正面に跪く。そして、スカートが腰まで捲り上がって露出したままの響子の形のいい両脚を、下方から改めて眺める。響子の足は決して太いほうではなく、それどころか、股のあたりのむっちりとした肉のつき具合と足首の細さの対照がひどく印象的で、一言でいえば、均整が取れていた。色も、ストッキング越しにでも確認できるほどに、白い。
 響子の踝をしばらく撫でさすり、それから足を両手で包み込み、そっと持ち上げる。そして、軽く、足の甲から踝にかけて、丁寧に何度も、接吻をする。
「え?」
 性的な経験が豊富なわけではないはずの響子にしてみれば、こんなことをされたの初めてのはずで、そもそもこうしたフェティシズムに関する感性や知識を持っているとも思えない。だから、おれの行為も当然理解不能なはずで、自分の足になにをされているのか判断もできず、意味もわからず、当惑しきっているのだろう。
 そんな響子に構わず、おれは自分の行為をさらにエスカレートさせ、ストッキングに包まれたままの響子の足の指を口に含み、音をたてて盛大に舌でなぶりはじめた。親指からはじめて、順々に、一本づつ指を舐めあげていく。当然、指と指の間も忘れずに、隙間なく、舐めまわす。
「先輩! それ、くすぐったい! だめ! そんなところ! 汚い!」
 声だけで響子は抵抗したが、おれが執拗に舐め続けていると、くすぐったい感覚が徐々に別の感覚に転化していったのか、制止する声も次第に少なくなり、代わりに荒い呼吸音に変わっていく。

 しばらくして、おれの涎でべとべとになったストッキングを乱暴に引き裂く頃には、響子は抵抗する意志を見せないようになっていた。


[つづき]
目次









Tattoo Girl

http://rubberdollies.com/hg/w02vt/

女の子は、まあまあ可愛いんじゃないでしょうか?
あれだな、パイパンで無修正でも、それ以上に見事な刺青とかコケティッシュなファッションのほうに目がいっちゃいますな、この写真。

演出萌え。

今は亡き友の妻 (5)

今は亡き友の妻 (5)

 とりあえず、おれは、気をおちつかせるために目の前においてある冷めかけた紅茶を飲み干す。なんだか騙されいるんだか化かされているんだか、みたいな落ち着かない気分を依然として感じていた。そして、飲み干した紅茶の入っていたカップにふと目を落として、気づく。
 って、さりげなくマイセンなんて使ってんじゃねーよ! ……これだから金持ちってやつは……。
「なにためらっているのよ、この期に及んで」
 公然と夫に浮気を勧める妻、というのも結構レアな存在だと思うのだが如何なものか。
「あのなぁ……」
 おれは抵抗を試みた。
「そういうことは、今すぐここでハイそうですか、ってやるれもんでもなかろうと。第一なんだ、おれが、おれたちがやっているところ、全部観察するつもりなのか、お前」
「うん」
 富美子の返答を聞いて、おれの顎が、かくん、と開きっぱなしになる。
「観察する。っていうか、撮る。全部。それが条件だったから」
 とかいって、それまでおれの視界から見えなかったソファーの裏に回り、ごそごそとハンディカムのビデオカメラを取り出す。小型軽量で女性にも簡単に扱えリアルタイムでHDにもDVDにも録画できる、高性能な最新型だった。
「撮りながらやるのって初めてでしょ。あれ、ハメ撮りってやつ?」
 いやだから、自分の夫に公然とハメ撮りを勧める妻、という奴も如何なものか?
 クラクラっ、と、軽く、精神的な目眩に襲われたおれは、こめかみを押さえながら、
「……そんなに、おれにやらせたいのか……」
 低く、うめく。
「やってやってやっちゃって」
 富美子は軽く言い放ち、ビデオカメラのレンズをおれに向ける。
「よかたわねぇ。わたし公認で、こんな可愛い子とハメ撮りできて」
 ……なんか、非常に馬鹿馬鹿しく、かつ、腹立たしい気分になってきた……。
 なんのことはない。おれの主体性とか意志とか意向とかは、最初から無視したところで、お膳立てが整えられているのだ。これでは、おれの人格がまるっきり軽視されているのと同じことではないか。
 おれは徐々に凶暴な気分が高まってくるのを自覚したが、一応、それを抑えるために深々と深呼吸する。

 そうか。
 お前らがそういうつもりなら、こっちにも考えがある。

 深呼吸し、気分を落ち着けて、改めて決意した。


[つづき]
目次





今は亡き友の妻 (4)

今は亡き友の妻 (4)

「たったの九十七日なんですよ」
 少し前の思い出に浸りはじめたおれをよそに、響子はしゃべりはじめる。
「あの人が、この家に泊まったの。いつも仕事仕事で、あちこち飛び回ってて。そういう人だとはわかっていましたけれど、でも、わたし、いつも待っていたんです。待ちながら、この広い家を隅から隅までお掃除して、お洗濯して。お食事も、いつ急に帰ってきてもいいように、少し余分におかずを作って、それが痛む前に自分で食べて……。
 そんな生活を、何年も続けて、そうしたらある日、突然、あの人が事故にあった、っていう電話が来て……なんか、いまだに全然実感が湧かなくて、今夜にも何気ない顔をしてあの人が『ただいま』って帰ってくるんじゃないかという気がして、習慣だからやっぱりいまだにおかずは余分に作っていて、自分でそれを食べて、そういう生活を続けていたら、フミ先輩がそいうのは良くないって……。
 ええ。いいんですよもう。あの人はどこにもいないんですから。誰に抱かれても。先輩も、まるっきり知らない人でもないし、嫌いな人でもないですし。あの人以外の男には、そんなに差はありませんし、誰かに抱かれるとしたら、先輩で悪い理由はどこにもありませんし……」
 響子は、おれのことは「先輩」、冨美子のことは「フミ先輩」と呼ぶ。
 長々とした響子の独白を聞いていたおれは、一旦手で響子の言葉をさえぎり、一服していいかと確認した後、煙草と携帯用の灰皿を取り出し、火をつけて、深々と紫煙を吸い込み、天井にはき出した。響子も良樹も煙草を吸わなかったので、この家庭に灰皿はない。
 横目で冨美子を一瞥し、少し強い調子で、
「こういうことか」
 と、短く問いただした。
「だから最初にいったじゃない。こういう引きこもり方を続けているのは、良くないって」
 冨美子は、答える。
 その点に関しては、同感。

 つまり、響子の中では、良樹は、まだ完全に死んでいないのだ。

「協力してくれるでしょ?」
 冨美子の問いは、形だけのもので、ほとんど命令に近い。自慢ではないが、おれが冨美子のいうことに逆うことができなのは、数えるほどしかない。おれたちカップルの間には、頭脳労働は冨美子、肉体労働はおれ、考えるのは冨美子、それを実行に移すのおれ、という不名誉かつ理不尽かる明確な分業体制が、いつしか強固に築かれていた。ほとんど習慣、というか、すっかり尻に敷かれている、というか……。
 なぜセックスなのか、と、聞き返せば、
「男は良樹だけではない、ってことを分からせる、一番手っ取り早い方法でしょ」
 ……うむむ。
「頭で納得できないのなら、身体に分からせるしかないの。良樹はいい人だったけど、もうどこにもいないわけだし、さして好きではない男でも、抱かれれば感じることもあるし、昔の思い出におぼれて暮らし続けるよりも面白いことは、世の中にはまだまだいっぱいあるし……。
 それとも、響子をいかせる自信、ない?」
 冨美子は、実にわざとらしくおれを挑発してみせる。
「……そういやあんた、最近なに気に勃ちが悪いもんね……」
 わざわざこの場でそういうことバラすかな、普通。


[つづく]
目次










今は亡き友の妻 (3)

今は亡き友の妻 (3)

 響子の実家は、実は相当な資産家である。恵まれた容姿をもっていることとあいまって、大学に入学してきたのとほぼ同時に、男女問わず、数多くの目次を集める存在だった。陶然、目をつけた男たちは多かったが、結果として、良樹という唯一の例外を除けば、見事なまでに誰も相手にされなかった。かくいうおれ自身も、知り合った時に即モーションをかけて、そのまま「相手にされなかった」くちの一人なわけだが。で、響子と良樹がつきあい始めた当時、周囲の連中は「なんであんなカバトット(とかいうキャラクターがいたんだそうだ。おれたちが生まれるかなり前に。アニメだかマンガだかまでは知らない)が」あるいは「ムーミンが」などと公然あるいは非公然に言い立てたものだった。
 当時の良樹を知る人間のほとんどが、やつのことを外観だけから判断して、半ば公然と蔑視していて、良樹のほうもそのことにまるで頓着せず、平然と受け流していた。たしかに丸っこい体型で動作に機敏さを欠く良樹は、共通の知り合いのからかいの対象になりやすかった。とはいえ、それが陰湿ないじめというかたちで収束するところまではいかなかったが。今にして思えば、これは別に、良樹を蔑視した連中が道徳的な規範を逸脱しなかった、というわけでもなく、大学生にもなれば、各自それぞれに生活や興味というものがあったので、直接的な利害関係のない他人には、あまり構っていられなかった、というだけの話だと思うが。実際、同性異性を問わず、良樹のことを公然と「論外」宣言した連中を、おれは何人も目の当たりにしている。
 そんな中で、良樹を普通の友人として扱ったのが、気がついてみればほとんどおれだけ、みたいな状況になっていた。少し遅れて、おれ経由で富美子も、さらに遅れて、二期後に入ってきた響子、も、その仲間に入る。
 で、その注目の的であった「高嶺の花」の響子と、まったくノーチュエック、という両極端な存在である良樹とが、知り合うと同時にくっついちまったんで、当然、無責任で無関係な連中がが騒ぐ騒ぐ。おれだって自分が軽薄で雰囲気に流されやすいことは自覚しているが、その軽薄極まりないおれからみたってかなり醜悪にみえたもんだ。だって、そのとき騒いだ連中というのは、多くは日頃から良樹を公然と馬鹿にしていた連中とほとんど重なる訳でねぇ。
 少し前からに付き合い富美子とおれは、良樹の為人を知っていた少数の例外ってやつで、
「一流は一流を知るって、本当ね」
 などとよく言い合っていたもんだ。
 おれたちは、良樹が高校時代からバイトでこつこつとためた資金を株で増やしていること、さらにそこで得た資本を元手に起業をもくろんでいること、そのための情報収集や人脈作りなど、かなり周到で計画的な準備もしていることをよく知っていたから。良樹という男は、これと決めた目標に向かって使う努力や労力を出し惜しみしないヤツだった。それに、見かけとは違い、知性も行動力も判断力も、それに、たぶん、運にも、恵まれていた。
 おれは良樹とよくつるんでいた関係で、そうしたヤツの頭の良さ、性格の良さ、懐の深さなどを知る機会が多かった。おれほどではないにせよ、富美子も比較的身近な場所にいて、良樹の実態に触れる機会が多かった。おれにはなにもいわないが、たぶん、響子が現れる前までは、冨美子は良樹にモーションをかけていたのではないか、と、思っている。もちろん、おれの知らないところで、だ。
 そしてたぶん、おれが響子にまるで相手にされなかったのと同様に、富美子のほうも良樹に相手にされなかったのだと、思う。
 富美子は、男をみる目は確かだし、将来の有望株をみすみす見逃す性格でもない。ただ、妙に諦めと割り切りがいいのもおれと同じで、少し試してみて脈なし、と判断したら、それ以後の時点ではきっぱりと諦めたのではないのだろうか?
 その辺の「諦めの良さ」の有無が、おれと良樹の、あるいは、富美子と響子との、大きな差、だったのだろう、と、今にして、思う。器量、というべきか。
 あれだ、「自分で自分の領分を適当に設定し、そこからはみ出さないように、生きる」という小市民的な価値観において、おれと富美子は、とてもよく似ている。普段、日常に生活する分にはそれで十分だとは思うのだが、良樹とか響子みたいな「破格」な存在を身近に知っていると、我が身のセコさや慎ましさに自己嫌悪じみた思いも感じないわけでもないのだが……。

 で、良樹は計画通り、在学中に自己資金で起業し、在学中の後半は、特許学業そっちのけで特許使用料だとかパテントだかの確保のために世界中を飛び回たり、これと目をつけた町工場を回ったり、具体的な商品化及び流通のラインを確保したり、で、それはもうもの凄い勢いで着実にそれまで練ってきた構想を実現化していった。結果、良樹の会社は、おれたちがなんとか卒業する頃にはそこそこ注目される新興企業になっていて、卒業後、良樹が事業に専念するようになると、またもやもの凄い勢いで規模と関連部門を増していき、いわゆるコングロマリットへの道を踏み出しつつあった。
 というところで、あっさりと良樹が事故死。

 それもなんだ、子猫だか子供だかお年寄りだか、とにかく道路に飛び出した「なにか」を助けようとした結果の事故であった、という「伝説」つき。真偽のほどは知らない。知りたくもない。ヤツらしいとは思うけど。たぶん、ヤツの性格を知っているヤツの会社のやつらが、願望半分に無意識にでっち上げた「伝説」だとは思うけど……。
 ヤツの突然の訃報を聞いてからそろそろ一年になるんだが、おれにしてみれば、当事も今も悲しみよりも怒りのほうが先にたつ。

『こんな可愛い嫁さん遺して勝手にくたばってんじゃねぇよ!』

 というあたりが、結構おれの本音だったりする。
 で、その、良樹の遺した可愛い嫁さん、が、おれの目の前にいて、おれ自身の嫁さんのいうことを信じるなら、おれに抱かれたがっているンだと。
 以上、要領を得ない上、長々と状況説明、ご拝聴どうも。

 あれだな。
 シリアスに受け止めるよりは、罠か詐欺かドッキリか、とか思うよな、この状況。


[つづき]
目次








今は亡き友の妻 (2)

今は亡き友の妻 (2)

「そういわれて、ハイそうですか、ってやれるわけないだろう。
 しかも、お前の目の前で」
 とりあえず、おれは富美子にいう。面白味はないかもしれないが、妥当。とりあえず、常識的な返答では、あるだろう。
「そういうのもわかるけどね、響子、もう一年もなんにもしてないのよ。男と。このままなら一生ね。たぶん。そんなのもったいないでしょう。この子、まだまだ若いのに」
 おれの隣に座っていた富美子が、おれに顔を向けて、そういう。富美子は響子のことを「この子」などといったが、同じ大学に同時期に在学していたのだから、年齢的にはさほど差はない。せいぜい、「先輩、後輩」程度の違いがあるだけだが、たしかに響子には、これも育ちの良さ故か、どこかおっとりとした雰囲気があり、前にも言ったとおり、年齢よりもずっと若く見える。
 冨美子が響子のことを「この子」と呼び、なにかと世話を焼きたくなる気持ちも、確かに、分からなくはないのだ……。

 しかしおれは、富美子と響子との間にどのような取り決めや話し合いがあったのか、知らない。知らされていない。ただ、良樹が亡くなってからも、以前から親交のあった富美子と響子が、メールや電話で普段からなにかと連絡をとりあっていることは、知っていた。あれだ、女同士のネットワークとか連携とかいうやつだ。そこに割り込んで行くほど、おれは野暮でも無粋でもないつもりだったので、放置していたわけだが……。
 半ば呆れているおれにはかまわず、富美子は、この一年ほど、つまり、良樹が事故死して以来、響子が家からほとんど出ていないこと。このまま世間と没交渉のまま残りの人生を過ごすのも悪くはないな、と思い始めていること。良樹の遺した財産を使えば、まだまだ何十年もなにもしなくても暮らしていけること(これはかなり控えめな言い方だと思う。響子は不動産や現金のほかに、良樹の起こした会社の株をかなり相続しており、その良樹の会社は未だに衰えない勢いで膨張し続けている優良企業だ。女一人で食いつぶすほうが、どちらかというと難しい)。実家や良樹の家からは、そのような響子の状態を良くは思われていないこと。
 ……などなど、おれたちにとっては先刻承知の、わかりきった事情を立て続けにしゃべりたおす。いやはや、何度か目の当たりにしているが、このようなときの富美子の「しゃべり」は、なまじ顔の造作が整っているだけに、一種異様な迫力がある。富美子の勤め先で、営業成績全国ナンバーワンの成績を長期間キープしていられるのも、この迫力があればこそ、なのだろう。
「そういうのって、不健康で非建設的だと思わない? それに、。。。」
 と、ここで、富美子はわざとらしく一拍、間を置いて、
「響子、良樹しか知らないんだって」
 と、とどめを刺すように、いった。
 ……オーケィ。お前は一流のセールス・レディだよ、富美子、と、内心で思いつつ、改めて、向かい側に座っている響子の様子を確かめる。もちろん、富美子の長々としたセールス・トークの間にも、ちらりほらりとさりげなく伺ってはいたのだが、今度はことさら「みている」ということを強調するように、顔の向きもかえ、正面から富美子の顔を見据える。
 少なくとも響子は、おれや、富美子の提案を厭がっている様子ではなかった。まあ、おっとりしている分、つかみどころがない、表情の読みにくい娘ではあるんだが。


[つづき]
目次








今は亡き友の妻 (1)

今は亡き友の妻 (1)

「だから、響子を抱いてやって、って」
 もちろん、聞き返したのは、冨美子の言葉が聞こえなかったからではない。自分の女房から目の前にいる女を抱け、とけしかけられれば、誰だってなにかの間違いではないのか、と思うだろう。
 冨美子と籍をいれてからそろそろ十年になるが、それ以前のつきあいと合わせて考えても、結構いい関係を保ててきたと思っている。それだけ長い間続いている関係であるわけだから、なにかの弾みや間違いで浮気をしたことがない、などという綺麗事をいまさら言い立てるわけでもないが、それにしたって節度と重んじて大事にならない内に、つまり、冨美子にばれないうちにほどほどの処で深入りせずに引き返してきたつもりである。そうした事情は、冨美子にしてもたいして変わらないはずで、冨美子は、これはひいき目などではなく、十分に、異性の目を引きつけるに足る魅力的を持った女性だった。冨美子が口説かれたり誘惑される機会はかなり頻繁にあったはずだし、それをどうあしらったかまでは一々詮索をしたことはないが、少なくともおれとの関係を壊すところまで填った相手はいなかった、ということなのだろう。
 おれの火遊びを一々冨美子に報告していないのと同様、知らないところで冨美子がどんな遊びをしているかは知らないし、詮索するつもりもないが、それでもお互いに対する愛情、もしくは現在の関係を保持しようとする意志については疑うまでもないほど強固なはずで、つまりおれと冨美子という夫婦は、世間一般的にみればかなり安定した関係の、仲の良い夫婦、なはずだった。

 で、おれはいま、その仲の良い妻から、共通の知人でもある、魅力的な女性を抱け、とけしかけられて、困惑している所、なわけなのである。

 まさか、その相手が冨美子とはタイプが違うがものすげぇ美人で機会があれば是非お手合わせを願いたいタイプであるにせよ、だからといってまさか、「はいそうですか」といって即座に自分の女房の目の前で押し倒すわけにもいかんんだろう。
 それに、冨美子の手前ということとは別に、躊躇すべき理由があった。
 その、目の前の魅力的な女性は、おれと冨美子との共通の知人、というより、冨美子と同じくらい古いつきあいの友人で、彼女の夫ともおれたちは知り合いだった。全員、同じ大学の同じサークルに在籍していたわけで、平たくいえば、十年来の友人、ということになる。彼女の夫である良樹がこの場にいれば、「おう。それではこれからみんなでスワッピングでもするか」とかいいそうなシュチュエーションなわけだが(良樹は、その体脂肪の含有率が多い丸っこい体型から想像つかないほど豪快な性格で、実に話しのわかるヤツだった)、その良樹もこの場にはいないので、かなり後ろめたい気分になる。

 まあ、良樹は、「この場にいない」どころではなく、「この世にいない」、つまり故人なわけだが。

 さて、問題です。
 ほぼ一年前に事故死した友人(良樹。早死にしたのが惜しまれる、実にいいヤツだった)の、美人の未亡人(響子。大学のサークルでいっしょだった後輩。清楚なタイプで、実年齢より五歳から十歳も若く見える)を、自分の女房(冨美子。今更褒めるのもなんだが、美人)に、「抱け」とけしかけられたおれは、いったいどういう態度をとるのが適切なもんかね?


[続き]
目次







今は亡き友の妻 【目次】

「ろしあんる~れっと」シリーズ

ゆうちゃん編 (スパッツ炉)
みなみちゃん編 (スク水炉)

ヤヴァイよこれ。
いや、動画ファイルナビゲータさんとこの「ニュース」欄で知ったんだけどさ。
ロリですアニメ絵ですモザイク薄いです性器の形状モロわかりです動きがヘンにリアルです。

マンガ風にディフォルメされた部分とリアルな部分のギャップが、かえって倒錯的な気分を増長させているんじゃないでしょうか?

たぶん、同人関係のサークルかなにかが無償で公開しているものと思われ。

基本的にわたしは、実在の未成年モデルの人権を保護しようとするのは理解できるけど、今なにかと話題の「児童ポルノ法」とかでフィクションの領域まで過度に締め付けをきつくしようとする動きには反対の立場だけど、こういうの見せられちゃうと、たしかに、規制に賛成したくなるヤツラの気持ちも多少はわかる……ような、気がする。
いや、「気がする」だけで、実は分からんけどな。

とにかく、そんくらい、「ヤヴァイ」です、これ。





晩秋

 老いた指でまさぐった少女の腿の内側は、あくまでもやわらかだった。
 健康的につややかにひかる膝頭に、丁寧に、なぶるように舌を這わせる。同時に、間接だけがやけに目立つ、筋張った枯れ枝のような指を色鮮やかな処女の秘処にのばす。
 少女のもっとも重要な箇所を、直接舌で味わうつもりはなかった。
 男性が役に立たなくなってから、もう随分になる。生理的要求というよりフェティシズム、それに、亡くしてしまってからひさしい若さへの執着から、かも知れない。
 性器の、性器への挿入。それに射精というカタルシスを失った代償として、わたしは若い……というより、幼いピンクの肌への執拗な執着を覚えた。
 老醜と笑いたいのなら、好きなだけ笑うがいい。わたしはたしかに老いぼれだが、自分の年齢の重ね方にはそれなりの自身と自負をもっている。そこいらの若さだけが取り柄の連中がなにをわめこうが、さして気にはしない。
 年をとるということは顔面の皮膚が厚くなるということでもあり、多少の誹謗中傷くらいでは傷つかなくなるということでもある。世間との関わりが次第に薄くなっていく、というのは、ひょっとしたら年寄りの唯一の美点なのかも知れない。
 舌で感じる少女の肌は適度な弾性があり、かつ、滑らかだった膝頭の周辺部から中心に向かってゆっくりとらせんを描くように舌の尖端を這わせていく。舌のはった痕がわたしの唾液でてらてらと光を反射しており、その反射はちいさい肉色の膝の上で指紋状の文様を形作っていた。
 渦巻き模様を中心までかき上げ、いったん舌を放す。そして、右手でそおっと足首をつかみ、持ち上げ、左の掌の上にかわいい足をのせる。じっくりと汗ばんだ足の裏の感触が心地よい。
 ……なんとちいさな足だろう。
 感嘆しつつ、肉の薄いふくらはぎの感触を楽しみながら、右手で靴下を刷り降ろしていく。光沢をおびた、健康的な色合いの脛があらわになる。骨張った直接的なラインは、とても優美に感じられた。まだ、余分な脂肪がつく年頃ではないのだ。
 くるぶしに、ついで足の親指と人差し指の間に、そっと口づけをする。その瞬間、かぎつけた若々しい汗の臭いに、わたしは年甲斐もなく動悸をはやめた。
 ついで、ちいさな足の指を、小指から順にしゃぶり、清めていく。わたしの口のなかで、かわいい指がくすぐったさに耐えかね、細かく震え出す。わたしはかまわず舌の先で、あるいは舌の中程の平らなぶぶんで、ときに繊細に大胆に、足の指やその間をねぶりつづける。すべすべのピンクの肌が、唾液に濡れ光っていく。
 次に、両手でやさしく足の親指と小指の根本を押さえ、踵から踝にかけての骨ばった部分に強弱の差をつけ、わざと音をたてて接吻の雨を降らせる。
 続いて、ふくらはぎをゆっくりとした動作で愛撫しながら、踝から脛にかけての部分に、下から上にかけて幾つか接吻をし、膝から上の部分は、内股の柔らかい肉の感触を楽しみつつ、口唇と舌全体を這わすようにして、やさしくなぶっていく。
 このあたりから少女の下半身が小刻みに震え出すのだが、それは決してくすぐったさのためではなかった。
 私は少女の膝と膝の間に頭をいれ、腿の内側の肉を、時間をかけて舐め回した。
 余り知られていない事実だが、人間の舌というのは、非常に多くの神経が集中する繊細な器官なのだ。このちっぽけな部分に、下半身全体に張り巡らされている神経とほぼ同じだけの神経が詰まっている。
 だから、もし君のパートナーを本当に悦ばせたいのなら、上手な腰の振り方などよりも、上手なキスの仕方を練習したほうが良い。──理屈では、そうなる。
 それはともかく。
 わたしの執拗な愛撫に少女の未開発な身体が応えはじめていた。
 大腿部と、それに平坦な胸部とが朱に染まり、ちいさな水滴がいくつもうかびあがる。それらが光を反射するさまは、肌一面にばらまいた真珠を連想させた。
 可愛い抗議のうめき声にもかまわず、不意をついて少女の股間から顔を話し、細い肢体を、つくずくと、みる。
 手足はあくまで細く、華奢であり、全体にやせていて余分な脂肪はほとんどついていない。胸には肋骨が浮いてみえるほどで、股間を確かめなければ、同じ年頃の男の子と見分けることができなかっただろう。ようするに、まだまだ体型は幼児のそれなのだ。
 それでも性欲はあるし、やり方によっては、そんな幼い身体から快感を引き出すこともできる。
 大切なのは、あせらず、やさしく丁寧に扱うこと、である。
 その事実を実証するために、わたしはそっと彼女のへそにキスをし、そのまわりに舌の先端で円をえがく。それから脇の下に手を入れて上半身を浮かせ、彼女の脊椎沿いに、つつつ、中指をすべらせる。
 あっ、というかれんな声とともに、ぴくん、と、小さな体躯がはねあがった。
 片手で頚の後ろをやさしくささえ、視線を、こころなしか潤みはじめたつぶらな瞳に据えたままで、もう片方の手の中指を口唇におき、身体の中心をなぞるように指先をすべらせていく。口唇から顎、顎から喉、喉から胸の中央を通り、やわらかな腹部へ、そして、その下へ。
 が、一番大事な部分にいたるま寸前で指をとめ、かわりにピンクに染まった耳の下の部分に口唇をあてる。
 かぐわしい吐息を頬に感じながら、いまにも折れそうなほどに細い首から鎖骨にかけて、口唇を這わせる。
 耳元に、長く切ないため息が吹きかけられるのを感じた。
 いつの間にか、少女はわたしの大腿部の上に足を揃えて座っていた。その裸の背中と腿の部分をわたしの両手がそっと支えている。
 わたしは鼻面を脇の下につっこみ、思う存分酸味を含んだ若い体臭を楽しんだ。それから鼻歌を歌いながら、鼻債をあばらにこすりつけるようにして顔を下にもっていき、細いウエストの側面に何度か音をたててキスをする。
 そのわたしのうなじに、ちいいさな掌がふたつ、そっと置かれるのが感じられた。
 片手を少女の腿の下にさしこみ、少女の身体をもちあげる──それにしても、なんと軽いのだろう──と、同時に、背をまるめてとがり気味の鎖骨に口づけをする。
 少女は、わたしの腿に乗りながら両手でわたしの頭を抱えている。そして、わたしの頭髪をかき分けて、頭皮にちいさな口唇をおしつけた。
 ふたたび少女の身体をベッドの上におき、今度はうつぶせに寝かせる。
 やわらかな足の裏を充分にまさぐり、ふくらはぎを軽く撫でたあと、太腿の側面に指を這わせつつ、臀部の膨らみに顔をおしつけ、筋肉質の硬質な感触を愉しむ。
 尾てい骨のあるあたりを、少々強めに音をたてて吸う。それから掌で、背中全体をゆっくりと撫でるように愛撫した。続いて肩胛骨のあたりに何度となく接吻し、顔を、あまりにも細いうなじへともっていく。
 そして後ろからそっと、彼女の耳たぶを噛む。
 ここで、少女の身体を抱きとめながら、少し休憩する。
 こういうときに、行為を焦ってはいけない。彼女は、こうした行為は今回が初めてだというし、かくいうわたしだって、過激な運動は控えるように、と医者からきつく諫められている身だ。
 それに、こういったことはがむしゃらに攻めるばかりが能でもあるまい。エクスタシーの感じ方も男性と女性とでは随分様子が違う。そうだ。わたしは一度も女性になった経験がないので、真偽のほどまでは保証できかねるが、それでも性的に不能になったおかげで、ゆるやかな上昇と下降の意味が、以前よりは想像しやすくなったのは、事実だ。
 本当はこういうタイミングでやさしく語りかけ、緊張をほぐしたり雰囲気を盛り上げたりすると、かなり効果があるのだが、彼女との事前の取り決めで、行為の最中はどちらも口をきかない、ということになっていたので、二人とも押し黙ったままである。
「あくまで、肉体的な接触のみで、彼女を絶頂に導く」というのが、二人の間で交わされた、今回の基本ルールだった。
 彼女の高揚は、休憩により幾分静まったように見受けられた。──そうみてとっったわたしは、いよいよ最後の仕上げにかかる。
 背骨に沿っていくつもの接吻を送りながら、左手を身体の下に差し込むようにして、平坦な胸の乳首の周囲に微妙な刺激を与え続ける。左手は股の間にさしいれ、秘処と肛門との間のごくごく限られた部分を、すべての指を駆使して揉みほぐす。
 数分、そうした行為を、執拗に、細心の注意を払って休むことなく続けると、口唇越しに、彼女の鼓動が早くなっていくのが確認できた。彼女の身体が小刻みに震えだし、その振幅は次第に大きくなっていく。しまいには、けいれんするかのように、ピクン、ピクン、と背を反らせる、頭を跳ね上げるようになる。
 呼吸はすでに荒く、吐息の中に、あっ、あっ、という甘い喘ぎが混入する割合が多くなる。
 顔を腰の後ろ辺りにもっていき、やさしい接吻の雨を音を立てて降らせながら、右手の動きをさらに大胆なものにする。
 指全体とそれに掌もつかって、太ももの付け根とお尻、それに肛門と秘処のあいだの微妙な箇所に、荒っぽいぐらいの大胆な動作で刺激を与えていく。
 ただし、秘処そのものには、けっして触れない。これは、彼女との間で取り決めたルールではなく、わたしが自身に課したルールだ。経験値に絶対的な格差があるのだから、この程度のハンデを設けるのが妥当なところだと思う。
 少女の背中が、身体全体が、みるみるうちに朱に染まる。
 両耳も、うなじも、上腕部も、背中も、腰も、お尻も、太股も、膝の後ろも、ふくらはぎも、足の裏も、目に見える部分全てが、朱に染まる。
 あっ、あっ、という甘い喘ぎはもはや、頻繁、を通り越して途切れることなく続いている。
 それに、ピクン、ピクン、と背を反らせ頭を跳ね上げる回数も、かなり増えた。ときおり、そうして背を反らせたまま、震えつつ、なにかにじっと耐えるように姿勢を保っていることも、ままある。
 彼女の腰は所在なげに動くようになっていた。腰だけではなく、下半身全体がまるで目に見えないなにかから逃れようとしているかのように、うねうねと蠢く。
 足を開いたり閉じたり、お尻を持ち上げて腰を浮かせたかと思えば、次の瞬間にはベッドのシーツに自分の腰を押しつけて沈み込ませている。膝を折り曲げて脛を浮かせたり、あるいは足全体をピンと一直線にのばしてしばらく動かなくなったりと、と、みていて忙しないことといったらない。
 それでもわたしは、愛撫する手指を休ませなかった。淡々と、しかし、今まで蓄積してきた経験と知識、それに愛情を込めて、それら全てを注ぎ込むように、執拗に、彼女に刺激を与え続ける。
 例によって口唇と下とでやさしく背骨をたどりながら、顔を少女の頭のほうへと運んでいく。彼女の様子からピークが間近になったことは予測できていた。
 ……それにしても、彼女の火照った背中は、とても好い香りがする。
 熱いうなじと耳の下、それに耳の感触をひとしきり舌で愉しんだ後、頬に接吻をする。それから、顎の曲線を口唇でたどり、彼女の口を開け、おもむろに中に舌を突き入れる。掻き回す。
 そこから先は、企業秘密だ。わたし自身、体得するまでにかなりの苦労を強いられた技術だし、そう易々と他人にお教えするわけにはいけない。
 ともかく、その門外不出のわたしの舌技によって、彼女は無事絶頂を迎えることができた。彼女の閉じた目尻には涙が浮かび、か細い腕はこの老いぼれの頚をきつくかき抱いて放そうとはしない。身体全体が、まるで棒を飲んだかのようにピンと張りつめて硬直している。

 ふたりとも、しばらくはそのまま動けないでいた。

「想像していたのより、ずっとずっと素晴らしかったわ。おじさま」
 しばらく休んだ後で、彼女は舌足らずな発音でそう告げる。
「年齢通りに年をとるのもいいもんさ」
 着衣の皺をなんとかみられる程度には直し終えたわたしは、ベッドの上に惜しみなく裸体を晒し横臥したままの少女にそう言い残して、その部屋を辞した。
 ──そうとも。
 家路を急ぐ路上で、わたしは自分自身にそういい聞かせる。
 ──年齢通りに年をとるのも、いいもんさ。どんなボディでも自由に選べる、こんなご時世でも。
 男でも女でも、どんな年齢のボディにでも自分の個性と知識を転写する技術が確立して、もう随分になる。わたしのように、一度も転写した経験がない者は、今となってはかなり少数派の変わり者、ということになるのだろう。さきほどの少女も、あれが産まれたままの姿ではない確率のほうが、高い。
 わたしの老いぼれぶりを笑うのなら、笑うがいい。だが、わたしはあえて断言しよう。
 ──老いることにも、それなりに「良さ」があるのだ、と。
 たしかにこの身体は、あちこちくたびれ果て、摩耗し、いつ機能を停止してもおかしくない有様だ。だが、衰えた機能を補うために得ることができる「なにか」もまた、けっして少なくはないのだと。
 わたし自身は、自分の「老い」を充分に愉しんでいるつもりだ。

 例え、それが厳冬を間近に控えた、晩秋の「最後の収穫」であるにしても、だ。

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